三原車輛製作所(その3)改 前史 | ゴンブロ!(ゴンの徒然日記)

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R-1:地鎮祭関連の情報を追加(2012/7/29)

今回は三原車輛製作所の建設の前史と言うべき部分をご紹介します。

 三菱重工での車輛製造は前身も含めると明治時代に遡りますが、本格化したのは1920年代半ばからでした。
(第一次大戦後の恐慌、ワシントン海軍軍縮条約による艦船建造制限で神戸造船所の造船部門が深刻な影響を受け、事業多角化の模索から本格化した)

当時20歳代の中本守氏(後の三原車輛製作所の初代所長。もともとは造船部門のエンジニア)が神戸造船所の所長室に呼ばれ、特命で電気機関車の研究を求められたのは1922年の9月のことです。同仁が三菱電機の技師と共に英国メトロポリタン=ヴィッカース社に研修の為、旅立ったのは一月後の1922年10月末のことでした。
その努力は1928年のEF52で結実します。
 神戸造船所の史料館に飾ってあるEF52のパネル

その後神戸造船所での機関車の製作は、電気機関車・蒸気機関車と順調に進みますが、国際関係の緊張と共に、再び艦船建造に大幅に注力する必要が発生、一方鉄道省からは機関車増産の矢のような催促もあり、三菱重工社は車輛製作専用工場の開設に1939年に踏み切ります。
当時の建設計画書目論見を見ると生産品目は蒸気機関車(年産100両)と車両用エアブレーキとなっています。

1939建設計画


 1939年の建設計画書 書類の提出者は神戸造船所になっている。


工場敷地の候補としては検討の結果
1. 広島県三原市付近
2. 兵庫県加古川付近
3. 福岡県北九州の黒崎付近
の三か所ありましたが、鉄道輸送に至便なこと、船積用港湾に近いこと、拡張が容易なことから三原に選ばれたのでした。着工前1939年ごろの三原の勝田埋立地の貴重な写真をご紹介します。
当時極秘に当地を視察した中本守氏が、釣り人に身をやつして、釣り船を出させ「もっと沖に出ないと釣れないよ」と漁師に言われるのを、「はぜ釣りだから」と言って、海側から水深や現地状況を確認したという逸話が残っています。


1939三原埋立地

 

この写真は1940年7月18日の地鎮祭当日に敷地北西部の高台から撮影した貴重な写真です。(撮影日が判る写真でした)
手前の線路は山陽本線です。踏切のある付近が現在の工場の二門があるあたりです。(現在C57が保管されている方の入り口)
なぜか二門付近を最近タクシーから撮影した写真があるので以下添付します。

三原工場二門付近

 
1940年の写真左上に当時既に進出していた日本セメントの工場がありますが、後は一面の葦原です。日本セメントの工場の手前に見える白い部分が地鎮祭会場です。(現在の総事務所があるあたりです)
地鎮祭会場で1940年7月18日の当日に撮影した写真は以下の通りです。

1940三原地鎮祭

 


三原車輛製作所としての正式開所は1943年4月1日のことでした。ここから三原車輛製作所の飛躍が始まります!

古い話を長々読んで頂き、有難うございます。


感謝の気持ちを込めて、おまけです。

このたび発見した三菱神戸造船所製の満鉄向け復水式蒸気機関車ミカクの写真です。
満鉄ミカク501 
 画像不鮮明ですが非常に貴重なものだと思います。
同車は1939年満鉄依頼により開発開始、1941年夏に三菱神戸造船所にて完成、現地で試運転を実施。炭水車後方の車輛にルーバーがあり、ここに復水器が設置されていると思われます。

以下WIKIからの引用です。

「特殊用 
秘扱い。その存在は原則として非公開であった。
 ミカク形 : 1941年 - 大連工場製
 1D1形復水式過熱テンダー機関車、シリンダ径×行程 : 530mm×710mm、動輪径 : 1,370mm、蒸気圧力 : 14.0kg/cm^2、火格子面積 : 4.57m²。 ミカロ形をベースにした復水型蒸気機関車で、関東軍の要請により1両が製造された。機関車の煙突前方に排煙タービンを設置し、排気管により排気を炭水車の復水器に導く。缶用水の確保が困難な北満地方での無給水で長距離走行が目的であり、試験では1,600kmの無給水走行を記録した。」

写真の試作車の成功を受けて、神戸造船所では部品での納入も含め1944年8月までに7両のミカクを納入したようですが、何故か歴史からは抹殺されています。(三菱で製作された事実自体が一般向け歴史書には残っていない。また量産された記載がある史書も見たことがない。)

うーん謎は深まる・・・

三原車輛製作所のことを調べるといろいろなことが判り、興味深い限りです。

それではまた!

 

 

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