昨年4月の省令改正の影響(その2) | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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(前回からの続き)
そうした実態を踏まえた上で、私は「ユニバーサル就労」の条例化を主張してきました。以下その理由を述べます。
国の福祉政策は「現金の給付」や「減税措置」が主なもので「サービスの給付」は末端自治体である市町村が担うことになります。サービスを受ける側の、つまり消費者側のニーズが細かすぎて実態把握が困難だからです。
国が実態を把握せずに事業者への補助金メニューを増やし、その制度の盲点をついた「ビジネスモデル」を展開する業者があらわれ、国が規制を強化すると、今度は大量の解雇者が出る。この悪循環は障害者就労を「福祉」という切り口で考える以上、仕方のない事です。同様の誤謬が国の生活保護という政策にもあります。「経済」政策ではなく「福祉」という切り口で考えるから、生活保護レベル以下で就労して頑張っている人が国保税を滞納する。国民年金をもらうよりも生活保護を受けた方がマシだからです。

一方「ユニバーサル就労」という概念の導入は福祉政策ではありません。これは生産年齢人口の減少という事態に備えた経済政策です。
(少子高齢化に伴い生産年齢人口が減る。だから外国人労働者に頼るというのが政府の政策です。国が移民政策に舵を切る前に、地方自治体としてやるべきことがあると思いました)
手本としたのは大阪府箕面市の「パーソナルサポート制度」であり「社会的雇用」導入による社会的コスト削減の効果を示した論文でした。箕面市は障害者の一般就労と福祉的就労の中間に社会的雇用というサービスを導入しています。これは大雑把に言えば「時給800円のうち300円分の能力しかない障害者に500円分の手助けをして、800円働いてる人と同じだけ税金を払ってもらうようにすれば、全体の社会的コスト削減が可能」というもの。これを全国で展開し10万人の障害者の社会的雇用を増やせば、差し引き年間430億円の社会的コスト削減の経済効果があるというものでした。
www.city.minoh.lg.jp/syougaifukushi/.../siryou1.pdf
このモデルは障害者雇用以外にも展開可能だと考えたわけで、それがユニバーサル就労という概念です。この「社会的雇用」を条例に書き込みたかったのですが、当局と話し合いをした上で「市はユニバーサル就労の推進に関する施策の実施に必要となる財政上の措置を講ずるものとする」という表現に止めることに合意しました。
 
近い将来、生産年齢人口の減少により必ず人手不足に陥ります。その時、外国人労働者に頼る前にやることがあるはず・・・それが未就労の女性や高齢者や障害者の活用です。
そしてそれは、簡単に外国人労働者に頼るよりも、社会的コスト削減に遙かに大きな効果があるだろうと考えています。
 

富士市議会議員 鈴木幸司