筋肉と反射 | 人生を楽しむ為に!

人生を楽しむ為に!

トレーニングの記録や旅日記。
冬はスキーや温泉の記事なんかも。
パワーリフティング、ウェイトリフティング競技経験あり。
アメリカゴールドジムでウィダートレーニングメソッドを習得。
現在は仕事と健康の為に日々トレーニングに励んでいます。

筋肉はともかく、反射という言葉はトレーニングの世界で耳にした事がある人は少ないと思う。

フィジカルやストレングスの指導をする上で、反射といっても細かく分類するとここではとても書ききれないのだが、わかりやすく簡潔に説明したい。

例えば、輪ゴムを充分に伸ばしてから解放すると、当然弾力性により勢い良く収縮する。

実は筋肉にもこのような性質があり、最大筋幅より強く伸展させると収縮しようとする。

ベンチプレスを例にとって説明すると、ラックからバーベルを外し、胸の上までゆっくりとコントロールしながら降ろす、いわゆるタメを作ってから爆発的に真上に挙上する。

この一連の流れの中で、重さを感じながらタメを作り、背筋を使って胸の筋肉を伸展させる事により反射が起き、最大限に筋肉が収縮する。

背中をベンチにベッタリとつけて大胸筋を伸ばさずに動作を行っていては同じ重量はまず扱えない。

もしくは普通にバーベルをラックから外して100キロが一回しか挙がらない人が、いきなり胸の上から挙げようとしてもまず不可能である。

バーベルを降ろすという作業がなく、運動量が少ないにもかかわらずだ。

どちらの場合も筋肉、特に主働筋である大胸筋の反射が起きないからだ。

熟練のトレーニーであれば想像はつくだろう。

経験がある人なら心当たりがあるだろうが、ウェイトスタック式のマシンなど、いわゆるタメがない状態から動作を開始しなければいけない場合、最初の一回目はかなりハードだ。

しっかりとアップしていなければ、一度も挙がらないケースすらある。

特に強大な筋群を動員するレッグプレスなどは、自力で最初のレップを行うのは非常に困難だ。

体力的には疲労しているはずでも、二回目、三回目のレップの方が重さを感じながらウェイトを降ろし、タメを作って反射が起きるから楽に感じるはずである。

このように、理想的なリフティングというものは、トップの位置からゆっくりとウェイトをコントロールしてタメを作り、最大限に筋肉に反射作用を促し爆発的に挙上するという事になる。

ボトムからいきなりウェイトを挙げようとしても、よほど余裕がある重さでない限り、タメもなく反射も使えないから困難な訳である。

神経伝達のメカニズムから考えても、トップからウェイトを降ろしながら重さを感じとり、どれ位の出力が必要なのかを無意識に身体が計算しながら脳が筋肉に指令を出しているからなせる技で、ボトムの出力ゼロの状態からいきなり100のパワーは出せないのだ。

種目によってはあまり反射を使えない場合もあるが、その場合でもかならず筋肉のタメを意識してしっかりとウェイトをコントロールしながら降ろす事が大切である。

普通ウェイトトレーニングをする場合、ほとんどの人がウェイトを挙げる方に意識があるのだが、私は逆で、ネガティブワークでしっかりとタメを作る事に重点を置いている。

もちろんその後は爆発的に挙上する訳だが、挙げる事ばかりに意識がいってフォームやバランスを崩し、タメが作れないようではまだまだ修行が足りない。

弓と同じで、しっかりといいポイントで引いてタメを作れば、後は勝手に勢いよく放たれるのである。

腰を狂ったように浮かせてバウンドを使い、重さにばかり執着しているバカにはわからないだろうが。。

今回は久しぶりにまともな記事を書いた気がする。
ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3

by 毒舌猿