【大石英司の代替空港「対岸の火事」から引用します】
ロシアはその気になれば、いつでもウクライナ国内のネット網をダウンさせられる。
でもそうしないのはなぜか?
ネットを通じて世界に拡散される情報が、ロシアにとって有利だからです。
Twitterに上げられる爆発の映像、避難する民衆の涙、飛び交うヘリの映像が、ロシア軍の圧倒的な勝利を世界に喧伝することに貢献してくれるからです。
こういう時に、ネットに飛び交う速報に飛びつくのは、情報化社会の悪い所です。
ここで大事になるのは、戦争はどこから始まるかです。
建前としては、現代の戦争は、制空権を喪失したら負けです。
しかし、貧者の戦争、弱い側の戦争というのは、敵の戦車が橋を渡ってから、本陣をいったん奪われてから。
地の利を生かしてゲリラ戦に持ち込む。
祖国を防衛するための戦いはそこから始まるのです。
私が昨日のニュースを見て非常に危惧するのは、ウクライナのそういう姿は一切報じられない。
その露軍戦車はなんで公道を走っているの?
貴方はどうしてロシア軍が降りて来た空港の側でレポートしているの?
ウクライナ軍の兵士はどこ?
昨日の報道や Twitterで、戦っているウクライナ軍の兵士の写真や動画を一瞬でも見ましたか?
もっぱら現地からレポートするCNNのレポーターは、地下鉄に避難した住民を延々とレポしている。
あれを見て我々が思うのは、ああもうこの戦争、始まった瞬間に詰んだな。
ロシアのワンサイド・ゲームだ。
始まった瞬間にもう終わった、でしょう。
事実として、ウクライナ国民が戦う気概が無いのであれば、国際社会は何もする必要はありません。
そんな国のためにリスクを冒して支援する必要なんてありません。
だから、この戦争の帰趨は、ウクライナ国民がどれだけ徹底抗戦する意志を持ち、それを世界に発信、拡散できるかに懸かっています。