ヨーロッパの職人は社会的地位が高いと聞く。日本の伝統工芸の世界は、作家は別にして職人は総じて日陰の存在である。完成品を知らずに、糸を染める人、経(たて)糸を並べる人。
 職人に光が当たらないのは、それを束ねる親方、経営者に問題があるという。その問題を端的に表したのが自分の会社の言い方である。表題の通り「本店」か「本社」か。本店では自社商品を自分の店で売る。西陣に自分で店舗を構えて売る店はほとんどなく「本社」ばかりである。
 伝統工芸の不振も手伝い日本の職人の賃金は高くない。売る努力を人に任せるのだから、当然といえばそうかもしれない。さらに今は世間にモノがあふれかえる時代で、作るより売るのが難しい。そして難しいことをした人が利益を得る。
 がんばれ、伝統工芸。