『闇の囁き』 ディーン・R・クーンツ 光文社文庫 | 表層人間の半可通読書とゲームリプレイブログ(略称半読書リプレイw)

『闇の囁き』 ディーン・R・クーンツ 光文社文庫

柴田 都志子, ディーン・R・クーンツ
闇の囁き (光文社文庫)

内気で本の虫のメガネ痩せチビのコリンは、


優等生でスポーツマンで芸術にも造詣の深い金髪碧眼の美少年のロイから、


「友達になって下さい」


と頼まれる。


全校のアイドル美少年が僕なんかを友達にしたがるなんて!


コリンは疑念を抱く。


「君は友達いっぱいいるのに、何故僕を?」


「女とスポーツと車にしか興味がないあいつらは友達なんかじゃない、ただの知り合いだ」


自分の知性を認めてくれたと有頂天になるコリンだが、


ある日ロイはトンデモないことを言い出す。


「猫を殺したことがあるか?」


「二人の友情の証として女を輪姦して殺してみないか?」


冗談だと思いたかったコリンだが、


ロイが列車を転覆させて大量殺人も計画していることに気付く。


なんとか阻止するコリンだが、


ロイは怒り狂いコリンを殺す計画を立てる。


親や学校に訴えても、優等生のロイが殺人狂だとは誰も信じない。


ロイの罠はコリンを麻薬中毒の不良として世間に認識させる。


警察に訴えても自分が不良として逮捕されるだけ。


何もかもが自分より優れたロイの魔の手から、


はたしてコリンは逃げ切ることが出来るのだろうか?


という話です。


スーパーナチュラルが出てこないので、


厳密に言うとホラーではなくてスリラー。


心が強く成長して、ロイに逆に罠を仕掛けるコリンのラストのアクションが感動出来るかも知れない。


特筆すべきはクーンツにしては珍しくカットバックは一切使わず、


最初から最後までコリン視点で突っ走ります。


クーンツだからリーダビリティはいいが、


クーンツ以外にもこんな話は書けるような気もする。


コリンの愛読書はSFでハインラインやクラークの本が出てくるが、


訳題が日本版名でなくて、原著の直訳なのは白けた。


この時点で「異星の客」も「人形つかい」も訳されていた筈だが、


「奇妙な国の奇妙な人」「パピットマスター」などと表記されていたのは脱力。


カタカナ表記するなら「パペットマスター」だろw


パペットマペットが泣くぞww