「ロシア語」(ラテン文字転写) 「村山七郎訳」 『ごんざ訳』
「призначиваю」(priznachivayu)「目印をつける」『かくうぃちしゅるしする』
(かくして、しるしする)
「знакъ」(znak') 「印」 『しゅるし』
「призначиваю」(priznachivayu)に(しるしする)という意味はあるけれど、(かくして)という意味はない。どうしてごんざはこのみだし語に『かくうぃち』(かくして)という訳語をそえたのだろう。いったい何のために、だれにみられないように、何に(かくしてしるしする)ことをごんざはイメージしていたのだろう。
船のりたちは、つみ荷や道具に秘密の目印をつけていたのだろうか。
それとも、ごんざはボグダーノフ師匠にみられないように、何かの印をどこかにかいていたのだろうか。
ボグ:ごんざ、ここにかいてある○は何?
ごん:なんでもない。
ボグ:日本の文字?
ごん:いや、ただのしるし。
ボグ:何のしるし?
ごん:なんでもない。
ボグ:あやしいなあ。