私は梅雨の真っ最中に生まれたためか、雨がちの日が多くて、晴れても少し湿った風が吹く、今日のような天気でも嫌ではありません。気持ちがなんとなく落ち着くんですね。
街に出るとコロナ感染の可能性が高まっているので(昨日あたりから、街でマスク使用者増えましたね。日本人と思われる人の半数以上はマスクしています)外出は控えて、今日は自宅での休養日。ベランダ菜園の手入れしたり、本を読んだり、昼寝をしたり・・・。
ベランダの山椒の木で育った今年「1期生」のアゲハ幼虫たちは、いまは静かに蛹になっているので手が掛かりません。すっかり食い荒らされた山椒はしばらく休ませます。今日のベランダでの「農作業」は蒔いた種から育ちはじめているバジル、シソ、イタリアンパセリの様子を見つつ(今年は育ちが遅いのです)、育って伸びすぎて水ばかり消費するミント類を大幅に刈り取って、怪しい虫がついていないか各プランターを確認して(ハダニがついたセージは木酢希釈液散布でダニが居なくなり一安心)・・・。
バルザックの「暗黒事件」(ちくま文庫)の第1部を読み終えました。バスチーユ監獄襲撃からテルミドールクーデターまでの「フランス大革命」5年間が過ぎ、ジロンド、ジャコバン、サンジェストなど多くの革命の「シトワイヤン:citoyen(同志)」達がギロチンに消えたあと。1795年にフランスの国民公会は解散。秩序維持/強力な権力につながる総裁政府時代に入ったものの、まだ落ち着きません。そして、1799年11月9日、エジプト遠征(敵対するイギリスに対する作戦)から戻った30歳のナポレオンが、革命暦ブリュメール(霜月)18日にクーデターを行って権力を奪取し、フランス革命の第1幕は下ろされました。
徐々に独裁者になっていくナポレオンボナパルト。「暗黒事件」は1905年が舞台。当時ナポレオンは「第一執政」から「皇帝」になったばかり。そしてバルザックはそのナポレオンのクーデターがあった1799年生まれ。彼の51年間の人生は、このナポレオン時代から、1814~30年の「王政復古」・さらに1930年の「七月革命/7月王政成立」、そして第2共和制ができる1948年の「2月革命」。1951年のナポレオン3世による「2度目のブルメール18日」クーデターという大変動の時代とほぼ重なります。
フランス革命を文字通り体験し、それをつぶさに感じとり続けていたバルザックの小説はだから、フランス革命期の「臨場感」に溢れています。そのためフランス史に疎い私などがその小説を読むとき、諸党派、諸勢力、諸事件のあまりの多さに混乱します。
「暗黒事件」はナポレオンボナパルトの暗殺未遂事件を下敷きにしつつ、王政復古を願う若き貴族やナポレオン帝政を強化しようとする権力サイドの人々、そしてその右往左往する人々が「活躍」する小説。舞台はパリから南東100キロほど離れた「トロワ」あたりの森と城と・・・。そしてやがて「城」を巡る事件が発生して・・・。
ある面、浮き世離れしている純愛小説「谷間の百合」やパリの新興ブルジョアジー世界を描いた「ゴリオ爺さん」とはまったく違ったスタイルの活劇小説。
残り約半分をゆっくり楽しむことにします。
良い日曜日を!
☆写真・画像は上から、今朝7時半ごろの西空。一昨日の「通勤散歩」で写した中野の資材置き場の、なんとなく良い感じの「色」。農業高校教科書「栽培と環境」の「雑草の生態と被害」のパージに図示されていた、ハルジオンとヒメジョオンの違いの図。「栽培と環境」の表紙。バルザック「暗黒事件」の表紙。
↓2年前の今日のブログです。秋山清の詩を呼んで、あれこれと考えていました。