インターネットの普及で世界の流通が変わってしまった。先日の日経のコラムにあった「デスバイアマゾン」の話は興味深い。
 一方で、和装業界は旧態依然としていて、先日こんな事例があった。
 とある小売店が消費者に袋帯を販売した。後日、その商品を買った消費者が、ネットで他社が安く売っているのを見て憤慨し返品してきたそうだ。小売店は仕立て済みであっても消費者の返品を受け入れ、問屋さんに上代返品(仕入れ価格でなく消費者に売った価格で返品)を要求し、問屋はそんな理不尽な話は断ればよいと思うのだが、断わると取引停止になるので、断りきれず応じていた。
 市場が急速かつ大幅に縮小したので、過剰在庫を換金すべく、商品をネットで安く売る業者が増加している。また、ネットだと簡単に参入できるので素人としか思えない業者が多数参入している。
 和装品は、洋装と違い豊富な知識を持つ消費者は少なく、またアフターフォローが必要である。小売店はコーディネートやメンテナンスなど様々な知識と経験が必要で、デスバイアマゾンにはなりにくい商品である。そして、しっかり経営していくためには、当然ながら適正なマージンが必要である。
 インターネットの普及は本来なら歓迎すべき世の中の変化のはずだが、和装に関しては少し混乱気味のようだ。市場原理を加速させるインターネット。しかし和装の未来予想図はまだ見えてこない。