昔から常連と間違えられる。先日も初訪問の店で店員さんに「前一度来られていましたよね?」といわれ、初回説明をすっ飛ばされそうになった。
常連さんから「この前来てたよね」と親しげに話しかけられたり、店員さんから「これ、おまけ」と色々いただくことが多い。
平壌のバーでもバーの女の子と2日目にはバカ話の応酬で大笑いしている。
嬉しいけど、絶対ぼくのドッペルゲンガーがいると確信している。あるいは生まれついての工作員体質なんだろう。スッと入って行けるのだ。
今の職場には社員食堂にコーヒーショップがある。お姉さんたちが3名ほどで回していて、ブレンドコーヒーが110円。10回スタンプおしてもらうと100円引き。
昼休みは15分でご飯を食べて、35分昼寝してそこで毎回ホットのブレンドを頼んで、定時まで働くのがルーチン。
顔を覚えられたらしく、ある日から「今日もホットですよね」といわれるようになった。そこで頼んでみることにした。
「今度から、ぼくが『いつもの』というので、そしたらブレンドコーヒーのホットS出してくれませんか」と提案したら、大笑いし始めた。
「お酒飲まないので、行きつけの店がぼくにはないんですよ。だからいつものって、いつか言ってみたいセリフなんです」というと頷いてくれた。
そして次の日。顔を合わせただけでお姉さんはニコニコしている。前の人がカフェラテ、次の人がエスプレッソを頼んだところで「いつもの」と低めの声でいうと「いつものお兄さん来たよ!ホットコーヒーS」。バックヤードも大盛り上がりである。前に注文した人がひいている。
お姉さんはいう。「こういうことなかなかないのよー。めっちゃ楽しいわー」。
既にぼくのことはコーヒーショップの店員さん全員で共有されているという。明日から働くのが楽しみだなぁ。