「ロシア語」(ラテン文字転写)「村山七郎訳」 『ごんざ訳』
1「конченiе」(konchenie) 「終了」 『すむこと』
2「кончина」(konchina) 「死去」 『しぬること』
鹿児島県立図書館の原稿コピーをみたら、ごんざははじめに1に(шинуркотъ)(shinurkot')(しぬること)(しぬこと)とかいたのをけして『сумкотъ』(sumkot')『すむこと』(すむこと)にかきかえていた。
1の訳語に(шинуркотъ)(shinurkot')(しぬること)(しぬこと)とかいてから、2にすすんだら、「кончина」(konchina)というのがでてきた。こっちも(しぬること)だ。おなじ訳語をならべたくない、とごんざはおもった。
日本語で(しぬ)ことを(なくなる)とか(いく)とかいうのとおなじように、ロシア語でも(しぬ)ことを(しずかになる)とか(おわる)とかいう。
文脈からはずすと(なくなる)が(紛失する)の意味なのか(しぬ)の意味なのかわからないのとおなじように、ロシア語の(おわる)も文脈からはずすと、(おわる)なのか(しぬ)なのかわからない。
ごんざは1が(おわる)と(しぬ)の両方でつかわれ、2がおもに(しぬ)意味であることに気づいて(ボグダーノフ師匠にたしかめて?)、かきかえたんだろう。