今日は「依存と自立」についてお話します。
さて、いきなり本題です。
あなたは「依存的な人」と言ったらどんな人を思い浮かべますか?
人に頼ってばかりいる人?
自分では何もやろうとしない人?
では反対に「自立した人」と言ったらどんな人を思い浮かべるでしょうか?
人に頼らない人?
自分で何でもできる人?
パッと思い浮かぶイメージとしてはこんなところでしょうか?
では、次のような人は、「依存的な人」「自立した人」のどちらだと思いますか?
何でも人に頼らずにすべて自分でやろうとする人
・・・・・・
え?そりゃ、「自立した人」じゃないの?
と思いましたか?
そうですね。
そう思うのも自然なことだと思います。
私も以前はそう思っていました。
でも今は考えが変わりました。
それはこの十数年のカウンセリング臨床の経験から変化しました。
結論を先に言いますと、
何でも人に頼らずに、すべて自分でやろうとする人
は、「自立した人」でないことが非常に多いです。
もちろん100%とは言いません。
でもかなりの高確率で、こういった人は、
「人に頼らない」というよりは人に頼れない」のです。
「人に頼る」ということに抵抗感を持ち、それを避けながら生きています。
その根本的な理由は様々なので、ここでは触れません。
ただ心の深い部分では「頼りたい気持ちを我慢している」ということになります。
この我慢は本人が認識していないこともあります。
認識していてもいなくても、我慢していることは不自然な形で、無意識のうちに漏れ出てしまうことがあります。
なので、ふさわしくない場面で、自分でも無自覚なままに依存的態度になってしまうことがあるのです。
普段は頑張って自分でやろうとしている人が、
ある時あるいはある部分では急に何もかも投げ出してしまう。
自力と他力が100か0かになってしまいがちです。
つまり、自分でやるなら人の力は一切かりない、それができないなら自分は全部投げ出して人に託してしまう。
オセロの白と黒が反転するみたいに。
これはしばしば、本来自立した人であれば、当たり前に自分が主導権を発揮したり、責任を負う場面で、このような人は人に主導権を渡してしまって受け身になったり、責任を負うことを回避しようとすることなどで現れます。
実は以前の私もそんなところがありました。
だからわかるのですが、この依存的態度を抜け出るまでは、自分ではまったくそれは自覚できません。
むしろ必死で自分でやろうと頑張っている方を自覚しているので、
自分でも自立できているつもりだったりします。
でも、「頼りたい気持ち」を我慢している間は本当の意味で自立は出来ません。
ビジョン心理学でいうところの、「偽りの自立」の状態です。
じゃあどうしたら真の自立ができるの?
十数年前の私にとっても、それはとても難しそうなことに思われました。
でも今はわかります。
自分の中に
頼りたい気持ち、甘えたい気持ち、助けてほしい気持ち
が確かにあるのに我慢してきたことを自覚して、
そんな自分に思いやりの気持ちを向けてあげることで、
それは変化してゆきます。
私が考える「自立した人」は、
何でも人に頼らず、すべて自分でやろうとする人
ではなく、
自分に必要な助けを人から得ながら、責任をもって自ら行動できる人
です。
言い換えると、
自分に必要な助けを、自分で人に求めることが出来て、結果的に自分を助けられる人
と言ってもよいかもしれません。
自力と他力は100か0ではありません。
それはいつもブレンドで、
自力と他力が混ざり合って人生は創られています。
自分と他者との共同創造です。
私自身は、心理学を学び、セラピーに関わり、いろんな経験を経て、ようやく自立できたような気がしています。
今もし、自分が自立できていないかもしれない、と思う人がいたら、その人に私は伝えたい。
何歳からでも遅すぎることはありません。
気づいたところから、自立への一歩が始まります。
自力と他力のバランスの取り方をマスターしたい方向けの
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