8/25 スタディツアー「貧困ビジネスの現場を巡る」 | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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生活保護問題議員研修会の2日目。さいたま市・戸田市・川口市の「無料低額宿泊所」を巡るスタディツアーに同行した。

社会福祉法で認められた「第2種社会福祉事業」を営む事業所、通称「無料低額宿泊所」が埼玉県内に46施設あり、そのうち訴訟をおこされた施設数箇所をまわった。

昨年5月の新聞記事から引用する。

 

路上生活者から生活保護費を吸い上げる「貧困ビジネス」。全国各地で問題になる中、県内でも被害者が訴訟に踏み切った。

「現金日払い・寮完備」「高齢者歓迎・経験不問」。原告の男性は昨年11月、スポーツ新聞の求人広告に目を奪われた。失業中の中年男性には願っても無い好条件が並ぶ。すぐさま電話した。

だが、面接に行った戸田市の事務所では「今は仕事が無い」と言われ、「待機所みたいなところで考えて」と提案された。他に行く当てもなく、数日後さいたま市桜区の民家に入居が決まり、すすめられるままに生活保護を申請した。

あれから半年間。仕事は無い。毎朝500円支給されるが、仕事探しのバス代で消える。男性は「所持金が数十円のこともしばしば。息切れして、身動きできなくなるのを狙っているようだ」とこぼした。

保護費の支給日には、6・7人の監視役が区役所に付き添う。別の男性は「異様な光景で不審に思う人もいる。区が知らないわけがない。野放しにしているのが不思議でならない」と話している。

 

「貧困ビジネス」であると名指しすることはむずかしい。争いになってはいるものの、訴えられた側は皆「困っている人を助けている。社会事業だ」と口をそろえる。

元入居者から話を聞いた。6畳間をべニアで仕切って3人が暮らす。携帯電話は没収され、入浴や門限、消灯の時間が厳しく決められ、部屋に暖房はなく寒さに震えた。食材は提供されるが、朝はご飯と味噌汁、昼はインスタントラーメン、夜はごはんとレトルト食品のおかずといったメニューがつづく・・・。「追い出されたらホームレス生活に戻るしかない」と怯えている。そして訴えているはずの相手に対し「〇〇さんはともだちだから・・・」といった言葉が飛び出す。

200人以上が収容されていると言うマンションでは、若い衆が「なに見てんだよ」と飛び出してくきた。外から見ても室内が三つに仕切られているのが見える。思い切って「中を見せてくれませんか」と頼んでみたが、「おととい来い」とにべもない。

200人から生活保護費を半分ピンハネしても、毎月1000万円以上のお金が転がり込むわけだ。広域暴力団の資金源になっているという噂もつきまとう。

家畜のような生活を強いられても、路上生活よりはまし・・・というあきらめも漂う。

日本国憲法第25条で保障された「健康で文化的な最低限の生活を営む権利」というのは何なのだろうか。現在、日本の生活保護者の総数は200万人をこえた。この現実に、地方行政がいったい何が出来るか・・・ムカムカと気分の悪くなる、6時間のバスツアーだった。