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上記ウエブ上で、以下のようなアンケートを行いました。
【富士市民の皆様にお伺いします】 もし、仮に岳南鉄道存続のために新たに支援を行う場合、新たな税金が必要になります。そのための補助金として、あなたの家計にかかる税金が年間〇〇円(月々△△円)だけ上昇するとします。あなたの世帯では、毎年いくらの負担であれば支払いに応じていただけますか。下記から1つ選んでください。 集められたお金は岳南鉄道支援のみに使われます。この政策実施によって、あなたが普段購入している商品などに使えるお金が減ることを十分念頭において、世帯の代表としてお答え下さい。
「公共交通」や「自然環境」のように貨幣に換算し難い「価値」が世の中にはたくさんあります。
古来人間は自然を切り開いて住処を広げてきましたが、近年になって「自然を残すべきか開発を進めるべきか」といった、住民間対立を招くような問題も起き始めました。そうした場合に用いられるひとつの手法が「仮想的市場評価法」です。
国土交通省は平成21年6月に「仮想的市場評価法適用の指針」を発表しています。指針の中で、回答方法としては「ダブルバウンド二項方式」が推奨されていますが、個人として行うには経済的負担が大きすぎます。そこでフェイスブックの「ターゲット機能」と「クエスチョン機能」を利用することで、本調査を実施する前の、あくまでもプレテストとして「支払意思額の幅」を確認出来るのではないかと思いました。
平成25年1月1日現在の富士市の総世帯数は99212。
(母集団99212の場合、信頼度95%に必要な標本数は383、信頼度90%なら標本数は95以上必要になります)
1月17日の時点で回答が100を越えたため一旦集計を行い、以下のような結果を得ました。
プレテスト結果(2012/12/30~2013/1/17)
一世帯あたりの許容可能な負担(円/年間)
円 世帯
0 15 0
120 25 3000
360 2 720
480 1 480
600 42 25200
960 13 12480
1200 7 8400
2400 3 7200
3600 2 7200
4800 2 9600
合計 112 74280
このうち複数回答してしまう人がいたため、
これらを補正(複数回答の平均値を投票値とする)して、標本総数は105。
補正後の
一世帯あたりの許容可能な負担(円/年間)
円 世帯
0 15 0
120 24 2880
360 2
720
480 1 480
600 41 24600
720 1 720
960 12 11520
1800 1 1800
1200 4 4800
2400 1
2400
3000 1
3000
3600 1 3600
4800 1 4800
合計 105 61320
平均値が
584
平成25年1月1日現在の世帯数は 99212
岳南鉄道の社会的評価は、
この二つを掛け合わせることで算出できる。
584×99212=57939808
標本数から判別される、このプレテストの信頼度は90%であるため、
公共交通としての岳南鉄道の社会的価値は
平均×1.1 ~ 平均×0.9 つまり
¥63,733,789円~¥52,145,827円の範囲内にあることが予想される。
法政大学大学院政策創造研究科 研究員 鈴木幸司