運動は苦手でして… | 38度線の北側でのできごと

38度線の北側でのできごと

38度線の北側の国でのお話を書きます

 材で朝鮮学校などに赴くことが多い。イベントとなるとカメラを持ってうろうろする。

 

 書いた記事は朝鮮新報か、週刊金曜日に掲載されるのだが、最近は読者の方から声をかけられることも多く、ちょっと戸惑ってしまう。

 

 感想を頂くのは嬉しい。記念写真を撮られるのも照れ臭いけれど嬉しい。

 

 けれど一線を引いている部分がある。決して署名活動には参加しないということ。学生からよく、朝鮮学校の高校無償化除外問題や補助金問題についての署名を求められるのだけれど、ごめん、すまぬと謝り倒して書かない。ここは編集者とも相談しての判断だ。

 

 というのも、署名をしてしまったところで立場が出来てしまう。公平中立、俯瞰で書くことが記者のあるべき立場。書いてしまうのはやっぱりまずい。

 

 このあたり在日朝鮮人の学生に説明すると、納得してもらえることが多い。正直、すまないと思うけれど。

 

 厄介なのは日本人なのだ。「今度〇〇という集会があるので来て欲しい。で、取材して週刊金曜日に掲載して欲しい」。「集会に来て欲しい」「我々の新年会があるので来て欲しい。会費は◯◯円(=バカ高い。そこには当然、その団体の活動費も入ってます)」というお誘い。

 

 ぼくは既に40歳を過ぎているのだが、日本人の団体の中に入るとまだまだ若手。これらの団体のメンバーを見ていると団塊の世代がやはりコアで、後継者不足を感じる。

  

 残念ながら、世の中には不条理なことがいっぱいある。辺野古でも児童虐待でも何でもかんでも、世の中に悪の種は尽きまじと言った石川五右衛門のことばの通りなのである。

 

 ひとつの問題が解決したとしても次の不条理がやってくる。そしてまた次の不条理が。これに関わるというのなら、運動家になるしかない。

 

 しつこい人にはこういうようにしている。

「申し訳ないですがぼく、安倍総理と、自民党の支持者なんですよね」。

 

 これは効く。

 

 事実、自分の周りにいる、北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国に関わる議員さん(元議員も含む)の中で一番まともなのは自民党の方である。他の党の方は、結局現地で阿っているか、とんでもない無礼を働くか、そんな人が残念ながらほとんどなのだ。

 

 そ、そうなんですかぁ…。と相手が引いて、離れて行くことを確かめて、ぼくはシャツをまくり細腕をひょいと見せる。

「見てくださいよ。ぼく、運動が得意そうに見えます?身体を動かす運動も、デモなど政治的な運動も、ぼくは大の苦手なんです」。