8/24 生活保護問題議員研修会 記念講演「子どもの貧困連鎖を断ち切るために」 | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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底辺高と言われる高校の教師を長く務めてきた白鳥勲先生による講演。

「かつて、一人の生徒を退学させるのには大変な労力が必要でした・・・親が中々承諾のハンコを押してくれません。『せんせい、なんとか高校ぐらい卒業させてくれ』と泣きつかれたものでした」

しかし、ここへ来て「学力の底が抜けた」と白鳥氏は言う。

「2000年以降、親たちが簡単にハンコを押してしまうようになりました」

「高校って、教材だとか制服だとか、なんだかんだとお金がかかるんです」

「そこには生活保護世帯の問題があります」

そして

「せめて高卒程度の学歴がないと、様々な資格をとることも出来ません」

「そうなると軽作業などの就業機会しか与えられません」

「一度失業すると、彼もまた生活保護を受けるしかなくなります」

これが白鳥氏が説く「子どもの貧困の連鎖」だ。

埼玉県ではこの貧困の連鎖を断ち切るために、「アスポート教育支援事業」を始めた。進学意欲のあまり高くない親子に対して、「進学すること」によって子どもの将来の可能性が大きく広がるということを丁寧に伝え、進学に向けた動機付けをして行くというものだ。

学習教室の運営については、すぐにでも真似ができそうだが、驚くべきことは先生たちが粘り強く生活保護世帯を訪問し、本当は学校に行きたくても行けない子どもたちに「君たちの未来は大きく広がっているんだよ」と説明して歩くくだりだ。

2回、3回、4回、5回・・・。先生たちは諦めない。先生たちはこの学習教室が「絶対に」子どもたちのためになることを確信している。

 

「学力の底が抜けた」

繰り上がりの足し算が出来ない15歳を、半年で高校受験にまで指導することも凄いが、それが可能だと言う事実が、この問題の本質だ。

貧しい事で学校でいじめられ学校に行けなくなり、引きこもっていても本当は自分の未来を、子供たち自身は感じている。何度も何度も親に追い返される先生を、子どもたちは、じっと様子を伺うようにして見ていた。わずかな光を注ぐだけで、子どもたちは自分の力で立ち上がる。

 

白鳥氏が言う6つの言葉

子供たちに学習教室へ通う理由を聞いてみた。

①わかりません・・・と言ってもいい。

②隣に「教えてくれる人」がいる。

③バカにされない。

④わかる事がうれしい。

⑤仲間がいる。

そして

⑥無料だから。

 

通学費も支給する「アスポート教育支援事業」・・・これは、貧困の蟻地獄に落ちた子供たちへの一本の蜘蛛の糸だ。