ごんざの訳語の(動詞+とる)には私たちもつかうふつうの(-とる)とごんざ独特の(最後まで-する)の意味の(-とる)がある。
「ロシア語」(ラテン文字転写) 「村山七郎訳」 『ごんざ訳』
1.ふつうの『-とる』
「сожинаю」(sozhinayu) 「刈りとる」 『きりとる』
「воспрiемлю」(vospriemlyu) 「受取る」 『うけとる』
2.(最後まで-する)の意味の『-とる』
「дозидаю」(dozidayu) 「すっかり造る」『つくいとる』
「ОТпЕваю」(otpevayu) 「歌い終える」 『うてとる』
『つくいとる』は(つくってとる)のではなく(最後までつくる)であり、
『うてとる』は(うたってとる)のではなく(最後までうたう)なのだ。
今までふつうの(-とる)だとおもっていたものの中に(最後まで-する)らしいものをみつけた。
「черпаю」(cherpayu) 「汲む」 『くむ』
「вычерпаю」(vycherpayu) 「汲みとる」 『くみとる』
「изчерпаю」(izcherpayu) 「汲みとる」 『くみとる』
「неизчерпаемый」(neizcherpaemyi)
「汲みとりえないほどの、無尽蔵の」『くみとらんと』
『くみとらんと』はあきらかに(最後までくまない)「汲みとりえないほどの」だろうし、『くみとる』も(最後までくむ)(=くみつくす)である可能性がたかい。
岩波ロシア語辞典
「вычерпать (水などを)汲みつくす;(容器などを)汲みつくして空にする。」
「изчерпать 使い果す;(チャンスなどを)十分に利用しつくす。」