店を閉めないという選択 | GOOD&BAD TIMESは えもさんち

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小さなカフェバーのマスターの独り言

昨今のコロナウイルス騒ぎで、弊店が小さなカフェバーを経営している東京都では、飲食店に対して首相及び知事から営業自粛要請が出ている。これに呼応して、多くの店舗が休業したり営業時間を短縮又は変更した。人の流れを遮断し、ウイルス感染の拡大に歯止めをかけようという対策に反対する気も、これを批判するつもりもさらさらない。むしろ当然行われるべき対策であろうくらいは理解している。
政府にしろ各級自治体にしろ、マスコミや著名人や元政治家官僚がこぞって非難するほど酷い仕事をしているとは思わない。ましてやそんな仕事をしたこともない私からすれば、さぞかし大変な思いをしているのではないかとさえ思える。政治家とは、後世あれは大失敗だったと批判されようとも、その時私利私欲なく精一杯の努力をしていればそれで良いと思ってもいる。国民が大した考えもなく一丸となって為政者の脚を引っ張るのは、馬鹿みたいだ。

が、それはどうでもいい。

そんな中、弊店は営業を変更もなく続けている。
その理由の最たるモノは、「店の営業は5時から20時まで」と要請されている事への疑問にある。何故昼は良くて夜はいけないのか。その疑問に誰も満足な理由で答えてくれない。
昼間に営業しようが夜間に営業しようが、使用する物件は同じである。その店が感染症対策をしていようがいまいが、店内の人口密度はそう変わるものではない。ましてやテレワークや自宅待機の人が多い事を考慮すれば、夜だから外食したり飲酒したりするという前提条件はかなり崩れよう。何なら、深夜の方が外出人口は少なくなるわけで、そこを規制する意味が理解出来ない。
以前に東京都知事が「夜半から早朝にかけての接客接待を行うバーやスナック」に照準を絞って自粛要請を行ったのは、スナックやキャバクラといった業態を指しての事だったと聞いたが、(そうだとすれば)そこがら間違っていると言わざるを得ない。そもそもスナックやキャバクラ等は、風営法によって深夜0時から翌日の出までは営業してはならないのである。コロナはまるで関係ない。警察の仕事ではないか。
夜間、特に深夜営業している店は、統計上(そんな統計は聞いたことがないが)感染症対策を怠っている所が多いという意見もあろう。確かにそういう時間帯の店は、反社会的とは言わないまでも、あまりお行儀のよろしくない所が多いのは認める。だがそれは程度の差と言うべきであり、昼間の店でもないわけではない。一方を全面的に非難し、一方を認可するならば、その線引きをはっきりさせねばなるまい。感染症対策を行っているにも関わらず、夜間営業だというだけの理由で閉めなければならない店にとってはたまったものではない。無対策にして無神経な店を、昼も夜もなく行政指導すれば事足りようし、それが本質というものではないのか。

弊店が所属している商店街のお偉方や、意識の高い周辺住民の方々が、夜も煌々と灯りをを点している弊店を見ては苦い顔をしているだろうことは想像に難くないが、上記のような私の疑問をしっかりと晴らして下さる方が現れない限り、もしくはうちの嫁さんが「やめぃ」と宣わない限り、「要請」に従おうとは思わない。「要請」ではなく、従わない場合はペナルティを課される「指示」や「命令」が出れば話は別だが。