耳の話 その35 国立時代(21) | 小迫良成の【歌ブログ】

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「唱歌是生活的乐趣(歌は人生の喜び)」
「有歌声的生活(歌と共に歩む人生)」
 この言葉を心の銘と刻み込み
 歌の世界に生きてきた
 或る音楽家の心の記憶

「ラジカセ」なるものが

一般家庭に普及してきたのは

いつ頃からだっただろうか。

 

我が家の場合、

単一機能のカセットレコーダー

(確かソニー製)が来たのが、

三菱の電子レンジが置かれたのと

ほぼ同時期だったため、

71年~72年あたりだったと思う。

 

父がなぜこのレコーダーを買ったのか、

その意図は良くわからなかったが、

その後、中学に上がると

英語教材の聞き取り用に

このレコーダーを使っていたと記憶している。

 

ラジカセは中学時代。

 

まだデパートなどで販売されているのは

もっぱらモノラルのラジカセばかりだったが、

当時流行の「ミキシング機能」を使って

ラジオの音楽に自分の声を被せるのが

結構面白かったかな。

 

深夜のラジオ放送を聴いたのも

このモノラルのラジカセだった。

 

夜中にスピーカーを鳴らすと

両親に叱られたので、

イヤホン片手にベッドにもぐりこみ

枕や布団でイヤホンを抑えながら

ウトウトするまで聴いていたなあ・・・

 

高校に入り、月1回の割合で上京し

高名な先生にトランペットを習うようになると

レッスンを録音して帰りの新幹線の中で

それを聴き反省できるよう、

小型軽量のカセットレコーダーを手に入れた。

 

・・・といっても

まだウォークマンが世に出る前のこと、

今でいうなら東京駅で売られている

「深川めし」弁当ほどの大きさのレコーダーが

当時は「画期的な小型カセットレコーダー」

として売られていたのだ。

 

私が勝ったのはアイワの製品で

小型ながらも拡張機能を持ち、

長時間稼働用の追加バッテリーボックスや

3波ラジオの受信ユニットなどが

オプションとして売られていた。

 

何より便利だったのは

このアイワのカセットレコーダーが

ヤマハのトランペット用ハードケースに

ぴったりと収まったこと。

 

それがきっかけで

レッスン録音用の定番アイテムとして

結構長く使っていたと思う。

 

 

レッスンを録音して

帰りの電車の中で聴き返したりすることは

トランペット専攻の頃から始めていたが、

まあ、正直な話、

大抵は2or3回ほどやると飽きてくる。

 

わざわざ自分の下手な音や演奏を

聴き返そうという気にはならないし、

テープ録音をあてにして

先生に注意されたところを

全部忘れてしまうほど愚かではないし…

 

なので、確かに毎回のレッスンを

録音してはいたが、

特にそのテープを聴き返すことはなく、

次のレッスンで録音の上書きをすることも

稀ではなかった。

 

(続)