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【コーヒーをただで配ったらどうね。みんな飲みにくるばい‼️】
 
これからは孫正義さんのような考え方でなければ、仕事、商売、人間関係は上手くいかないのではないでしょうか?
 
孫正義の父である孫三憲氏は、孫正義を小さなときから一人前の人間として扱い、経営的なことも質問していたという。
 
あるとき孫三憲氏は、街のメインストリートから一本入った路地に開店した喫茶店の集客に悩んでいた。
 
そのことを聞かれた少年時代の孫正義が、父親に向かって語った言葉だという。
 
孫三憲氏が実際にこの言葉通り、コーヒー一杯無料にキャンペーンを行ったところ、たちどころに店は客で満杯にあり、しかも客は、コーヒーを飲むだけでなくトーストやケーキなどの追加注文を当然のようにしたのだった。
 
この結果、喫茶店の経営は順調に軌道に乗ったという。
 
この話を私が聞いたのは、ソフトバンクがブロードバンド事業で最大2ヵ月間の無料キャンペーンを検討しているときだった。
 
孫正義にとっては、コーヒーがブロードバンドに変わっただけだったのだ。
 
このように、無料サービスでユーザーを増やし、付加価値のある高度なサービスを有料で提供するのは、現在では 「フリーミアム」 というマーケティング手法として知られている。
 
しかし孫正義は、その手法を何十年も前に独自に生み出し、実験し、成功を収めてきていたのだ。
 
 
それでは、孫さんの経営哲学?をもう一つ
 
交渉は 「鯉取りまあしゃん」に学べ。
「鯉取りまあしゃん」 とは、上村政雄氏という実在の人物だ。 
 
孫正義の出身県である佐賀県と福岡県の県境を流れる大河・筑後川で、独特の漁法によって鯉を取る名人である。
 
火野葦平や開高健の小説やエッセーの題材に取り上げられたことでも知られている。
 
鯉取りまあしゃんが、真冬の筑後川でどのようにして鯉を取っていたのかを紹介しよう。
 
まず、漁をする数日前から肉やうなぎなど栄養価の高いものを摂り体調を整える。
 
当日はまず河原で焚き火をして、そこで体から汗が噴き出るくらいまで体を温めるのだ。
 
その後に川に入り、水底にもぐり横たわる。
 
すると体の温かさを求めて、鯉が横にやってくるのだ。
 
まあしゃんはそれを優しく抱き、そしてそのまま陸に上がってくる。
 
これが鯉取りまあしゃん」の漁法だ。
 
この方法で、一度に両手と口で3匹を取ることもあったという。
 
孫正義は社員に交渉の極意を説くときに 「鯉取りまあしゃん」 のようでなければいけないと説いていた。
 
交渉の前に、じっくりと準備をし、交渉相手が自然とこちらと合意したくなるように交渉するのだ。
 
孫正義にとって交渉とは、相手を説得することではない。
 
相手から慕われるためのプロセスなのだ。
 
 「孫正義名語録」 三木雄信著 ソフトバンククリエイティブ