朝8時前に、コンビニまで新聞と牛乳を買いに出かけました。いつもの日曜日なら、ついでに小1時間ほど、朝の散歩をするのですが、今日は強い雨。コンビニに行って帰ってきただけ。
戻ってきて、ベランダの植物の手入れして、朝食後に2時間ほど睡眠。この間寝不足でした。
午後は読書。
アナトール・フランスの「神々は渇く」(岩波文庫)を一気に読み終えました。フランス革命の崇高な精神(マクシミリアン・ロペス・ピエールの掲げる理想)に殉じた、若者エバヴァリスト・ガムランを主人公にした物語。アナトール・フランスが晩年(68歳、1912年)に世に出した名作です。
作中の登場人物は、ほぼすべて歴史上の人物で(だから登場人物多いです)、革命法定の陪審人であるエヴァリスト・ガムランもほぼ無名とはいえ歴史資料に名を残しているとか。
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続く数日エヴァリストは続けざまに裁かなければならなかった。人民を飢えさせるために穀物を廃棄したかどで告発された一人の旧貴族、内乱を助長するためにフランスに舞い戻ってきた三人の亡命者、バレ・エガルテの二人の娼婦、十四人のブリュターニュ人の陰謀者、女、老人や、青年や、主人や、召使い、等々を。犯罪は証拠が挙がっており、法律は明確だった。有罪を宣告された者の中には二十歳の女もいた。近きに迫った死の影の下にも若さに輝く、魅惑的な女であった.金髪は青い蝶結びのリボンで留められ、寒冷紗の肩掛けからは白いしなやかな頸がのぞいていた。
エヴァリストは終始、死刑を主張した。かくてすべての被告が、一人の庭師の老人を除いて、断頭台へと送られた。
(1977年版、岩波文庫「神々は渇く」、大塚幸男訳、196ページから)
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そして、1794年7月27日(熱月:テルミドール9日)のクーデターで、ロペスピエールらは捉えられ、ジャコバン派、山岳党の多くは断頭台に送られることになります。この小説の主人公エヴァリストもまた断頭台に消えていきます。
アナトール・フランスはこの革命と断頭台の時代の人々を丁寧に描いていきます。革命の精神を否定せず、そして独裁的権力の姿も描き(ジャコバン独裁政治のパリでは連日数十名が断頭台送りになっています)、革命の困難さを描きます。
私はフランスの歴史に疎いので、時々フランスの歴史(とくにフランス革命)を扱っている新書を読み返しながらこの小説に向かいました。
☆写真/画像は今日夕方の梅雨空。今朝3時のアジア天気図(気象庁サイトから)。岩波文庫「神々は渇く」の表紙。岩波新書「フランス史10講」と中公新書「物語フランス革命」の表紙。
↓2年前の今日のブログです。詩を書いていました。