1/4の奇跡・・・相模原殺傷事件をうけて | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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1/4 の奇跡 (「強者」を救う「弱者」の話)/マキノ出版


■「四分の一の奇跡」という話を知っていますか?

 726日、神奈川県相模原市の障害者施設において、入居者19人が刺殺されるという事件が発生しました。まずは犠牲になった方々に対し、心から哀悼の意を表したいと思います。

 「重複障害者は生きていても意味がない」と容疑者は自供したと聞きましたが、こうした障害を持つ人や年老いた人たちを切り捨ててしまってもかまわないと主張する人は、確かに一定程度存在します。

 でも、この考えを肯定してしまうと世の中は成り立ちません。人は「社会的動物」だからです。

 高度に機能的な社会をつくり、多様な遺伝子を残すことで人類は生物界の頂点に立ちました。 かつて世界中でマラリアが猛威を振るった時、人類の祖先は一度滅びかけています。それでもマラリアに耐性を持つ一部の人たちが生き残りました。今でも「鎌形赤血球」という形でその証拠は残されていますが、こうした特殊な遺伝子を持つ人の1/4に重い障害が現れることが知られています。 マラリアとの生存競争に勝つためには、マラリアにかかりにくい「強者の遺伝子」だけでなく、重い障害を引き受ける「弱者の遺伝子」も必要でした。学者たちはこれを「1/4の奇跡」と呼びます。「自分が生まれてきた意味って何だろう」そんな悩みに包まれた時、この言葉を検索してみて下さい。そして、もう一度今回の大量殺人事件の持つ意味を考えて欲しい。

 「生まれてきていけない命なんて一つもない」…これは生物学的な事実であり社会の常識だとしなければ、19人を殺し26人を傷つけた今回の容疑者に私たちは反論できなくなります。差別は人を殺します。私はそれが恐ろしい。