代替医療のトリックという本のカイロプラクティックに関するページを読んだ。世間にはカイロプラクティックの情報が本やHP、メディアによって溢れているが残念ながら9割以上は間違いだらけで、真面目にカイロプラクティックを行っている者達からすると誤解が火事のような勢いで広まってしまっているために頭が痛い。たとえばソフトカイロやカイロエステなどというカイロプラクティックはないし、世間のカイロプラクティック院では骨盤ダイエット、小顔矯正、O脚矯正などのコースを目にするが、これらもまったくカイロプラクティックとは関係がない。ここまでひどくなくともカイロプラクティックの専門書でさえも突っ込みどころがあるのは以前にBlogで紹介したとおりだ。
そんなわけでこういった類の本でカイロプラクティックを正しく伝えているものには、かつてお目にかかったことがない。今回読んだ本の内容は非常に詳しいもので、これだけの内容をカイロプラクターでもない方がまとめたとなると、よほどの時間と労力をかけて調べたろうと察することができる。しかしどうしても根本的な部分ではこの本でさえも他の本や情報と同じで例外ではなかった。
それはやはりカイロプラクターの中でも複雑な問題であるストレートとミキサーとういう概念についてである。大雑把に分ければこの2つになるのだが、厳密に分けるとストレートでもミキサーでも数種類存在する。だからこういった解説書でストレートとミキサーだけに分けてカイロプラクティックを論じるには誤解と限界が生じてきてしまうのだ。
私は自身をストレートカイロプラクターと自覚しているが、この代替医療のトリックで紹介されているストレートとは異なるために、カイロプラクティックに興味を持って読まれた一般読者にストレートはこういったものだと一概に思われてしまうのは心外である。また、これからカイロプラクティックを勉強しようと思って読まれた方がいたとしたら、ストレートを目指すことはなくなってしまうだろう。
それに私はカイロプラクティックを代替医療と思っていない。医療とは医術を用いて病気や怪我、症状を治療することである。代替医療とは言葉の意味からすると西洋医学以外の方法を用いて病気や怪我、症状を治療することである。本来カイロプラクティックは病気や症状を治療するものではない。カイロプラクティックが対象とするのはサブラクセーションのみで、後はその人自身に内在している自然の力に任せることを唯一の目的としている。医療には医療にしかできない役目と責任があり、カイロプラクティックにはカイロプラクティックにしかできないサブラクセーションを手でアジャストするという役目と責任がある。混同したり他の領域を侵したりしない、だからこそお互いに協調し独自性を持って存在することが可能なのだ。ミキサーの方からしたってこの本は「なんか違うな~」と感じる部分もあったと思う。
カイロプラクティック以外に鍼灸やハーブ療法や様々な療法が紹介されているが、その道のスペシャリストからしたら「ん?」と違和感をおぼえる部分もあるのではないだろうか。
場合によっては誤解や偏見を招いてしまうために、自分の専門領域以外のことを紹介することは困難であり、すべきことではないと思った。わかってないことをわかった気になってしまっていることが一番恥ずかしい。