それでは、本シリーズ最後の記事に参ります。
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さて、行政書士試験から司法書士試験へと歩を進める場合、最後の障壁になるのが記述式です。
記述式の問題には、実際にも相談を受けそうな事案が何ページにも渡り書かれています。
この大量の情報から
申請すべき登記の内容を確定し
正確な申請書を書き起こす
これが記述式の解答の目標になります。
対談動画で、山村先生もお話していましたが、司法書士になるための職業訓練だと思って取り組んだ方が良い。そんなイメージです。
(行政書士試験も、そういう実務に則した問題…出さないんですかね。そしたら、受験生のモチベーションも上がるのに…と小一時間考えてしまう…)
この記述式問題が、とにかく厄介です。
最初に過去問等を見ると、「えーっと、どこからが問題かな?というか、どこをどう読めばいいのかな?」と軽くパニックになると思います。
そのくらい、記述式の問題は特殊なものです。
そこで、まず身につけるべきは、問題を読み解いていく順序。すなわち、解法です。
一昔前は、解法そのものが確立しておらず、自己流の方法論でやっている方が多かったとか。
しかし、それでは中々本試験問題には対応が出来なかった。そこで、万人共通の方法論が必要になるわけです。
この方法論こそが、山村先生が提唱した「答案構成力」です。答案構成力をしっかりと学ぶことで、「何を、どの順序で読み、何を考えていけばいいか」で迷うことはまず無くなります。
(他にも方法論っぽいものがありますが、全ての源流は答案構成力からきています。このことに気付かずに一回道に外れたことが……あぁ、この辺りはまた別の機会に書きます…)
もっとも、解法はあくまでも解法。方法論に過ぎません。方法論が分かるということと、それを使いこなせるということには、大きな隔たりがある。このことを認識すべきです。
この方法論を学び、使いこなせるようになるまでに必要な問題数は以下の通りです。
不動産登記法:40〜50問
商業登記法:30〜40問
一問につき、解くのに30〜60分。
解法手順のチューニングや、中身の復習に60〜120分。そんなイメージです。
基本的には、上記の問題を5〜6回くらい解いていくと、方法論も身につき、使いこなせるレベルまで上がってくると思います。
最初は、週に4問くらい。
慣れてくると、全然時間がかからなくなってくるので、週に8問くらい。
これを淡々と潰していきます。
大切なことは、答案構成力という方法論の通りに解いているかを常に意識すること。
問題ごとに解き方や読み方が変わっていると、演習の意味がありません。行き当たりばったりの解き方では、絶対に点数が安定しないのです。
解いていくうちに、「こういうことに気を付けた方がいいな」、「ここをチェックしておかないと読み過ごすな」といったようなことに気付いてくるはずです。適宜、方法論をブラッシュアップしていくようにしてください。
申請書を正確に書き起こす部分については、行政書士試験の受験経験がある方からすれば、そこまで抵抗はないと思います。面倒な手続をあれだけ覚えさせられた経験があるわけですから、「要は、申請書の記載の仕方を覚えればいいんでしょ?」くらいの認識で大丈夫だということです。
とにかく記述式の問題は、早い段階で「適切なコーチング」を受けること。
そこで立ち止まらず、その方法論を使いこなせるように、訓練しまくること。
解き方が分かったら、実際の申請書を書けるように、正確に記載の仕方を記憶すること。
この3点を意識しておけば、記述式の問題は、比較的早期に得点が安定してくるはずです。
は……またブログというか、何かの読み物みたいに…。失礼致しました。