講師はISFネットの渡邉幸義社長。
以下、当日のメモを採録します。
今回は障害者の就労を進めたいと考えている経営者の皆様向けの話をしたいと思います。
先ず第一に親御さんの意識を変えることが大切です。
「障害者は働ける」これが正しい認識です。
なぜ親は興味を持てないのか、それは法律が正しく知らされていないことが原因です。
国が決めた障害者を就労させるための様々な施策があります。
単純に言えば「時給400円」の補助金が障害者のために用意されています。
(これは法律で決められているのですが、一旦事業主の懐に入ります。本来すべて障害をもった方が受け取るべきお金です)
なぜそうまでして国は障害者や女性や高齢者に就労してほしいのか。
それをお話しします。
数字はうそをつきません。安倍首相は「一億総活躍社会をめざす」と言いました。いいですか、国は明確にそちらの方向に舵を切りました。
去年の出生数は102万人です。
50年前は毎年170万人の赤ちゃんが生まれました。
今日本の人口1億2000万人。
そして6500万人の就労人口で日本は成り立っています。
50年後日本の人口は9000万人と予想されます。(人口予測はあらゆる統計の中でもっとも正確に将来を見通すことが出来ます。人口予測は外れることがありません)
すると50年後の就労人口は4000万人になります。
実に2500万人、4割近い働き手が減少する、そうした時代になります。
4割減って、おたくの会社は成り立ちますか?
今ある会社も4割がた潰れるでしょう。
そうならないために今から始めるのです。
うちの会社やIBMやグーグルはもう始めています。
また静岡県は流出人口が多い。これも問題です。
運が悪いことに、東京が近い。若年層はみんな首都圏に流れています。
すでに仕事は選べるが給与の上がらない時代が来ました。
これからは今までは働けなかったひとが働く時代がきます。
国が政策転換したからです。
障害者雇用はコストではありません。
IBMはとっくにやっていました。
「世界の優秀な2パーセントを雇う」これがIBMの目標でした。
LGBTが13人に一人いるわけです。
この人たちを活用したのがIBMです。
グーグルは昨年、自閉のひとを600人雇いました。
自閉症の10人に一人プログラムの天才がいると言われています。
ひとり700万円で600人全部雇ってもおつりがくる計算です。
病気になったら処方箋があるように、
障害者や高齢者、女性、LGBTといった強い個性をもった人たちが働きやすくなるような、そんな処方箋を考えればいいんです。
たとえば優秀な女性がほしければ駅前にでっかい保育園をつくればいい。大手企業は、今後必ずそれをやります。
人手不足倒産しないために必要なことは4つです。
①偏見差別をなくす
②「会社に来なさい」をやめる
③空気を読まない人を大切にする
④女性や高齢者、障害者を戦力にしていく
女性や高齢者、障害者雇用に国家予算をつぎ込む経済効果はあるんです。
障害者雇用に時給400円補助金といいましたが、これが利用されないので、そうした予算は毎年余っています。
経営に迷った時は二つの判断軸で決めるべきです。
・それは人のためになるか
・それは世のためになるか
もう一つ、会社に障害者をいれることには大きな効果があります。
従業員が変わります。
配慮をしなければいけない人が側にいれば、他人の目線でみれるようになるということです。
そうした「人にやさしい会社」は必ず生き残ります。
世のためになることなら、今日から始めてください。