「タイムリミット」
COP17は、終了予定の9日を過ぎましたが、合意に至らず、続いています。
これまで、夜を徹して行われたものを含めて、閣僚会合には、すべて出席しましたが、手続きを巡っての混乱が多く、中身の議論に、なかなか入ることができずに来ました。
日米豪などのアンブレラグループ、EU、途上国、ツバルなどのAOSISなど、参加国は、何とか合意をしようと協議を重ねてきました。会議を壊そうとした国はありませんでした。
バイの会談は、米国、豪州、英国、韓国、インド、中国、カタール、ロシア。食事や立ち話、グループ会合は数知れず。官僚諸君は、徹夜で作業や交渉にあたりました。彼らの頑張りで、日本の立場は確実に伝わりましたし、合意形成に向けて、貢献できたと思います。
惜しむらくは、タイムリミットが近づいていること。やはり、原発事故対応がありますので、帰国しなければなりません。ダーバンでの残された時間は2時間弱。何とか、COP17の方向性を見届けたいと願っています。(12/10◎細野豪志)
結局のところ、2020年までにアメリカや中国など二酸化炭素の主要排出国が参加する新たな法的枠組みを発効させる、ということが決まった。概ね日本の主張が取り入れられた上、日本は排出規制の枠組みから離脱した。
懸念されたEUによる、「日本を引きずり込み、不公平を固定化させる」という最悪の事態は避けられた。EUも一枚岩ではなかったということだろう。スペイン、イタリアは内心では反対だったはずだが、EUという枠組みの中で、今後も不毛な努力を続けることになる。
南アもナイジェリアとの「アフリカの盟主争い」の為には、何としても「米中を参加させた上で…」という一文を入れる必要があったわけで、結果として両国が南アの顔をたてた構図になった。
経団連もこの結果を評価し、2013年以降、自主的な目標を掲げて温暖化対策に取り組むことを踏まえ「産業界は低炭素社会実行計画を着実に推進する決意だ」と協力するコメントを発表した。アフリカ各国が「日本による本音の議論」を評価してくれたことも今後に繋がるだろう。
富士市議会議員 鈴木幸司