私は選手時代には毎年何度か試合に出場していました。
試合でいい結果を出す為には当然試合当日にベストパフォーマンスができるように身体を仕上げなければいけません。
年間を通してトレーニングをする場合、試合に向けてある程度長いスパンで計画を立て、ピーキングをする必要があります。
そこで私が使っていた長いスパンでのトレーニングテクニックがピリオダイゼーション法なのです。
試合に向けての準備期間にもよりますが、一年のうちそう何度もピークを作ったり絶好調の状態を維持するのは大変困難です。
ピリオダイゼーション法では一定の期間を設定し、その最後に自分のベストパフォーマンスができるようにします。
イメージとしてはアイドリングから少しずつギアを上げていき、サイクルの最後にトップギアに入れて全開にする訳です。
その後はまた次のサイクルに入っていく訳ですが、大事なのは次のサイクルの最後に必ず少しでも前のサイクルより高いレベルに到達させるという事です。
私が実践していたものをベンチプレスを例に紹介してみます。
一つのサイクルを約二ヶ月で行い、年間六回のサイクルでピークを高めて行くやり方でしたが、これは凄まじいほどの効果がありました。
第一週、第二週
目的 関節の強化、及び神経、毛細血管の活性化、筋肉への血流量の増加
強度 低
使用重量 MAXの50~60%
レップス 20~30
セット数 5~6
第三週、第四週
目的 筋量の増大 血流量の増大 高重量使用への準備
強度 中
使用重量 MAXの70~80%
レップス 12~20
セット数 5~6
第五週、第六週
目的 筋量、筋力の増大
強度 高
使用重量 MAXの80~90%
レップス 6~10
セット数 3~4
第七週、第八週
目的 最大筋力の増大
強度 高
使用重量 MAX~MAXの90%
レップス 1~3
セット数 2~3
第九週
目的 次のサイクルに向けての身体の回復 気持ちのリフレッシュ
強度 低
使用重量 0
レップス 0
セット数 0
軽くジョギングしたりトレーニングとは全く関係がない趣味を楽しんだりするOFF期間
以上ざっと書いてみましたが、大事なのはこのサイクルを繰り返していく中で必ずMAXを強くし、使用重量を増加させていく事なのです。
あまり欲張ってリズムを崩してはいけません!ちなみに私はワンサイクルで2.5キロ増えれば上出来だと思ってやっていました。
え?それだけ?と思われるかもしれませんが、年間にすると15キロです。
ある程度のレベルから一年でそれだけの増量をするのがどれほど大変かは解るはずでしょう。
それから意外かもしれませんが、このサイクルで最も大切なのは第九週の休養期間です。
これを行わずにすぐ次のサイクルに入る人が多いですが、最初のうちはよくても必ずいつか発達が停滞するか怪我をします。
目先の重量にこだわってばかりではなかなか壁を破れません。
肝心なのは年間通して成果を上げる事なのです。
参考までに私は当時ベンチプレスのMAXが140キロ位でしばらく停滞していましたが、このピリオダイゼーション法を導入して一年ちょっとで150キロが挙がりました。
その後様々なトレーニングを試行錯誤しながら172.5キロまで挙げましたが中でもこのピリオダイゼーション法はかなりお勧めです。
私のポリシーの一つですが、たくさんやればいい!頑張ればいい!のではありません。
しっかりと結果を出すのが本当の良いトレーニングなのです。