わが社では年に1回程度、若手総合職が集まって、懇親する会があります。
もちろん私も、寮から4時間半かけて本社に向かいました。
しかし、徐々に「自分は疎外されているな~」と、感じるようになっていました。
口の悪い同期には、「お前は工場長を目指せばいいんだよ」と言われていました。
工場長は、いわゆるノンキャリアの最終目標です。
そんな集まりに参加して、「西ヨーロッパでの企業戦略」とか、
「アジア地域における当社製品の強みと弱み」
などの先輩社員の発表を聞いても、自分には遠い世界の出来事です。
まるで「冥王星の大気はオゾン100%です」と言われたときとほとんど同じ感想しかもてません。
しかし同期は「商社の接待がすごくてさ」とか、「出向先の子会社で実質No2の待遇だよ」
などと、言っています。
私はといえば、当時「流れてくる製品の良し悪しを判断する」ライン作業員で、
同時に「悪かった場合、どの程度悪い割合が出たらラインを止めるかの判断をする班長」
でしたが、2年間で一回も止めたことはありませんでした。
帰ってきて自分の状況に危機感を思えた私は、
「せめて英語が話せれば、海外勤務になるかも」と思い、職場の上司に
「TOEICを受けるので日曜休ませてください」と伝えると、
「今は英検のことをTOEICって言うのか?」
「TOEIC何級を受けるんだ?」
「701は英語が話せるのか?」
と、言われました。
面白質問ですが、当時の私も同じくらいの知識でした。
果たして2ヶ月間勉強をして、電車で2時間かけて受けに行ったTOEICの結果は・・・
310点
実はスコアを見たときは、事の重大さに気がつきませんでした。
310点って、どうなんだろ?と、思っていましたが、
その後の会社研修で、
「主任になるには470点、係長職になるには600点、海外赴任者は概ね800点を必要とする」
と言われました。主任の試験は半年後に迫り、総合職で落ちた社員は過去にいません。
このとき、「自分は総合職として扱われなくて、不遇だし不当だ!」と思っていた自分が
恥ずかしくなりました。
その日から、仕事と勉強について、様々な壁にぶつかりながら、「進化」というより、
むしろ「変身」していく日々が始まりました。