【バルセロナ】世界の通信関連会社24社は15日、すべての携帯電話ユーザー向けにアプリケーションを配信するオープンプラットフォームの構築のための団体を結成したと発表した。米アップルのアップストアの大成功にならった試みだ。
この動きは、携帯端末向けインターネットサービス市場でシェアを拡大するためにし烈な競争を繰り広げるライバル同士でさえ団結することがあることを示している。
この団体の名称は「ホールセール・アプリケーションズ・コミュニティー(WAC)」で、米国のAT&T、ベライゾン・ワイヤレス、スプリント・ネクステ
ルのほか、ドイツテレコム、フランス・テレコム、スペインのテレフォニカ、英ボーダフォン・グループ、NTTドコモ、それに中国移動(チャイナ・モバイ
ル)などがメンバーに含まれている。
業界団体のGSMAを通じて発表された文書によると、バルセロナで開催中の携帯電話の国際技術見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」を機
に発足したWACには、韓国の電子機器メーカーLGエレクトロニクスやサムスン電子のほか、ソニー・エリクソンも加わっている。
アップルはアップストアの大成功によって、携帯向けアプリ市場の主導権を握っている。デバイスメーカーと通信業者にとって、ナビゲーション装置、音楽、
ゲームなどアプリの重要性は高まっている。こうした流れは今年のMWCにも反映されており、今回初めて一つのホールが丸ごとアプリケーションの開発者に割
り当てられた。このようなサービスの市場は、携帯電話機メーカー、通信事業者、それにソフトウエア会社がシェア獲得を目指す主戦場になっている。
アップストアの人気は非常に高く、米グーグルなども類似した事業を開始したが、アプリケーションの販売経路がない企業は苦戦を強いられている。またアップルのライバルはこれまでのところ、アプローチの仕方がまちまちだった。
調査会社のIDCによると、アップルの2009年1-9月の携帯電話機のシェアは、06年のゼロから13.7%に伸びた。アップルは07年半ばに最初の
iPhone(アイフォーン)を発売して市場に参入した。アップストアのiPhoneとiPod
Touch(アイポッド・タッチ)向けのアプリケーションは10万種類を超えており、ダウンロード回数は30億件を超え、フィンランドの携帯電話機メー
カー、ノキアなどライバルを大きく突き放している。
24社で構成するWACは合計で30億人を超える顧客へアクセスできる。WACの目的はアプリケーションの開発業者のために単一の販売経路を作ることだ。
インフォーマ・テレコムス・メディアの最高リサーチ責任者のマーク・ニューマン氏は「アップルとブラックベリーを展開する加リサーチ・イン・モーション
に独占されているスマートフォン市場で、もし100ユーロ(約1万2200円)程度の端末のユーザーにいいネット体験をさせることができれば、データ通信
契約を増やせるだろう」との見方を示した。ただし激烈な競争を続けているライバル同志が、この試みを成功させるのに必要な協力や統合を実現することができ
るかどうかは疑問だとしている。
この24社の動きに先だち、世界最大のネットワーク機器メーカーであるスウェーデンのエリクソンは15日、独自にアプリを販売するための「eStore」を立ち上げた。すべての携帯電話にダウンロード可能なアプリは3万種類を上回る。