日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -50ページ目

娘の母親から電話

詩 「自転車に乗って」

人は荷物を背負って生きている。

だだし、

歩いてる訳じゃないよね。

常に走ってる。

それでも追いつかなくて、

自転車に乗る。

荷物はどこに載せる?


楽しかった想い出、

辛かったこと、


住宅ローンに、

月々の様々な支払い。

そんなものを、前籠に載せたらハンドルとられて、

危険極まりない。

それに、

つねに目の前に問題をちらつかせていたら、うんざりさせられるだけだ。

安全に、

確実に、

そして、

飛躍するために、

荷物は荷台に括り付けよう。

人生の重荷をいつも見ながら、

走り続けるなんて。

酷く疲れるだけだよ。


前だけ見て、

希望を抱き。


進めば良いんじゃない?

DV取り込み作業〜続く

土日の休みでDVを取り込む。

テープ一本一時間。


何たる事だ。

不眠不休でやっても、

半分も取り込めないじゃないか。



一時間ごとに、

DVカムのテープを取り替える。

再生される映像は観ないようにした。


娘を、否やが応でも思い出してしまう。


たまらんよ、まったく。



心境としては、


映画「マイノリティーリポート」で、

妻子を亡くした主人公のトムクルーズが、

失意とともに、

ドラッグをやりながら家族の映像を3D再生する、

あのシーンと同じだ。


俺はDVダビングを行っている部屋からすぐに出て、

居間でぼんやりと考えていた。


俺の結婚生活で、

娘とその母親に、

唯一残せたものは、

このビデオ映像だけだったのではないか?

そんな想いが頭の中を占領する。


俺の姿はほとんど映っていなかった。


それは、娘の母親にとっては好都合だろう。


電話が鳴った。


クレジットカードの督促だった。


金はない。


それでも、払うとしか言えなかった。

もう、

終わってる。


たくさんだ。