56枚目のイラストを描きました。今回も『はてしない物語』(ミヒャエル・エンデ著)の大好きな一場面を描きました。
2~3月はあっという間に過ぎてしまいました。2月は夫が高熱を出したり怪我をしたり、3月は仕事で残業が増えたりと…落ち着かない毎日を送っています。ブログに書きたいことはたくさんありますが、なかなか更新できずじまいでした。
今週の夜は、娘が春季講習&夫も残業で帰りが遅いので…ここぞとばかりにブログを更新していこうと思います。
はじまりの瞬間
バスチアンがそうっと手をひっこめると、輝く点はそのまま小さな星のように二人の間に浮かんだ。
芽は見ているうちにどんどん伸びた。葉が開き茎が出て蕾がつき、さまざまな色の燐光を発する見事な花がいくつも開いた。
著者名:ミヒャエル・エンデ
著書名:はてしない物語
今回はこちらのシーンを描きました。もうすぐ春なので、春の足音を感じるイラストが描きたいと思いました。そしてこちらの場面を選びました。
こちらの場面は『はてしない物語』のちょうど真ん中の場面です。物語の後半が始まるシーンなのですが、無の場所から『夜の森ペレリン』が創造されるまさに『はじまりの瞬間』です。
初めて読んだ時のわくわく感を思い出しながら描き進めました。
線画から色塗りまで
イラストソフトはCLIP STUDIO PAINTを使用しています。
下描きを2回描いて(割愛します)線画を描きました。線画は粗い鉛筆で描いています。そして簡単に背景色を考えて下塗りしました。
下描き…以前のブログには載せていましたが、『はてしない物語』と画像検索した際に、私の下描きのイラストがたくさん出てきてしまいました。下描きは、完成していない違和感だらけのイラストなので…大好きな物語のイメージが壊れないでほしいと思い、こちらのブログにはできるだけ載せないようにしています。
さらに色塗りを進めて背景を塗りました。色塗りは相変わらず透明・不透明・粗い水彩を使っています。この段階では細かい影を塗っていません。細かい影をつけてしまうと、仕上げの段階でくどくなってしまい修正することが多かったからです。
全体の影と光
全体の影と光を塗りました。影は乗算レイヤーを使っていますが、光は加算(発光)、覆い焼き(発光)、オーバーレイなど色々なレイヤーを使っています。細かい影はこの段階で塗っています。(実際は影→光→影と少しずつ塗っています。)
仕上げ
花びらや光のエフェクトを追加しました。またキャラクターと草花をより明確に区別するために、キャラクターと草花それぞれに輪郭線を追加しました。
輪郭線についてはこちらの記事をご参照ください↓
左(上)線画の色を調整(色トレス)して顔のチークも追加しました。
右(下)背景とキャラクターそれぞれに異なるグラデーションマップを追加して完成。
完成
バスチアンがそうっと手をひっこめると、輝く点はそのまま小さな星のように二人の間に浮かんだ。
芽は見ているうちにどんどん伸びた。葉が開き茎が出て蕾がつき、さまざまな色の燐光を発する見事な花がいくつも開いた。
著者名:ミヒャエル・エンデ
著書名:はてしない物語
春の足音を感じたくてこの場面を描いてみました。このシーンではもう少し草花の色や形が鮮明に描写されています。最初はその草花を忠実に再現しようと思いましたが、エンデの想像する草花を誰もが『草花』と認識できるように描ける気がしませんでした。
ですが、次こそは絶対にエンデの想像した草花を表現し、『夜の森ペレリン』を完成させるつもりです。
苦労したところ
毎回毎回仕上げの段階で苦労します。好きな雰囲気に仕上げることが一番難しいような気がします。
左(上)はイラストが完成する1週間前のものです。いつも一度仕上げた後に修正を繰り返して完成に辿り着いています。完成したイラスト(右または下)を見た後であれば、全体的に赤色を足す、不要な光エフェクトを消す、バスチアンの口の位置がおかしいということが分かるのですが、それになかなか気が付けないので本当に苦労しています。
それでも、以前よりは悩む時間が減ってきたように感じます。イラスト教室でも添削していただく箇所が減ってきました。今回もバスチアンの口の位置を修正されただけでした。(その分、下描きの段階で色々と相談にのって戴いています。)
いつも痛感するのは、自分がイメージできるものでないと表現できないということです。自分が『こういう絵にしたい』というイメージができないと、迷走し続けてしまいます。
特に色は迷走しがちなので、最近は『こういう雰囲気にする』と色のイメージを固めてから描くようにしています。…といってもまだまだ勉強中ですが…。
夜の森ペレリンについて
このシーンの後に『夜の森ペレリン』という森が創造されます。この森は昼と夜とで姿が異なります。そして夜の森ペレリンが美しいのには理由があります。
それは昼の姿で登場するある生き物が深く関係してくるのですが、昼から夜へ変わるシーンはとても驚きました。美しいものが美しいのは理由があるように感じました。
できれば今年中にこの生き物とペレリンの昼の姿、そして昼から夜に変わる間に何が起こっているのかもイラストで表現したいと思います。
アトレーユがいないイラスト
『はてしない物語』の名場面を描きたい気持ちの反面、名場面には大好きなアトレーユがいないことも多々あります。これが私にとって最大の壁になると思っています。
大好きなアトレーユが描けないと、必ず『アトレーユが描きたい…』という禁断症状が出てしまい、なかなか筆が進まなくなってしまうからです。
ずっとこの課題について考えてきましたが、思いついた解決策は『アトレーユのイラストを並行して描く』というものです。今回もアトレーユのイラストと下描きまで同時進行で描いてみました。
そして線画まで描ければ、アトレーユがいなくても何とかそのイラストを完成させることができると分かりました。色塗りや仕上げの工程は1番悩む箇所ですが、自分の反骨精神が最も発揮されるからです…。
『はてしない物語やアトレーユの魅力を多くの人に知って貰いたい』という目的のためには、イラストを描き続けていくことが大切だと思っています。大好きなアトレーユを描き続けていくためにも、色々と試行錯誤をしていきたいです。