ほとんどの選手が下肢障害で車椅子生活をしている人達であるが、実力やトレーニングに対する姿勢は一般のトレーニーとは比較にならない。
ロンドンパラリンピックに日本代表で参加し入賞した選手も来ていた。
彼らは特別に作られたベンチ台に脚を伸ばしてベルトで固定し試技を行う人がほとんどで、下半身が使えないから上体だけでガチ挙げするしかない。
これこそ本当の筋力だ。
階級によっても違うが150kgのベンチプレスなどはざらで、200kg以上の試技さえあるのだ。
それがどれほど凄くて大変な事なのか私には痛いほど良くわかる。
自己満足の為に全身を使って毎回毎回インチキベンチプレスしかやらない一般人の馬鹿に見せてやりたい。
私は朝一番で会場入りし、道具の搬入、組み立て、試合の補助、片付けまでやったのだが健常者の大会と比べ、やはり勝手が違い戸惑う事やスムーズにできず迷惑をかけてしまうような事もあった。
大変ではあったが手伝う価値は十二分にあるものであった。
身体のハンデなどものともしないような気迫や前向きな姿勢を間近で観る事ができた上、大会終了後に行われた懇親会では素晴らしい選手のみなさんと交流でき、知り合えた事は何にも変え難い財産である。
精神的にも肉体的にも弱い私は、彼らから素晴らしいエネルギーをいただく事ができて本当に感謝している。
こんな素晴らしい人達に会えるならまたいつでも参加させていただきたいと思う。
次に彼らに会う時に、恥ずかしくないよう私も努力をしなければいけない。
それにしても試技に向かう彼らの真剣な表情、成功した時の嬉しそうな顔が印象的だ。
一般の人達にもこのような大会を観る為にもっと会場に脚を運んで欲しいものだ。
そこいらのくだらない野球の試合なんかより遥かに観る価値があると思う。