カウンセリングや心の体質改善教室をしていて、
こんな方に少なからず出会います。
「人と一緒にいると疲れます。」

一緒にいると疲れるならば、
無理に一緒にいなくてもいいのではないか?
という素朴な疑問を持つ方もいるでしょうか。
でも、話はそう簡単ではありません。
私が、「人と一緒にいると疲れます」
という言葉を聞く時は
大概セットで次のフレーズが続きます。
「でも人が嫌いなわけではないのです。」
つまり、
「人といると疲れる」が
「人が嫌いなわけではない」ので、
「1人でいると寂しくもあるから、人を求める」
けれど、
「人と一緒にいると何故かとても疲れてしまうので」困っている。
というお悩みであることが多いのです。
これは確かに、悩ましいですよね。
実はこの感覚、かつて私も持っていたのでよく分かるんです。
私は人が好きなのか?
嫌いなのか?
どっちなんだ!?
なんて思ったものです。
当時はわかりませんでしたが、
今はわかります。
人が好きか?
嫌いか?
どっちか?
なんてことはないのだと。

そもそも人は集団で生きる種としての本能がありますから、
1人だと不安になったり心細くなったりします。
「人を求める」のは
より本能的な欲求と言えます。
では「人といると疲れる」というのはどうでしょうか?
これもちょっと考えてみてほしいのですが、
自分の部屋の中にひとりでいる時と
外へ出て他人の目がある場所に身を置いた時と
どちらがよりリラックスして楽でいられますか?
恐らく自分の部屋にひとりでいる時の方でしょう。
他人と言っても見知らぬ人から
職場や学校の顔見知り程度の人
仲のよい気心の知れた人まで様々ですが
いずれにせよ
自分以外の誰かがいる場では私たちは
完全に自分の自由に好き勝手にしていていい。
ということにはなりません。
その場に応じて、大なり小なり、
その場にいる他人の目を意識して、
ひとりの時とは振る舞いを変える必要に迫られます。
そう考えると、多少なりとも
「人といると自分ひとりでいる時ほど楽ではない」
ということもまた、至極当たり前のことです。
ただ、その楽ではない感覚が、
一般的な人はさほど強いものではなく、
それがゆえに人と一緒にいる安心感とか楽しさとか、そういうメリットの方が容易に上回るので、
「人といると疲れる」
というようには感じないというだけです。

つまり、冒頭に挙げたような感覚、
「人が嫌いなわけではないのに
人といると疲れてしまう」を訴える人と言うのは
「人といると疲れる」感覚が
一般的な人と比べて非常に強い
と言うことが出来ます。
これは、その当事者にはさっぱりわからないことが多いのですが、一般的な人と言うのは、
他人と一緒にいる時には
一定の緊張感はもちろんあるものの、
「あるルールに従ってさえいれば安心していていい」
という感覚を持っているのです。
この「あるルール」というのは、
個人と個人の間のルールだったり、
職場とか学校などの場のルールだったりします。
そのルールは明示されている場合もあるし、
暗黙であったりしますが、
それらを理解して
それに従っている限りにおいては、
私たちは、非難されたり咎められたりしないということを知っていますし、
それゆえに安心していられるわけです。

例えば
図書館はおしゃべりをしてはいけないということを
私たちは理解していますから慎みますが、
電車の中ではどうか?というと、
電車内で連れと話をしても隣りの人から突然怒鳴られたりはしないと安心しているはずです。
これが場に応じたルールの理解・遵守によって得られる安心感です。
以上、分かりやすさのために例として場のルールの話をしましたが、
私たちは人間関係の中においても、
こういったルールの理解・遵守によって得られる安心感というものを持っています。
もちろん一人一人価値観は異なるので、
細かいことをいえば、よく知り合うまでは、
本当の意味で安心することは出来ないわけですが、
基本的なところで、非常識なことをしなければ、
突然目の前の人が怒り出したり非難してきた李はしないという安心感は持っているんです。

この安心感が持ててさえいれば、
私たちの人に対する緊張感と言うのは、
さほど強くならずに済みます。
ところが、です。
これは全員が持っているか?というと、
そうではありません。
世の中には一定数、いかなる人との間にも、
この安心感を当たり前に持てない人たちがいます。
自分が特別におかしなことをしなければ、
相手の機嫌を損ねたりはそうそうしない、
という安心感を持てないのです。
そもそも
「何がおかしなことで
何ならおかしなことではないのか?」
すら、わからない方が多いのですが、
細心の注意を払っていたとしても、
いつ相手が腹を立てたり機嫌を損ねたりして、
自分を非難したり攻撃してきたり嫌ったるするか?分からない
という感覚を持っています。
こういう人たちの
人に対する緊張感たるや
想像を絶するほど強いものです。
このような人たちは
「人といると疲れる」
と訴えます。
もしあなたが、自分にもそういったところがあると思ったならば、
是非その
「人に対する緊張感」は
特別なものなのだと知ってください。
その緊張感の中で、
あなたが疲れてしまうことはいたって無理もないことで、
自然なことなのだと知ってほしいのです。

その上で、どうしてそのようになっているのか?
を探求する道のりに踏み出すことをおススメします。
よく「これは自分の性格だから治らない」とおっしゃる方がいます。
「人といると疲れてしまう赤ちゃん」というのはいない
からです。
それは生まれつきではなく、
育つ中で、学習された結果です。
あなたが今、人に対する緊張感が強いのは、
恐らく、人生で最初にかかわった人との間で、
「このルールにのっとってさえいれば安心していていい」
という感覚を味わえなかったからだと思います。
常に怒られたり非難されたりしていた可能性だけでなく、
同じことをしていても、
ある時は非難され、ある時は非難されないなどの無秩序さあがあった可能性もあります。
とにかくはっきりと言えることは、
人生の最初にあなたが味わった対人緊張が、
今もあなたの対人関係に再現され続けているということです。
これは記憶があるとないとにかかわらず、です。
これらのことを深く理解してゆくだけで、
あなたの対人緊張は緩み、
人といても疲れないあなたになります。
学習によって身に着けたことは、
学習し直すことによって変えることが可能です。
どうか「性格だから治らない」なんて諦めないでください。
あなたが諦めさえしなければ
道はいつも開けます。
YouTubeでは私が勉強・体験してきた心理学やセラピーを使って
楽に生きられるようになる「心の話」をお届けしますので、ぜひのぞいてみてください。