より良い職場づくりのために(2) | 38度線の北側でのできごと

38度線の北側でのできごと

38度線の北側の国でのお話を書きます

 昔から常連と間違えられる。先日も初訪問の店で店員さんに「前一度来られていましたよね?」といわれ、初回説明をすっ飛ばされそうになった。

 

 常連さんから「この前来てたよね」と親しげに話しかけられたり、店員さんから「これ、おまけ」と色々いただくことが多い。

 

 平壌のバーでもバーの女の子と2日目にはバカ話の応酬で大笑いしている。

 

 嬉しいけど、絶対ぼくのドッペルゲンガーがいると確信している。あるいは生まれついての工作員体質なんだろう。スッと入って行けるのだ。

 

 今の職場には社員食堂にコーヒーショップがある。お姉さんたちが3名ほどで回していて、ブレンドコーヒーが110円。10回スタンプおしてもらうと100円引き。

 

 昼休みは15分でご飯を食べて、35分昼寝してそこで毎回ホットのブレンドを頼んで、定時まで働くのがルーチン。

 

 顔を覚えられたらしく、ある日から「今日もホットですよね」といわれるようになった。そこで頼んでみることにした。

 

「今度から、ぼくが『いつもの』というので、そしたらブレンドコーヒーのホットS出してくれませんか」と提案したら、大笑いし始めた。

「お酒飲まないので、行きつけの店がぼくにはないんですよ。だからいつものって、いつか言ってみたいセリフなんです」というと頷いてくれた。

 

 そして次の日。顔を合わせただけでお姉さんはニコニコしている。前の人がカフェラテ、次の人がエスプレッソを頼んだところで「いつもの」と低めの声でいうと「いつものお兄さん来たよ!ホットコーヒーS」。バックヤードも大盛り上がりである。前に注文した人がひいている。

 

 お姉さんはいう。「こういうことなかなかないのよー。めっちゃ楽しいわー」。 

 

 既にぼくのことはコーヒーショップの店員さん全員で共有されているという。明日から働くのが楽しみだなぁ。