『芥子の花(金春屋ゴメス)』 西條奈加 新潮社
- 芥子の花 (金春屋ゴメス)/西條 奈加
- ¥1,365
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つなさん の御指摘の通り、
キャラの描写に深みが出て、
更に良くなっている。
月面都市もある未来に、
日本国内に誕生した独立国家江戸の、
長崎奉行所のメンバーを主人公にした本シリーズの
今回の敵は麻薬密売組織である。
ラストの大活劇で長崎奉行のゴメス様が、
黒王号じゃない黒鬼丸に跨って大活躍するのが、
お約束のパターンだとは予測出来るが、
素直に登場せずに一捻りあるのも良かったです。
エコ国家江戸の政治政策や経済政策も深みが出て、
まさにこの江戸は理想国家!
エコの為に江戸時代のテックレベルの制限をつけるのは素晴しいが、
政治形態も江戸時代のままの封建主義だと知恵が無さ過ぎる。
この未来の江戸にも身分制度はあるが、
武家が世襲制ではないのも素晴しい!
武家試験に合格しないと、
武家の息子でも武士になれずにお家取り潰しになるのである。
文武心の三科目の総合成績で武士になれるのである。
政治家が世襲制みたいになってる現代日本より、
はるかに民主的w
主人公が人殺しの嫌いな性格なのも素晴しい!
愛する者を守る為であっても敵は殺したくないと、
主人公が剣術ではなくて棒術を学ぶのも素晴しいです。
素手で戦うのが理想だが、
剣道三倍段の法則があるので、
努力のコストパフォーマンスで、棒術を選ぶのがリアル。
ついでに忍術も学びますw
ラストに明らかになる敵組織の正体も凄い。
資本主義国家が発展するには無限の経済成長が原則。
成長率をゼロに抑えたエコ国家江戸は、
発展した資本主義国家が先進国とされる世界の常識に反する。
江戸は世界の敵とされ、滅亡するのか?
三作目がデラ楽しみである。
『現代物理学が描く突飛な宇宙をめぐる11章』 スティーヴン・ウェッブ 青土社
- 現代物理学が描く突飛な宇宙をめぐる11章/スティーヴン ウェッブ
- ¥2,940
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あの大傑作「広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由」 の
著者だから、突飛な宇宙が11パターン解説されるかと期待したが、
11個は出てきません。
ド・シッターの空間だけで物質のない宇宙と、
10次元や11次元の宇宙がメイン。
で実は10次元の宇宙は、我々の宇宙である。
統一場理論、大統一理論、
ストリング理論、スーパーストリング理論、
メガブレイン理論と発展してきた究極の万物理論、
M理論の考察で、
空間の素を追求したら、
空間の次元を増やす羽目になったのである!
空間軸が4つ以上あるのなら、
三次元空間で物体を封じることは出来ない、
密閉された牛乳瓶の中の牛乳が、
4次元や5次元を通ってこぼれることが可能だが、
そんな現象は観測されない。
素粒子レベルなら波の干渉で、
通れないところを通るようなことも有り得る。
そうです。我々の宇宙は10次元か11次元だが、
4次元以上の空間軸は、長さが0.2ミリ以下しかないのだ。
分子のすり抜けもないことから、
原子核レベルが妥当だろうが、
空間軸は10か11あるのです。
4次元以上の空間軸を光は通過出来ないので、
4次元以上は観測出来ない。
ただし、重力波は通る。
宇宙にある見えない暗黒物質の正体が、
空間軸が4次以上あることで説明出来るのだ。
4次か5次でいいものを、
10次元も必要になるのは、
超対称性を成立させるためです。
自然の法則の根本は保存則。
相互作用の前後でも不変。
E=MCの二乗のように方程式で表される必要があるのです。
xの2乗+yの2乗=zの2乗は成立するが、
xの3乗+yの3乗=zの3乗は成立しない。
物理法則を見つけるということは、
正しい方程式を見つけると言うことである。
群論で数学者は、矛盾のない方程式を
10の100乗ぐらい発見している。
究極理論に合う方程式を探すと、
次数が10か11になってしまうということです。
我々の宇宙は26次元説もあるが、これは10次元説に、
16次元を付加したもので、
素粒子のスピン数が最大で2であるという観測結果から、
12次元以上の宇宙は我々の宇宙ではないと計算されています。
我々の宇宙の0.2ミリ隣に別の宇宙が4次元的にくっついていて、
ビッグバンは宇宙と宇宙の衝突で起こると予測されています。
宇宙と宇宙の間の超空間はバルクと呼ばれ、
光は通れないが、重力は通るそうです。
宇宙の背景放射も、
別の宇宙の重力が影響していると考えると見事に説明出来るそうです。
衝突する二つの宇宙がどうやって出来たかは、
考えても仕方のないことです。
我々の宇宙の始まりはビッグバンだが、
ビッグバン以前にも別の宇宙として、永遠の昔から存在したざんす。
宇宙論と量子力学のファンは本書は必読だが、
情報工学のファンにも面白いネタが紹介されています。
情報を伝える最小単位は1ビット、
あるかないかの1か0である。
1か0をどこかに記録しないといけない。
記録する為の空間が必要で、
最大の記録空間を考えると、
でかい体積の記録媒体が有利かと思われるが、
体積がでかくなると物体は自重で潰れてブラックホールになってしまう。
情報量は体積に比例することが出来ないのだ!
大事なのは面積である。
表面のみに情報を記載した密度の低い物体が最高の情報量を持つ。
次数の少ない記録媒体でも、
次数の多い次元の情報を完璧に記録出来る。
二次元のホログラムで三次元空間を再現出来る。
我々の宇宙は四次元空間に再現された三次元ホログラムではないのか?
という面白いネタも紹介されてます。
素粒子オタク向けの最新ネタとしては、
今一番新しいナウな素粒子は、
ラジオンとブレイノンである。
ヒッグスホゾンはもう古い!(ってまだ発見されてないがw)
素粒子は60も発見されているので、
素粒子オタクは、ヒッグス粒子とか重力子などに萌えるのは古いぜ!
個人的にはスティーヴン・バクスター のSFで有名になった
フォティーノ(光子の超対称粒子、反粒子ではない。光子の反粒子は光子自身)の
ブームが来てほしかったが、来ませんでしたなw
素粒子オタクはラジオンとブレイノンに萌えるようにww
あと、ストリング(紐)ではなくて、ブレイン(膜)と叫ぶように。
ブレインにストリングがくっついているのが、
物質の最小構成要素である。
ブレインからストリングが切れることもあるが、
ストリングだけでは、完璧に説明出来ないのですよ。
スティーヴン・バクスター のSFを読む予定の人は、
本書も読んだ方がいいでしょう。
『たまらなく孤独で、熱い街』 山田正紀 徳間文庫
|
たまらなく孤独で、熱い街 (徳間文庫)
山田 正紀 徳間書店 1984-10 売り上げランキング : 745536 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
街の構造がジグソーパズルに見えるサイコパス男を主人公にした
ポスト構造主義哲学サイコサスペンスアクション!
普通の正紀作品より、ムード重視で、
アイデアやプロットに魅かれる人にはいまいちか?
全ては『サイコトパス』 で中田が見ていた夢という解釈は無しよ(そのネタヤメレ)
VRもののSFになるかもと期待した私は逝ってよしでしょうか?
『フェルマーの最終定理』 サイモン・シン 新潮文庫
- フェルマーの最終定理 (新潮文庫)/サイモン シン
- ¥820
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フェルマーの最終定理を証明する過程で、
数学版統一場理論が見えてくるのが凄い!
というわけで、有名な数学者はほぼ網羅される、
数学版大甲子園である。
女性数学者や東洋のちんけな島国の数学者にも暖かい視点があり、
カエサルやナポレオンという独裁者はさりげなく非難しているのも素晴しい!
数学者や数学パズルの面白いネタが網羅されているだけでなく、
歴史小説としても楽しめるのではないか?
難しい数式はほとんど出て来ないので文系でも十分楽しめます。
豊穣な数学の海に漕ぎ出すのに最良の入門書であろう。
個人的にはデデキントとフリードマンも出して欲しかったが、
二人はマイナー過ぎるかw
数学パズル作家のサム・ロイドとM・ガードナー も出てくるよん。
M・ガードナー の数学ギャグも爆裂している、
とっても楽しい数学エンタメ本の傑作である。
『I’m sorry,mama.』 桐野夏生 集英社文庫
- I’m sorry、mama. (集英社文庫 き 16-2)/桐野 夏生
- ¥460
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ルール無視のアウトローを主人公にした
悪漢小説と言いながら、
実はつまんない小物の悪党が主人公の話が多いが、
さすが桐野夏生 である。
キム・ジョンイルネタや美智子皇后ネタはヤバすぎるだろw
さすがに美智子皇后は殺せないが、
太宰治の隠し子は殺してしまいますぜww
で「人間失格」を古本屋に売りにいったら、
25万円もして、女主人公が、
「なんでこんなのが25万円もするんだ?」
と疑問に思うのが痛快である。
母性愛も否定してるのも痛快!
泥棒、誘拐、放火、殺人とやりたい放題の
女主人公に萌えろ!
もちろん体も武器にするが、
40代の不細工な女主人公なので、
美女のセクースシーンにハァハァしたい普通の男は読んではダメポ。
美女どころか、10代から30代の女一人も出てきません。
60代以上の婆様が大量に出てくるババコン向けの小説である。
若い綺麗な女が出てくる小説なんて読み飽きているよな。
パターン外しの桐野夏生 は本当に面白い。
『神は妄想である―宗教との決別』 リチャード・ドーキンス 早川書房
- 神は妄想である―宗教との決別/リチャード・ドーキンス
- ¥2,625
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私はドーキンス派ではなくて、スティーヴン・ジェイ・グールド 派なので、
読むのに抵抗あったが、
こんな魅力的なタイトルをロストしきれずに、
古本で1800円であったので買ってしまいました。
生物進化学だけでなく、
心理進化学、社会進化学も駆使して、
神と宗教の害悪を糾弾した無神論者必読の書だが、
ドーキンスの語り口に品がないのは辟易する。
科学教の同志の筈のスティーヴン・ジェイ・グールド を批判する文が、
三回も出てくるのは白ける。
自分が宗教戦争に巻き込まれて死にたくないので、
むきになって宗教批判しているのだろうが、
ドーキンスはなんか大人げないと思ってしまう。
この本を読んで宗教を捨てる人をドーキンスは期待しているのだろうが、
効果は薄いと思う。
無神論者の知的武装の教養書としても、
クルト・ゲーデル の神の非存在証明には触れてないので片手落ち。
科学教の中でも、漸進的進化論者(つまり自分)が
もっとも知的レベルが高いと主張しているのは逆効果だよね。
物理学者は進化論を勉強して知的レベルを高めて、
物理の進化論を発見しないといけないそうですw
参考になる箇所はあるが、
ドーキンスの本から知ったとは言いたくないですな。
別の記事でドーキンスの名を出さずに具体的に語るかもしれませんw
[検索ワード]
グリムス を貼付けたから、書評ネタが無くても記事を書くど!
というわけで、けいちゃっぷ さんの真似をして久方の検索ワードネタです。
01三国志 吉川英治 1.2%
張郃(ちょうこう)は、建安5年 10月、関羽に討たれて戦死した!
02三国志 吉川英治 講談社 0.9%
張郃は、建安13年 、趙雲に討たれて戦死した!
03三国志 吉川 0.7%
張郃は、…もうええっちゅうねん!
04西遊妖猿伝 0.6%
毛沢東マンセーの伝奇漫画w
05爆笑三国志 0.6%
シブサワ・コウの唯一の功績(オイオイ)
06吉川英治 三国志 0.5%
「おお張郃よ、死んでしまうとは何事か…」
張郃は生き返った!
07柴田あや子 青春 0.5%
柴田あや子の記事は無いのだが、青春でhitするの?
08白い影法師 0.5%
マジ怖いので読んではダメポ。
09カエアンの聖衣 0.4%
「おおベイリーよ、死んでしまうとは何事か…」
10風の戦士ダン 0.4%
主人公が日本を裏切りテロリストになる素晴しい漫画。
11ハローサマー、グッドバイ 0.4%
続編刊行させるためにみんな買うのじゃ!
12興亡三国志 0.4%
孔明が楊修を高評価する唯一の三国志
13やじきた学園道中記 0.4%
キタさんの男装に萌え
14副島降彦 ブログ 0.4%
英語ゴロだった筈だが、最近は経済ゴロ?
15ブルーソネット 0.3%
009より泣ける!
16トライカー 0.3%
メカンダーロボかよ!
17三国志Ⅸ 0.3%
三国志ゲームの最高傑作!
18銀曜日のおとぎばなし 0.3%
妖精が階級闘争に目覚める話
19女禍 0.3%
仲達が美少年という珍しい三国志
20三国志新聞 0.3%
麻薬王孔明の恐怖!
21武田郁子 0.3%
先生、全国大会出場おめでとうございます。
22天は赤い河のほとり 0.3%
続編の小説は読まなくていいよな。
23三国志Ⅹ 0.3%
山賊プレイが出来るのが面白い。
24吉川三国志 0.2%
張郃はまた死んだ!
25ゴルディアスの結び目 0.2%
日本一のSF短編集
26重戦機エルガイム 0.2%
クルクルパーネタはもうヤバイ?
27杉本良夫 0.2%
みんな日本を捨てて海外に脱出だ!
28冷たい方程式 0.2%
美少女でも物理法則は曲げることは出来ないという至高のSF
29園田光慶 三国志 0.2%
大仏孔明に脱力
やっぱ三国志ネタが強いですな。
宮城谷三国志もそろそろ読まないとアカンな。
その前に三国志以外をコンプだな。
[1年で何ページ読める?] 10月篇
読メの月単位のサマリーが、
11月にならないと10月分が計算できねえ!
今日もう読みきれないので、
手計算で10月分だすべ。
1~9月計 135作162冊60422P
10月計 22作22冊 7670P
10月までの累計 157作184冊68092P
10月までの月平均 16作18冊6809P
10月の内訳
ヒラリー・ウォー 『失踪当時の服装は』 344P
ディーン・R・クーンツ 『逃切』 396P
高階秀爾 『芸術のパトロンたち』 232P
ディーン・R・クーンツ 『デモン・シード完全版』 317P
半藤一利 『あの戦争になぜ負けたのか』 267P
マーク・ピーターセン 『英語の壁』 236P
夢プロジェクト 『名画謎解きミステリー』 224P
デズモンド・バグリィ 『ゴールデン・キール』 378P
荒山徹 『サラン 故郷忘じたく候』 287P
ダグラス・R・ホフスタッター 『ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環』 765P
ディーン・R・クーンツ 『殺人プログラミング』 501P
山田正紀 『ロシアン・ルーレット』 317P
アンナ・リワノワ 『リーマンとアインシュタインの世界』 239P
ディーン・R・クーンツ 『ストーカー』 254P
ノンフィクションが増えているのは、
年末のベスト10に備えてのことです。
面白い本=小説と思い込んでる小説原理主義者は反省するヨロシ。
ノンフィクション好きで数学好きが必読とされる
ダグラス・R・ホフスタッター の『ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環』
をやっと読めたのが今月の大収穫。
四六版よりでかいハードカバーで二段組で、
講談社文庫なら軽く3000Pクラスの大作だが、
意外とリーダブルです。
ちなみに今までの人生で、
私が一番難しいと思った本は、
『終末曲面』 山田正紀 講談社文庫
|
終末曲面 (1979年) (講談社文庫)
山田 正紀 講談社 1979-10 売り上げランキング : 1009270 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
・「贖罪の惑星(ほし)」
・「薫煙肉(ハム)のなかの鉄」
・「闇よ、つどえ」
・「銀の弾丸」
・「熱風」
・「非情の河」
・「終末曲面」
の7編が収録された正紀様の第一短編集。
バイオレンス溢れる破滅テーマの作品が多い。
全てが長編化可能のネタだが、
惜しげもなく刈り込んでます。
「銀の弾丸」はクトゥルフものだが、
クトゥルフの概念を外して、
長編の『神々の埋葬』 に発展させたような気もする。
主人公の姓が同じである。
文学マニアには詩人のアルチュール・ランボーが、
タイムトラベルして現代に現れる「非情の河」が、
一番ショッキングであろう。
無神論者だった筈のランボーが
死ぬ時に神に縋った謎を解いてます。
人肉食いネタもあるが、
正紀様の真面目な理想がうかがわれる作品集である。
『ストーカー』 ディーン・R・クーンツ 創元推理文庫
|
ストーカー (創元推理文庫)
Dean R. Koontz 沢 万里子 東京創元社 1999-02 売り上げランキング : 697479 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
女に振られてストーカーになった普通のサイコさんが、
女の弟と夫を5000km追走する話。
夫を殺せば女は自分の元に帰ってくるという
キチ○イの論理が哀れw
夫が30年間の人生で一度も喧嘩したことのない平和主義者なのは異色だが、
愛する妻を守る為に戦ってしまうという普通のパターンになるのは残念。
戦いに慣れてないので、土壇場でミスをする!
夫は狂ったストーカーを退治出来るのだろうか?
で実は『闇の囁き』 の前日譚。
11歳のコリン少年が出てきます。
これで、クーンツはコンプ出来ました。
翻訳42作品の内読むべき作品は21作というところですな。
は、見つけたら読んで下さい。


