NHKのテレビ番組で「アタッチメント」という言葉を知りました。
心理学の用語で「不安や恐怖を感じたとき、特定の誰かにくっついて不安を解消し、安心感を得ようとする欲求や行動」のことです。
赤ちゃんがお母さんやお父さんの後追いをするのは、まさにこのことです。
また、アタッチメントができていて初めて、周囲のことに興味を向け探索することができるようになるのです。
番組では9組の赤ちゃんと保護者の実験の様子がありました。
赤ちゃんと保護者が見知らぬ部屋にいるところから実験が始まります。
赤ちゃんは保護者がそばにいるときは、周囲のおもちゃに興味津々で遊んでいます。
でも保護者が部屋を出てしまうととたんに、大声で泣き始めるのです。
見知らぬ部屋に一人きりで、命の危険を感じているのだそうです。
すると、一人の女性が部屋に入ってきます。赤ちゃんにとっては知らない人。
女性が赤ちゃんを抱っこして落ち着かせようとしますが、うまくいくはずはありません。
抱っこされても赤ちゃんは泣き止まない。抱っこを拒否する赤ちゃんすら居ます。
だって知らない人だもの。不安は解消されません。
そこでようやく保護者が入室。
赤ちゃんは抱っこされて、やっと落ち着きます。
そして再びおもちゃで遊び始めるのです。
保育士をていたので、体験として知っていたことですが、改めて実験を見て、知識として頭に入ってきました。
つまり、自分にとっての安全基地が必要だっていうことなのね。
番組は若者を対象にした内容なので、若者のアタッチメントについて取り上げていました。
アタッチメントは幼少期は主に保護者ですが、成長につれて友人や仲間、恋人やパートナーとなっていきます。
そこで、ふと疑問に思ったのです。
一人暮らしの高齢者のアタッチメントはどうなるの?
身寄りがいない場合、誰が安全基地になるの?
わたしにとっての安全基地は?
いろいろ考えました。
結果、訪問看護の看護師さんや教会の牧師や就労継続支援B型施設の職員さんだと思いました。
アタッチメントの対象は一人ではなく、この場合はこの人みたいに、不安の内容によって対象が変わるって事。
この人達は信じられ、安心感を与えてくれます。
わたしにも安全基地があった。よかった