台所の調味料 ─砂糖─ | 小迫良成の【食ブログ】

小迫良成の【食ブログ】

「民以食以天(民は食を以て天と為す)」
「吃是一在世(食べることは生きること)」
 この言葉を心の銘と刻み込み
 食の世界を回遊・遍歴する
 或る音楽家の魂の記録

私の祖母は

父方も母方も早くに亡くなったので

私の中に祖母の記憶はない。

 

逆に祖父については

どちらも長生きしてくれて

お陰で沢山遊んでもらった記憶がある。

 

特に母方の祖父・孝太郎は

一緒に暮らしていたので思い出も多い。

 

いつもは家の1階奥にある

祖父の部屋でのんびりと暮らしていて

あまり接触はなかったのだが、

時折、二階の子供部屋までやってきては

散歩のついでに買ってきた氷砂糖を数粒

私や兄にくれていた。

 

そのせいだろうか、

氷砂糖は私の好物のひとつとなり

今も時折無性に食べたくなることがある。

 

「砂糖」という名で思い出すのは

この祖父がくれた氷砂糖と、

もうひとる、台所の食卓に置いてあった

ガラスの器に入った角砂糖だ。

 

あの頃はコーヒーに入れる砂糖は

「角砂糖」を使うのが一般的で、

我が家でも来客があると

ちょっといいコーヒーカップに

「ネスカフェ」を入れて

角砂糖の入ったガラスの器と一緒に

お盆にのせて提供したりした。

 

来客時にコーヒーを出すのは

大抵は母親がやっていたけど、

私が代わりに運んだりすると

客が喜んで「おみやげ」や

「おこづかい」をくれたりする。

 

それが楽しみで来客があると

用もないのに台所をウロウロして

「コーヒー出すの手伝って」

という母の声がいつかかるかと

待ちわびたものだ。

 

…「邪魔、二階に上がってなさい」

と追い払われることの方が多かったが…

 

コーヒーが解禁になったのは

中学に上がってからだったので、

それまで暖かい飲み物といえば

お茶か紅茶くらいだった。

 

紅茶には輪切りのレモンを入れたりしたが

紅茶の渋さとレモンの酸っぱさを紛らわすため

結構な量の角砂糖を入れてたと思う。

(大きめの角砂糖で3個~4個)

 

ただ、それだけでは飽き足らず

ガラス瓶から角砂糖をこっそり取り出して

ガジガジ齧ってたこともあったなあ・・・

 

今は喫茶店やレストランで「砂糖」といえば

「角砂糖」ではなく「スティックシュガー」だし、

そもそもコーヒーなどに砂糖を入れて飲む習慣も

昔ほどには一般的ではなくなっている気がする。

 

でも、私的には

コーヒーはあくまで

ミルクと砂糖を入れて飲むものだし、

それもできれば粉砂糖やブラウンシュガーではなく

角砂糖や、バラの形の砂糖で飲みたかったりする。

 

同じ砂糖であっても、

そちらの方が、

ちょっとだけ気分が上がるのだよね!

 

※写真は角砂糖のイメージ(写真ACより)