いよいよ今月末に発売されるドラマ『火曜日のあいつ』のDVDボックス。昨年の11月末にそのニュースを知ってから、クリスマスもお正月もうわの空で過ごしてきて、長かったようで短く、いや短かったようでやっぱり長かったから、ようやくというかんじで迎える。

 

東宝版トラック野郎「火曜日のあいつ」初ソフト化 | 茶屋町吾郎の趣味シュミtapestry (ameblo.jp)

 

火曜日のあいつ コレクターズDVD <HDリマスター版> 【昭和の名作ライブラリー 第128 集 ベストフィールド創立20周年記念企画 第11弾】 | TCエンタテインメント株式会社 (tc-ent.co.jp)

 

というわけで、DVDボックスの発売記念として、このときのために以前から温めてきた企画で、放送が開始された1976年春改編期のドラマたちを振り返ってみたい。

 

1976年4月20日にTBSの火曜8時枠で放送が開始された『火曜日のあいつ』(制作・東宝テレビ部)主演・小野寺昭が述懐したところによると本作を含めて当時4本も掛け持ちをしていたという。もちろん、そのひとつが代表作となっている日本テレビ金曜8時枠の『太陽にほえろ!』(制作・東宝テレビ部)である。まずはそこらへんのことから。

 

 

『太陽にほえろ!』は放送開始5年目で、前年秋改編期の10月に新人刑事のボンこと新人・宮内淳が加入し、それまでの慣例として入れ替わりに殉職降板する予定だった新人刑事のテキサスこと勝野洋が番組ファンからの嘆願もあり、“死ぬ死ぬ詐欺”を使ってそのまま残り、若手二人体制となった。追って11月には暫く空席だった女性事務員(いわゆるお茶くみ)のアッコこと新人・木村理恵が補充され、そんなわけで人事異動もなく平穏に過ごしていく。

 

テキサスは二度死ぬ、「太陽にほえろ!」のタイトルにおける死ぬ死ぬ詐欺 | 茶屋町吾郎の趣味シュミtapestry (ameblo.jp)

 

一方、改編期対策は抜かりなく、4月2日放送の第194話「兄妹」は『火曜日のあいつ』ほか2本の掛け持ちで忙しくなる前に、殿下こと小野寺昭主演エピソード編を持ってきて、殿下の妹役に当時売れていた若手美人女優の中田喜子をゲスト主演で迎えた。さらに、事件の捜査がいつもの都内から飛び越えて静岡県浜松市に移っていき、そこへ七曲署捜査一係が御一行となって出掛けて、クライマックスには景勝地・中田島砂丘で大規模なアクション・ロケを行ったスペシャルなイベント編に仕立てられている。『太陽にほえろ!』はこの頃、視聴率は30%前後の高止まりを維持していて、TBS月曜8時「ナショナル劇場」枠の『水戸黄門』(制作・C.A.L)がその上を行く35%以上獲るのだが、1976年春改編期は休止期間中で替わりに視聴率がまだ20%台だった『江戸を斬るII』(制作・C.A.L)をやっていたから、民放視聴率ナンバー1ドラマの称号は『太陽にほえろ!』となっていた。

 

現在、その『太陽にほえろ!』は神戸にあるサンテレビで毎週日曜日午前11時から再放送されていて、2月25日(日)のものは1976年3月5日に本放送された第190話「パズル」。最近、本放送日と近似していて、かつ『火曜日のあいつ』の放送開始日(1976年4月20日)にも迫っているという、なんたる奇遇さ。サンテレビでの再放送は休止日が時々あって、さらに本放送日と迫る可能性もあるので、4月下旬ぐらいから『火曜日のあいつ』とリンクさせて観ていくのも一興かと思う。

 

「放送予定」のブログ記事一覧-「太陽にほえろ!」当直室 仮設日誌 PART2 (goo.ne.jp)

 

さて、小野寺昭以外にも『太陽にほえろ!』レギュラー出演者たちは当時他のドラマを掛け持ちしていた。ボスこと石原裕次郎は、自身のプロダクション、石原プロモーションがテレビドラマ制作に乗り出した一作目『大都会 -闘いの日々-』に出演。前回の記事でも触れたとおり、本作は『太陽にほえろ!』の日本テレビ側プロデューサー・岡田晋吉を頼って制作されたもので、1976年1月から同年8月まで火曜9時枠で放送されていた。現在、こちらもホームドラマチャンネルにて週一で放送中。2月より開始したから本放送時とは若干遅れているが、まぁまぁ近似している。

 

大都会-闘いの日々-|ホームドラマチャンネル (homedrama-ch.com)

 

山さんこと露口茂はフジテレビ木曜9時枠の時代劇『同心部屋御用帳・江戸の旋風II』(制作・東宝テレビ部)、ゴリさんこと竜雷太は毎日放送が制作局でTBS土曜10時枠の時代劇『隠し目付参上』(制作・三船プロ)、長さんこと下川辰平はTBS金曜9時枠の『赤い運命』(制作・大映テレビ)とNET(後のテレビ朝日)月曜8時枠の『金のなる樹は誰のもの』(制作・渡辺企画)。いずれも『火曜日のあいつ』と同じく1976年春改編期の4月から放送を開始したものである。なお、若手刑事の二人、テキサスこと勝野洋とボンこと宮内淳は、番組の制作方針から掛け持ちは許されず、『太陽にほえろ!』のみの出演であった。

 

 

まぁとにかく、当時はドラマがいっぱいあったのだ。月曜から金曜の平日に帯番組でやっている昼ドラを週一本として換算し、アニメとアメドラ、それから再放送のものは抜かすと日本テレビで14番組、TBSで22番組、フジテレビで12番組、NETで12番組、東京12チャンネル(後のテレビ東京)で2番組、NHKで6番組、一週間に合計68番組もあった。だから、主演クラスでも掛け持ちは当たり前だったのだけど、『太陽にほえろ!』レギュラー陣は、ただでさえ拘束されている『太陽にほえろ!』に支障をきたさないようにか、時代劇でも京都太秦へは行かず、『太陽にほえろ!』を撮っている世田谷区砧の国際放映とほど近い撮影所の三船プロか、多摩川を挟んだ生田スタジオ、もしくは同じ国際放映で撮っているものばかりに出ている。後年、京都太秦の京都映画撮影所で撮っていた「必殺仕事人」シリーズと掛け持ちをしていたジプシーこと三田村邦彦の出演がわずか一年で終わったのはそのためである。

 

● 1976年4月における時代劇 一覧

月曜 ◎TBS『江戸を斬るII』、◎フジ『夫婦旅日記・さらば浪人』

火曜 日テレ『伝七捕物帳』、NET『破れ傘刀舟悪人狩り』、◎フジ『お耳役秘帳』

水曜 ◎フジ『銭形平次』、◎NET『徳川三国志』→『人魚亭異聞 無法街の素浪人』

木曜 ◎NET『遠山の金さん』、フジ『同心部屋御用帳・江戸の旋風II』

金曜 ◎NET『必殺仕業人』

土曜 東京12『大江戸捜査網』、TBS『隠し目付参上』

日曜 NHK『風と雲と虹と』、日テレ『子連れ狼』

 

◎印を付けたものは京都太秦界隈にて制作されていたもので、外注ではないNHKの大河ドラマを抜かせば、13作品のうち、京都太秦界隈 7作品:都内 6作品 が NET『徳川三国志』→『人魚亭異聞 無法街の素浪人』で東映から三船プロへと制作も替わったことから、京都太秦界隈 6作品:都内 7作品と、ものすごいバランスで均衡している。しかし、この数年の後は都内での時代劇制作は様々な理由で縮小していく。1980年、東映東京撮影所にあったオープンセットが廃止(跡地にはショッピングモールを建設)、1984年には三船プロの撮影所が閉鎖し、国際放映も1990年代初頭の全面改装前に時代劇の制作は一足早く停止。一方、合理化の一環で前年の1975年秋に東映京都撮影所は敷地内に京都太秦映画村をオープンするなどして当時は存続に必死だったが、先述した都内での時代劇制作が縮小していく度、京都太秦界隈にその分が廻ってきて、なんとか制作体制は生き残る。そして1980年代末、1987年のNHK大河ドラマ『独眼竜政宗』が契機となってテレビ番組における時代劇のブームが復興すると、すでに都内では制作が出来なかったことから、京都太秦界隈が一手に担い、東映京都撮影所、京都映画撮影所はフル稼働するほどの賑わいとなっていった。

 

おっと、話がだいぶそれてしまったから、そろそろ1976年4月のことに戻そう。今度は刑事ドラマ&アクションドラマについて。

 

● 1976年4月における刑事ドラマ&アクションドラマ 一覧

月曜 東京12『プレイガール傑作シリーズ』(いわゆる再放送)

火曜 TBS『火曜日のあいつ』、日テレ『大都会 -闘いの日々-』

水曜 TBS『夜明けの刑事』、NET『特別機動捜査隊』

木曜 NET『非情のライセンス』

金曜 日テレ『太陽にほえろ!』、NET『ベルサイユのトラック姐ちゃん』

土曜 TBS『Gメン’75』

日曜 なし

 

『太陽にほえろ!』とともに超高視聴率を稼いでいたのは、前年5月から土曜9時枠で放送開始した『Gメン’75』(制作・東映)。とくに系列局である毎日放送の近畿広域圏ではTBSの関東広域圏よりも常に高く、さらに同地域では『太陽にほえろ!』がなかなかなしえない30%越えもザラであった。

 

順風満帆ぶりはレギュラー刑事陣の不動さから伺える。この1976年の年始に放送された第33話「1月3日 関谷警部補・殉職」にて番組開始以来の原田大二郎がストレスからくる健康問題でやむを得なく降板しても後任刑事を補充することがなかったのだ。刑事ドラマにおけるレギュラー刑事の入れ替えはたしかに話題とはなるものの、諸刃の剣でもあり、後任となる新参者のキャラクターによって番組の色合いを変えてしまいかねない危険性も孕んでいる。絶好調だった『Gメン’75』はそれを避けたかったのではなかろうか。その分、前番組『バーディー大作戦』、『アイフル大作戦』、『キイハンター』からの前時代的であった荒唐無稽な設定の残り香を払拭して、番組独自の売りであるハードボイルドさに磨きを掛けていき、『太陽にほえろ!』とならぶ“刑事ドラマの金字塔”なる称号を得ていく。

 

その『Gメン’75』のTBS側プロデューサーは『火曜日のあいつ』も受け持つことになる樋口祐三であり、その他の番組には水曜8時枠の『夜明けの刑事』(制作・大映テレビ)もあった。だから、キャスティングにもその影響が表れていて、『夜明けの刑事』に半年前までレギュラー出演していた石橋正次と当時レギュラー出演中の鈴木ヒロミツがこちらへも掛け持ちしたのはそれが所以だと思う。また、『火曜日のあいつ』放送開始前月3月27日放送の『Gメン’75』第45話「警視庁広域手配 No.307」にはレギュラー出演する子役・新井つねひろがゲスト出演しているのもチェックポイントだろう。

 

夜明けの刑事|ドラマ・時代劇|TBSチャンネル - TBS

 

第15号に第45話「警視庁広域手配 No.307」が収録されて表紙も飾った

ベテランの山田刑事を演じる藤木悠の主演エピで、新井つねひろとは

同じTBSの『ウルトラマンレオ』(1974-75年、制作・円谷プロ)でも共演

 

現在、東映チャンネルでは一週間のうちになんと!四枠(そのうち一枠は前週分のリピート)で『Gメン’75』を放送していて、金曜早朝4時・5時枠のがいまちょうど1976年春改編期に入ったあたりのものをやっている。

 

東映チャンネル | Gメン’75 2月8日(木) 放送スタート!毎週(木)4:00~6:00 (toeich.jp)

 

さて、『火曜日のあいつ』と一緒に括られるのは、同じ1976年春改編期に開始されたNET金曜9時枠の『ベルサイユのトラック姐ちゃん』(制作・東映)。

 

「ベルサイユのトラック姐ちゃん」、YouTubeで配信開始。 | 茶屋町吾郎の趣味シュミtapestry (ameblo.jp)

 

タイトルから見て取れる通り、こちらも東映娯楽映画「トラック野郎」シリーズに影響を受けて制作されている。ただ、その“トラック”は本家の「トラック野郎」シリーズや『火曜日のあいつ』ほど物語が進行するうえでのキーアイテムになっていなくて、番組タイトルからは“ベルサイユ”のほうに重きを置かれ、女性ばかりの生花店が周辺で起こる阿漕な事件にその正義感から首を突っ込んで万事解決していくという展開で魅せる。開始直前の1976年春改編期で番組が終了した、東京12チャンネルで月曜9時からやっていた『プレイガールQ』(制作・東映)の制作チームが携わっており、そのままのノリで作ったものだから、差し詰め『プレイガール・花屋編』という趣であった。

 

東映チャンネル | プレイガールQ 毎週(木)15:00~17:00 (toeich.jp)

 

だったら、『火曜日のあいつ』のライバルはどの番組だったのか?、やはりそれは裏番組だろう。1クール遅れて7月から放送を開始したNET『新・二人の事件簿 暁に駆ける』である。

 

『火曜日のあいつ』開始時の裏でやっていた前番組は喜劇役者・藤山寛美が座長を務める松竹新喜劇の舞台中継番組『藤山寛美3600秒』で、制作局の朝日放送がある近畿広域圏だけでウケているようなもの。いまでは全国区で知られる吉本新喜劇でさえも関東では馴染みがない頃に全国ネットでやっていた。まるで視聴者層が違うし、当時民放第4位のNETにしてみれば前年の腸捻転解消以来何かと世話になっている朝日放送へ好きにさせていた時間枠だったから民放第1位のTBSにとってはノーマークだったに違いない。

 

篠田三郎、「二人の事件簿」を語る | 茶屋町吾郎の趣味シュミtapestry (ameblo.jp)

 

ところが、『新・二人の事件簿 暁に駆ける』は『火曜日のあいつ』と同じく青春もののアクションドラマ。視聴者層がもろ被りなわけである。しかも、制作プロダクションが大映テレビ。『火曜日のあいつ』とともに『夜明けの刑事』のTBS側プロデューサーであった樋口祐三にとって、同じ大映テレビの制作による刑事ドラマをぶつけられたのは、何とも言えなかっただろう…。

 

『新・二人の事件簿 暁に駆ける』は前年に放送の第1シリーズにあたる『TOKYO DETECTIVE 二人の事件簿』よりもスケールアップしていて、貨物トラックで日本各地に出掛ける裏番組『火曜日のあいつ』と張り合うかのように毎回のごとく地方ロケを入れ、初回はトラックで行けない(笑)ヨーロッパへの海外ロケと奢った。さらに、番組開始期は、江藤潤(同年10月からフジテレビ『刑事物語・星空に撃て!』主演)、藤岡弘(1974年に日本テレビ『白い牙』主演)、三浦友和(ご存じ、TBS「赤いシリーズ」で百恵の相手役)など大映テレビと縁がある、連ドラでも主演を張れる若手人気俳優をゲストに招いて大攻勢で撃って出たのだから、果たして視聴者はどっちに傾くか!?、テレビとはまさに非情である。

 

『火曜日のあいつ』は当初の予定通り、秋改編期までの半年間で放送を終える。しかし、その秋改編期を前にして刑事ドラマ&アクションドラマ群の幾つかは模様替えをしてきた。まず、日本テレビ『大都会 -闘いの日々-』は2クールの放送予定からキリが良い秋改編期までの3クールにしようと伸ばしていたが、病み上がりで登板していた主演・渡哲也の体調を考慮して、過酷な夏場へ入る前に撮影が終了(最終回のクランクアップは6月28日)したことから8月初旬で放送が終わった。後番組の制作は石原プロから替わって東宝テレビ部が請け負ったものの、まったく違うものではなくて『大都会 -闘いの日々-』における警察署詰め新聞記者クラブの設定をスライドさせて、今度はそちらをフィーチャーさせた『いろはの“い”』。

 

だいぶ以前に日テレプラスで放送されたことがあるが

ソフト化はされていないので現在は視聴困難な作品である

 

同じ8月、TBS『夜明けの刑事』は“ボス”役の石立鉄男が違法捜査の責任を取って辞職というかたちで番組を降板。その理由は秋改編期の10月より始まる、日本テレビのホームコメディドラマ『気まぐれ天使』(制作・ユニオン映画)に主演するためで、撮影スケジュールの兼ね合いから。しかも、それがまた同じ水曜8時枠の番組なのであるからたまったものではなかっただろう。『夜明けの刑事』は秋改編期から“ボス”役の後任として佐藤允を招いたのだが、石立ほどの個性は発揮出来なくて、番組のパワーが墜ちて行ったことは否めない。それを機にテコ入れの嵐となり、半年後の翌年1977年春改編期には主演・坂上二郎の役と舞台である警視庁日の出署刑事課の設定は変えずに、番組タイトルを『新・夜明けの刑事』→さらに半年後の1977年秋改編期には『明日の刑事』へと目まぐるしく替え、それに伴って廻りのレギュラー刑事たちもその都度大幅に入れ替えたりと打開策に追われた。

 

昭和の名作ライブラリー 第50集 気まぐれ天使 Blu-ray | TCエンタテインメント株式会社 (tc-ent.co.jp)

 

そして、日本テレビ『太陽にほえろ!』は当初より一年待たされたテキサスこと勝野洋が9月に殉職降板。その回の視聴率はニールセンで42.5%、ビデオリサーチで37%という社会現象といっても過言ではない数字を残した。後任刑事は、人気俳優・沖雅也が演じるスコッチで、いままでのような猪突猛進型の新人刑事キャラではなく、切れ者のキャリアが既にあり、それでいて影を背負ったクールキャラとして登場し、『Gメン’75』の向こうを張ったハードボイルドさで番組に新風を吹き込ませた。もちろん、これが大成功だったことは申すまでもない。まだ放送2年目だった『Gメン’75』がその路線を整えているの対して、5年目の『太陽にほえろ!』には一日の長があり、大胆な施策を断行出来る域にまで達していたのだ。秋改編期、どうしても金曜8時枠の覇権を獲りたいTBSは、かつて金曜9時枠で大映テレビの制作による「赤いシリーズ」と交互にやっていた「白いシリーズ」として、石原裕次郎と互角に渡り合える存在の田宮二郎主演で『白い秘密』(制作・松竹)をブツけてきたのだが、何をやっても上手く行っていた『太陽にほえろ!』は軽くいなした。

 

日本テレビ広報誌『うわさのテレビ』1976年秋号

看板番組『太陽にほえろ!』は他の番組と比べて別格の扱いを受けていた

 

『火曜日のあいつ』が終わった1976年秋改編期からの後番組はTBSの局制作によるメロドラマ『結婚するまで』となる。『ベルサイユのトラック姐ちゃん』の後番組も往年のメロドラマ『君の名は』をリメイクしたもの(制作・東宝)で、どちらも時間帯を変えたりして後継作も作られることはなく、テレビ番組における「トラック野郎」便乗ドラマのブーム(?)はここに終焉する。

 

しかしながら、刑事ドラマ&アクションドラマのブームはこれからも続き、秋改編期からは、新たな番組枠を設けられて増加していく。関西テレビが制作局となってフジテレビ火曜10時枠に、女性ばかりで構成される『プレイガール』と国際犯罪を取り扱う『キイハンター』にインスパイアされた『コードナンバー108 7人のリブ』(制作・宣弘社)、それからフジテレビ月曜8時枠に、『太陽にほえろ!』の売りである新人刑事の成長談を模した『刑事物語・星空を撃て!』(制作・大映テレビ)などが始まった。

 

1976年10月、「コードナンバー108 7人のリブ」と、その時代 | 茶屋町吾郎の趣味シュミtapestry (ameblo.jp)