神話要素満載の「劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!」
これまでは旧約聖書「失楽園」や北欧神話「黄金林檎の物語」に触れてきたけど、「星の子」誕生や「フレイアの死」を巡る次の神話要素を語る前に……

 

注視してないと見逃してしまいそうな僅か数秒のカット……でもとても印象的な絵……目

 

 

渦巻き銀河の中で胎児のように丸まるフレイア
彼女のすぐ隣にはハヤテから渡された種を宿した古びた林檎りんご

 

宇宙の産卵地・星の子宮とも言われる渦巻き銀河 星空
林檎は旧約聖書「失楽園」における“禁断の果実” ……🍎
そして新約聖書「聖母マリア処女懐胎」劇における“原罪”と“受胎”の象徴👩‍🍼

 

すごく宗教画的な構図かも!?

 

このシーンはヘイムダルの攻撃によりウィンダミアを追われたハヤテ・フレイアが救出されたマクロス・ギガシオン艦内での一コマ……
ハヤテが無事回収できた種を宿した林檎でウィンダミア奪還と林檎園復興を誓って勇気付けようとしたことで、逆にフレイアが地球人・ウィンダミア人の寿命差に起因する価値観の相違に直面して、彼の元から逃げ出した直後のシーンりんご

 

 

 


そういえばフレイアの描かれ方も少し変化している気がする……

レイブングラス村の林檎畑で描かれた大人の女性としてのフレイア飛び出すハート

エンディング「ルンに花咲く恋もある」風だと

“禁断の林檎”…をカジって…“大胆に抱”…かれた…“童顔で妖艶な”…フレイアラブラブ

 

 

 

一方でマクロス・ギガシオン艦内で不安や絶望から幼児退行したかのように描かれるフレイアハート


 

フレイアのルン(魂)が既に受精卵・胎児へと還元がはじまっていることが仄めかされているような……魂

再生・新生……もしかすると脱皮に近い現象だったり……

女神フレイヤの流れだとどうしてもフレイア分霊箱説も考えちゃうし……

 

 


ところでマクロスシリーズは実写映画の名作の引用・オマージュ・リスペクトも豊富
しかもその引用された映画・絵画の内容がしっかりと布石だったりすることも……
本作でも「ゴールデン・コンパス」は今後の展開を予見させる重要アイテムかも🍎
 

 


この胎児フレイアのカットもある映画へのオマージュシーンの可能性があるかも🍎
1976年制作のアメリカ映画「エンブリヨ(Embryo)」
高能力・短寿命・能力拡張型デザイナーベイビーがテーマのSF映画としてはおそらく最初の作品
空中騎士団のモデルに近い映画「ブレードランナー」1982年の更に6年前……河森監督が16歳の時の映画……

また強烈なポスターかも🍎

 

 

私はこの映画を全く知りませんでした……💦

私が生まれる30年前の映画……あんまり有名な作品じゃないし……続編とか作られていないし……映画
実は絶対LIVE!!!!!!のBlu-rayを家族で視聴した時に、実写映画ファンの父から指摘されて驚きびっくり

河森監督の青春時代はちょうど1970年代で世界的恐怖映画ブームの真っ只中
「ゾンビ」「エクソシスト」「オーメン」「サスペリア」「キャリー」「悪魔のいけにえ」「ハロウィン」「エイリアン」などなど……🧟👻👽👿おばけハロウィン
父はすべて映画館で見たらしい……映画好きが嵩じて映画館でバイトしてたんだってニヤリ

もしかして私も全部、配信で見たことあるかも……

いまも続編とかリメイクとか続いてる作品もあるよね……スゴイかも🍎

 

父が言うには当時は今に繋がるホラーSFイマジネーションが爆発……初見の衝撃は強烈だったとか……

ラインアップ見てると分かる気がする……
クリエイター系の人で影響を受けた人は多いはず……

そんな時代背景の中で生まれた先駆的なサイエンスホラーに分類される「エンブリヨ」カチンコ
父は映画館と深夜テレビで複数回視聴したとか
AmazonPrimeにも上がってて私も見たけど、最悪画質でビックリ……びっくり💦
なんでも「著作権標記欠落によりパブリックドメインとなった」……

そんな事ホントにあるんだね……しかもアメリカで……目
フィルムもちゃんと管理されていなかったらしく、状態の良いときの映像が残っていないそうで……残念😞

映画の内容は……
特殊な成長ホルモンを胎児に投与する実験で生まれたヒロインのお名前はビクトリア
ブラック手段で16週胎児を買い取ったマッドサイエンティストさんが人工子宮で実験開始👶
実験開始後わずか4日で産声……ホルモン投与停止後も1日1歳ペースで加齢……
ひと月で成人女性まで成長して、今度は逆に急速な老化開始……
劇薬投与でようやく老化抑制に成功

それでもやはりマッドさんが狙った通りの天才女性で……

しかも美人……でもちょっとサイコパス気質……

 

恋愛に対する好奇心からマッドさんと体の関係を……しかしこれを機に爆速加齢が再開
天才な彼女は加齢を止める方法を独学で考案……

その材料となる生きた胎児を入手するための犯罪行為……
最後、彼女の計画を阻止したいマッドさんとのバトルも警察が介入……

 

保護されたビクトリアの姿はすでに老婆……しかも妊娠発覚……

暗転直後に赤ちゃんの産声が聞こえて終幕
彼女の寿命は100日もなかったかも……🤔

 

高能力短寿命の造られた存在というウィンダミア人につながる特性
急速な加齢と迫りくる死に抗う苦闘
そして老衰死直前の出産……

その赤子もわずかな日数で受精卵から新生児まで高速成長……星の子と同じく……

ビクトリアはダークヒロインではあるけれどフレイアと重なる部分も多い……

 

 


臍の緒の代わりにシワシワになった種入り林檎を配置した胎児フレイアのオマージュシーン……

 

急速な加齢と衰弱、迫りくる死……

ワルキューレとしての矜持……

また愛する者と永遠に会えなくなる恐怖……

彼女が抱えるそれらへの不安と反発の入り混じる感情……

 

さらに神話的投影として……

フレイア自身が“星の子宮”から生まれた存在……“星の歌い手”のような特別な存在であることの示唆

フレイアがすでにフレイアの分身を身籠っていることの暗示
フレイアが何らかの原罪を背負っていることの黙示

 

そして彼女自身の生命と引き換えに分身が誕生間近であること……

その分身たる赤子もまた原罪を背負っていることも……

 

こんなことを映画と重ねて仄めかしているのかもはてなマーク

 

林檎が強調された構図は“プロトカルチャーの原罪”が今後のマクロス・サーガの焦点になっていく予感……目

 

絶対LIVE!!!!!!に組み込まれたもう一つの神話……新約聖書「聖母マリア処女懐胎」

そして「フレイアの死」で始まるであろう新たな神話への布石となる重要場面だと確信しております🍎