忘れずにいてくれた事 | GOOD&BAD TIMESは えもさんち

GOOD&BAD TIMESは えもさんち

小さなカフェバーのマスターの独り言

 先日、かなり久し振りなお客さんが現れました。

 彼女は出産に伴う一連の過程で喫煙をやめ飲酒も控えていたのですが、一応の落ち着きを見たので旦那さんに許可をもらって(赤ちゃんを見てもらわねばならないので)、やっと飲みに出て来たのだそう。お母さんになることも、この先一定期間お母さんでい続けることも、本当に大変です。もちろん、お父さんも大変です。お母さんになった、その事だけでも十分尊敬に値するわけで、全然関係ない自分まで妙に嬉しくなりました。

 

 結婚や出産、転勤などで急に来なくなるお客さんはちょいちょいいます。単に他の店に行くようになって、うちの店に来なくなるお客さんも結構います。それはお客さん側の自由ですし、場合によってはこちら側に原因があるでしょう。だから、その事自体は仕方ありませんし、どうという話ではありません。

 そうしてそのほとんどの方がそのまま来店しなくなるのですが、今回の彼女のようにどうかするとまた来てくれる方もいます。数年間来店がなくて、こちらもすっかり忘れかけていた頃に、再び来てくれるようになった方もいます。もちろん来続けてくれるのが一番なのは正直なところですが、長い時間が経過しても忘れずにまた来てくれる、その気持ちが本当に嬉しいのです。

 

 彼女が出産からの復帰後、最初に入る店にうちを選んでくれた事が本当に涙が出るほど嬉しく、とても幸せでした。

 帰って行く彼女の小さな後ろ姿に思わず手を合わせた、そんなその夜の一コマでした。