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ゴミ・クリエイティブ

――日本と世界の"可能性"を届けてまわる。

(※ これはThink Dailyに掲載した記事の再編集版です)


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写真は、米国NPO法人コペルニク共同創設者の中村俊裕氏が、東ティモールエルメラ県の非電化村にソーラーライトを届けている場面です。

コペルニクは、「技術で途上国の人々の生活を変える」ことを目指して活動しているNPOです。彼らは「技術」と、最貧困の地で活動する「NGO」、そして支援者からの「寄付」をウェブサイト上でマッチングしています。


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まず、途上国のNGOがコペルニクのウェブサイトを見て、自分たちの抱えている問題を解決してくれそうなテクノロジーを探します。そして「ソーラーランタンで東ティモールのアタウロ島に住む200世帯の生活を変える」といったプロジェクトをコペルニクに対し提案します。承認されたプロジェクトはウェブサイト上に掲載され、人々の寄付を募ります。そして、金額が揃い次第、製品が現地に送られる、という仕組みです。現在、プロジェクトは世界11カ国46カ所で行われ、大きな成果を上げています。

なぜ「技術」が途上国の人々の生活を変えることができるのでしょうか?

コンロの場合、その理由は、あちらのキッチンをのぞけば一目瞭然です。私が東ティモールで見た、かやぶき屋根の調理場は、窓も煙突もありませんでした。昼間でもまっ暗です。そんな中で、石を並べたかまどで焚き火をするとどうなるでしょう。もちろん、もうもうと立ちこめる煙に燻(いぶ)されながら、料理をすることになります。調理の煙による健康被害は想像以上に深刻で、世界中で年間150万人の死亡者がでているそうです。これは、マラリアによる死亡者を超える数字です。

燃焼効率のよいコンロを使えば、煙があまり発生せず、加熱温度も高いため調理時間が短縮できて、健康被害を減らすことができます。さらに、バイオマス燃料(木くずやココナツの殻、トウモロコシの芯など)を利用することができるので、薪を購入する費用や、伐採する時間を別のことに充てられます。さらに途上国で問題となっている森林伐採の抑制にも繋がります。

ハイテク機器ばかりが、世界を変えるプロダクトではありません。単純だけれども、丈夫で、インフラの乏しい場所でも活躍できる製品が、多くの人々の命を救い、生活を豊かにしているのです。

ものづくりに秀でた日本ならば、こうした製品をさらに開発し広めることができるのではないでしょうか。そんなコンセプトで、昨年コペルニクが関連団体とともに開催したのが「See-Dコンテスト」です。エンジニアやデザイナー、マーケターや学生などの混合チームが、実際に東ティモールへと赴き、現地の生活者にとって必要なモノとしくみを提案し合いました。ココナツを使ったお酒づくりや、トウモロコシの芯を炭化させ鉛筆にするアイデア、キックボードの車輪や換気扇などの「まわるもの」に取り付け可能な小型発電ユニットなどが受賞し、実際に事業化が進んでいます。

国連の統計によると、1日2ドル以下で暮らす人々は、世界に26億人いるそうです。こうした世界のより多くの人々に「喜ばれる」ものづくりに興味のある方は、See-Dコンテストのwebサイトを覗いてみてはいかがでしょうか。前回受賞したプロダクト「Linkwatt」のチームが9月29日(土)に、「遊力」発電アイディアコンテストを開催するそうです。
・熱帯性気候の地で考察する日本の夏について
バリの日陰が日本より涼しい。風が吹けば、体感気温は24℃くらいになる。エアコンいらず。
…………どういうことだ。

・いくつかの写真


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バリっぽい風景


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インドネシアの技術力は遂に籐製のバイクを開発したッ!!


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去年より交通量が増えた気がする。

・価格差10倍/徒歩5分
去年インドネシアで買った携帯電話を1年ぶりに起動すると【SIMカードの認証に失敗しました】的な英語表記が出て使えない。ショッピングモールの近くの携帯ショップに行って聞いてみると、「長いこと使ってなかったから失効した」とのこと。外国人には酷な仕様だ。

新しいSIMカードの値段を聞いてみたら、35万ルピアだという。約3,000円!?

何度か店を出ようとした結果、25万ルピアまで下がったが、それでも高い。やっぱり店を出る。

観光地から外れる方面へ5分ほど歩くと、またもや携帯ショップを発見。入口のドアが無いあたりに、庶民的な雰囲気を感じる。試しにSIMカードの値段を聞くと、2万ルピアだった。安っ。というかこっちの値段が普通だったような。そのまま購入することに。

・世間話
なんとなく携帯ショップのおばちゃんと世間話。
「この携帯はジョグジャで買ったんだよ」
「ああ、ジョグジャなら一度観光で行ったことがあるよ」
「でっかい王宮があって、良い街だよね」
「そうさ。日本にも王宮があるんだろう」
「うん。王宮じゃなくてインペリアルパレスだけどね。森の中にあって綺麗だよ」
「ヒロヒトはそこに住んでるんだね」

・アタッチメント
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うん。バイクの運搬効率アップにいいかも。

・渚にて
午後までメールやら何やらをしていたら、バリに来て未だに海を見ていないことに気づく。ノートPCを部屋に放り投げて、海へ。


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浜辺に無数にある「サーフィン教えるよ」の営業提案をくぐり抜けると、「遊泳禁止」っぽい旗がはためいている。波が高い海だけあって、サーフィン専用なんだろうか。まあ、どのみち貴重品管理的に泳げないので、そのまま水ぎわを歩く。濡れた砂の触感が足裏に気持ちいい。


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中学生くらいの女の子5人組に声をかけられた。ジャワ島から遊びに来たらしい。カメラを差し出してくるので写真を撮って欲しいのかと思ったら、自分と一緒に撮りたいのとのこと。なんでやねん。まあ、いいかと、身長的に膝立ちになって、ツーショットを代わる代わりに撮られる。

撮影会が終わって別れた時点で、しまった、ブログで嘘じゃ無い証拠にこっちも1枚撮っておけばよかったと思う。まあ、きっとfacebookの片隅に写真が上がっているだろう。

・滞在費
実際に東ティモールに行くのは明後日。早く来たのは、航空券がその分安くなるから。浮いた費用は1万5千円。

では滞在費は? 宿が朝食付で1,600円。昼食が300円。夜がビール付きで500円。1日2,400円なり。

ネットが使えるので仕事的にもあまり困らないのでした。



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(写真はバリで泊まった宿の窓から)

・緊張感があんまりない。
昨年、東南アジアを3ヶ月旅した時は、事前にバックパッカーから話を聞くなど、色々準備して、えいやっ! と臨んだ。それに比べれば、今回は、自然体というか、国内旅行とあまり変わらない気持ち。「東ティモールに行く」と聞いたら、人によっては"秘境探検"とか"戦場カメラマン"という言葉が浮かぶかもしれないのに。やっぱり「2回目」てのはそれだけ心理的抵抗が減るんだなあ、と思う。それでフットワークが軽くなるのはいいけれど、「行ったことがある楽な場所」だけをうろうろしないようにしなきゃ。

そんな事をぼんやりと考えながら、羽田空港の待合室でiphoneに青空文庫をダウンロードしていたら、飲み物を買うのを忘れた。羽田からクアラルンプールのフライト時間は7時間40分。*おおっと*

・世界の佃煮
座席は窓側だった。隣に座ったのは40代の日本人男性で、クアラルンプールからホーチミンに行って、更にニャチャンへ向かうという。一泊しかできないんだよ、とぼやいていた。ニャチャンでマグロの仕入についての商談があるらしい。もともとはマレーシアでマグロを仕入れて佃煮を作っていたが、近年、仕入れ量が減っているとか。

聞くところによると、(種類にもよるが)マグロは赤道付近で育ったり獲れたりするらしい。「マグロ」と聞くと北の海の男たち、なイメージだったが、実は熱帯魚だったのか!

・クアラルンプール空港
クアラルンプールに到着。到着時間が1時間も早まるとはどういうことだろう。ショートカットでも見つかったのか。まあ、どのみちデンパサール(バリ)行きのフライトまで、4時間待たなくちゃ行けないんだけど。

それにしても、飛行機のなかも空港の中も冷房が強い。昨年の旅で買った毛布を手放せずに、ずっとくるまっている。ライナスになった気分。

・クアラルンプールのターミナルの一つは、まるごとAirAsiaだ。聞くところによるともう一つターミナルを拡張するらしい。格安航空会社は伸びているんだなあ。

・バリのタクシー
クアラルンプールから3時間でバリに到着。待ち時間も含めると、移動に16時間ぐらいかかった計算。さすがに疲れた。

空港からタクシーでクタの町中へ向かおうとすると、さっそくおっちゃんたちが声をかけてくる。
「いくら?」
「15万ルピア」
「うーん。もっと安くしてよ」
「じゃあ13万ルピア」
「もうひと声!」
「これ以上は難しい」
「それなら他の人に聞いてみるよ」
「分かった、10万ルピア(約840円)にする。ただし目的地は狭い通りにあるから、近くの大通りまでね」
これで交渉成立。地元人なら5万ルピアくらいになるのかなあ。

おっちゃんが空港ドライバーになったのは、今年の4月かららしい。空港内に入れるようになるにはライセンスがいるとか。ライセンス料は550万ルピア。…………あれ、5500万ルピアだっけ?桁が大きすぎて覚えづらい。「ドルだったら大金持ちなのにな」とおっちゃんが笑う。

空港から出ると、道は渋滞している。時刻は16時を少し回った辺り。仕事終わりの帰宅ラッシュらしい。始業が朝8時と早いようだ。

奥さんと5才9才の男の子を持つタクシードライバーのおっちゃんは割と気さくで、いろいろ話しかけてくる。「日本語でセックスはなんて言うんだ?」 おまいさんは男子中学生か。

・宿
タクシーから降りて適当に歩いていると、去年泊まった宿を発見。部屋が空いていたのでここに決める。(一応)お湯が出て、(曲がりなりにも)エアコンがあって、(使ったことはないけど)冷蔵庫があって、(たまに使えなくなるけど)wifiが繋がる部屋が、1泊20万ルピア(約1640円)。プール付。

チェックインの時、「午後6時に蚊取りをするから」といわれる。部屋に入ってきてスプレーでもするのかな、と思ったら、
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ご覧の有様だよ!! ベトナム戦争的な蚊取りっぷり。

夜は近くのレストランでナシゴレンとビールを頼む。wifiが繋がるのでブログを書きつつ。日本のカフェやレストランも、これぐらい気軽にネットが使えるといいのに。

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この写真、去年、東ティモールに訪れた時に撮影したものです。写真の中で怪しい兄ちゃん(このblogの著者ですが)が使っている青い円形の容器は「Qドラム」といって、一度に50リットルの水を運べる、単純ですが効果的なプロダクトです。

このQドラムは、南アフリカの元大学講師のピエト・ヘンドリクス氏による発明です。これを使うことで、何kmも離れた水場から、重い思いをして運ぶ労力がぐっと減りました。(問題は、輸送費を含めると一つにつき100ドルを超えかねないコストですが・・・)

こうした、発展途上国の問題解決に貢献するプロダクトを発明しようとする動きは、アメリカの理工系大学では特に盛んだそうです。マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学、カリフォルニア工科大学などのトップスクールでは、途上国向けものづくりの授業が行われています。


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日本でもこうした「世界で本当に必要とされるモノ」を作って、必要とする人に届けようと、プロダクトデザインコンテスト"See-Dコンテスト"が2010年からはじまりました。


第一回では、ココナッツからお酒を作るキット、キックボードや手押し車などの回転する機構に取りつけて発電可能なユニット、トウモロコシの芯から作る筆記用具のアイデアなどが受賞しています。

そして今、第二回のコンテストが開催されており、私も参加しています。昨年、東南アジアを旅した経験を通じて、どれだけ貧しい国でも、「ゴミ」が散乱していることを知りました。「ゴミ」を読み替えれば、それはプラスチックの素材であり、アルミニウムの容器だったりします。こうした不用素材をうまく工夫すれば、より低コストでプロダクトが作れるのではないか? と考えています。

そんなわけで、9月16日から東ティモールに入り、1週間のフィールド調査を総勢15名で行います。いったいどんな気づきを得られるか、いまから楽しみです。

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パルシステムが出版している、くらしから未来をつむぐアクションマガジン『POCO21』にて拙著『「ゴミ」を知れば経済がわかる』を紹介して頂きました!


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以下引用です。

《――圧巻なのは、それぞれの国で、もう商品の姿をとどめなくなったようなものまで徹底的に売り尽くす場面。そんな「素材」にまで、細かく値段が付いている。
 何がゴミか否かを決めるのは、生活する「人」である。「物作り大国・日本」の、作った人の意志を最後まで大切にしているのは、まちがいなくこれらの国の人々。そう思えた。》