少年とストライカーと約束 | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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少年とストライカーと約束/上井 建治

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全国一千万人のにわかサッカーファンの皆様、
今夜は「運命のパラグアイ戦」だそうです。
スタジアムへ一度も足を運んだことの無い人たちを中心に、
「ふむふむ今日もホンダのワントップだな、頑張れよ岡田」
「岡田!モリモト使って2-5-4で行けよ。あれ一人多いぞ」
というふうに頑張って応援しましょう。
 
(この際だからホンダは「ワントップ」というクルマを出せばいいのに)
 
さて、表題の「少年とストライカーと約束」という本。
デンマークのトマソン選手と和歌山のひとりの少年の物語です。
 
「営業せきやんの憂鬱」
http://36488.diarynote.jp/
というブログで紹介されていたので引用します。
 
デンマーク逸話・・(2)

トマソン、彼の優しき一面をもう一つ語りたい
それはある握手会でのことである

デンマークというチームは前述したように
練習を公開し、和歌山県民との交流を積極的に行った

練習後は地元サッカー少年たちとミニサッカーを行い
握手会、サイン会もたびたび行った
そのひとコマの話である

あの日も、いつものごとくサイン会が行われた

気さくなデンマークの選手たちを県民も大好きになった
あの日もデンマーク選手たちのサインを求め長蛇の列が出来上がっていた
気軽にサインをするデンマーク選手たち
もちろんトマソンもその中にいた

その最中のことである

トマソンの前にある少年が立った
彼はトマソンの前に立ちつつも・・・少しモジモジしていた
後ろに立っていた母親らしき人が彼を促す

「ほら!早くしなさい!」
 と彼に言っていた

トマソンも少し「変だな」と思ったのでしょう
通訳を通じ「どうしたの?」と彼に聞いた

意を決した少年はポケットから一枚の紙切れを出し、トマソン選手に渡した
それは学校の英語の先生に書いてもらったものだという

英語で書いたその紙切れにはこう書いてあった

「ボクは小さいころに、病気にかかって
口と耳が不自由です・・・
耳は聞こえません、
話せません・・・
だけどサッカーだけはずっと見てきました、
 大好きです
デンマークのサンド選手とトマソン選手が好きです
頑張ってください」と・・・

その手紙に通訳も・・・その場にいた我々記者も驚いた
言葉が出なかった・・・

だが、トマソン選手はニッコリと微笑み少年に・・・
「それなら君は手話はできますか?」
  と・・・

手話で語りかけた
その『言葉』に驚く少年と母親

再度聞くトマソン・・・
「手話はわかりませんか?」と・・・

それを見ていた皐月パパはトマソンに英語で言った

「ミスタートマソン、手話は言語と同じで各国で違うんですよ」と彼に言った
手話を万国共通と思う人が多いのだが
国によって違う、
ましてや日本国内でも地方によって違う

「そうだったのか・・・」という顔をしたトマソン
そして彼は通訳にこう言った

「ボクは彼と紙で、文字を通して話をしたいのですが手伝ってください」

微笑んで「わかりました」と答える通訳

トマソンは「後ろの人たちにも彼と話す時間をボクにくださいと言っておいてください」とも言った
後ろで順番を待つ人たちは何も文句を言わなかった・・・一言も文句を言わなかった・・・
彼らに「2人の時間」をあげたいと他の人たちも思ったのでしょう
そして通訳を介し、少年とトマソンの『会話』が始まった

「君はサッカーが好きですか?」
「はい。大好きです」
「そうですか。デンマークを応援してくださいね」
「はい。あの聞いていいですか」
「いいですよ。何でも聞いてください」
「トマソン選手はどうして手話ができるんですか?正直、ビックリしました」

この少年の質問に彼は答える

「ボクにも君と同じ試練を持っている姉がいます
その彼女のためにボクは手話を覚えたんですよ」と・・・

その彼の言葉をじっくりと読む少年

そしてトマソンは少年に言った
「君の試練はあなたにとって辛いことだと思いますが
君と同じようにあなたの家族も、その試練を共有しています
君は一人ぼっちじゃないという事を理解していますか?」

この言葉に黙ってうなずく少年

「わかっているなら、オーケー!
誰にも辛いことはあります。君にもボクにも
そして君のお母さんにも辛いことはあるのです
それを乗り越える勇気を持ってください」
とトマソンは言った

このやり取りに涙が止まらない母親

この光景を見ていた我々記者も涙した
その場にいた人たち、その2人を見ていた人たちも涙した
そして、トマソンは最後に少年にこう言った

「ボクは今大会で1点は必ず獲ります
その姿を見て、君がこれからの人生を頑張れるように
ボクは祈っておきます」

この言葉に・・・この少年は初めて笑顔を浮かべた
「はい!応援しますから、頑張ってください」と少年は言った

そして、サインをもらい、その場をあとにする少年と母親
ボクの取材に母親は目に涙を浮かべて言った
「あんなことされたらデンマークを応援しないわけにはいかないですよ
日本と試合することになっても、私らはデンマークを応援しますよ」
と涙を流し、笑いながら言った・・・・


私たち日本は、
この心優しきトマソン選手のチームを破って決勝ラウンドに進出したわけです。
 
デンマークの分も頑張れニッポン!



yan