今は昔、まだ真冬だった2月3日(土)に、鎌倉街道中道歩きの初回として、鶴岡八幡宮から戸塚近郊の下永谷までの区間を歩いた徒歩旅の記録その6です。
今回歩いたルート地図は↓。
歩行距離は寄り道含めて15kmくらい。
その5では円覚寺を見物した後、鎌倉街道中道に戻り、付近の地形を作った小袋谷川の後ろ姿を見送ったところまでをご紹介しました(↓再掲)
少しずつ大船方面行きのクルマが増えてきました。
これまたブロ友さんも紹介されていたものですが、電柱に貼られている地名が「台」!
とってもストレートな印象の地名ですが、特に台地っぽい地形でもないのに由来が気になります(ちょっとググったくらいでは由来が発見できませんでした)。
ホンダ系の廃店舗(と思います)。二階が錆っび錆びなのと、よく見かけるパターンでHONDAの「H」が落ちてしまって「オンダ」になってしまっているのも趣深い( ̄ー ̄)!
これまたブロ友さんも紹介されていたシブい二階建木造の出桁造り商家。
破風も太いし、かなり立派な商家です。クルマが多いんで、これを撮るために反対側に渡ってクルマが切れるのを待つのもなかなかの一仕事。
その先の信号交差点を越えて進んで行きます。正面に地味~な橋が見えていますが、鎌倉街道的にはあの辺りは史跡ポイント。
その橋の名は水堰(せいしく)橋。鎌倉の出入口に当たる橋です。橋の名前は「水の堰」だからそういうのかな?と思うとさにあらず!
なんでもその昔、源頼朝の軍勢がここで隊列を整えたことから「勢ぞろい橋」と呼ばれたのが、訛って「せいしく橋」、と伝わっているそうですが、私の個人的な感想を言うとですね、、「訛り過ぎやろ(゚Д゚)!」
橋の名前の由来の不思議さはともかく歴史のある橋なので、享保12年(1727)の「せゐ志くはし」碑が残っています。
ここで鎌倉街道中道は今までの進行方向から右折して進みます。
そのすぐ先にも道標があり、えーと、右とつか 左藤さわ 道」かな、これ?
觀音さまの道標、ちょっとありがたい感じでした。
その先で横須賀線の踏切を渡ります。
ちょうど快速電車が通りかかったので例によって反射的に激写します。
ちょっとだけ切れちゃった(^^;)。
踏切を越えたところでそのまま街道から数メートル右に外れると見事な茅葺の山門のお寺が!
こちらは鎌倉で唯一の浄土真宗のお寺、成福寺。境内には、「男はつらいよ」で"御前様"を演じた笠智衆が眠っているそうです。
せっかくなのでちゃんとお参りします。
境内奥を見ると、房総半島の街道沿いでよく見かけた、岩をくり抜いて倉庫・物置的に使っているのが見えました。鎌倉街道下道でも時折見かけたものです。
他の地方にも例はあるのかも知れませんが、私自身の街道歩きの経歴上は房総半島と、鎌倉付近でしかこれが多数あるのを見たことがないので、ブロ友さんが「房総スタイル」と名付けた住宅の様式と共に、海路ならば至近距離と言ってもよい房総との何がしかの文化的なリンクを感じます。
街道に戻ってさーっと歩くと、何やらひどく懐かしいものが目に入った気がして5歩ほど戻ってじっくり見てみると、、
おお、あべ静江さんのコンサートのポスターでしたか。ググってみると今は70歳を超えているようですが、まだ現役で頑張っておられるんですね。失礼ながらイメージよりも自分との年齢差が少なかったです('◇')ゞ。
ただの住宅街の道と言ってしまえばそれまでですが、まあ道幅や曲がり具合はなかなか鎌倉街道らしい気がします。
この道幅に歩行者、自転車、そしてクルマが通るので時たま、凹んだところでやり過ごしたりしながら進みます。
その先で鎌倉街道中道は「松竹離山通り」を横切りますがその交差点の右奥にこんな道標が。
五街道のように比較的近世の街道なら例えば宿場の本陣や旅籠、それに道中の一里塚など、遺構がそれなりにありますが、鎌倉街道はそうした遺構も少なく、また道も分断されていることも多いので、こうしたモニュメント的なものは、歩いている身としては有難い限りです。
その道標の背後にはちゃんとしたお堂に安置された「離山富士見地蔵尊」が大事に祀られていました。
「離山富士見」とあるので、元々ちょっとした丘の地形で富士山が見えたのでしょう。
丁重にお参りして先に進みます。
その先では明らかに街道の右側だけが高い地形になっています。鎌倉街道は「尾根道」を選んで通っているイメージですが、河岸段丘のどてっ腹かな?
などと考えてGoogleマップを見てみると(当日はスマホで)、、○がおおむね私のいるところ、その左下の地図マークがさっきの離山富士見地蔵尊です。
で、やはりというか歩いている通りの左側に平行するように川が流れていますね。この川は、大船駅の近くで前回まで見かけていた小袋谷川に合流し、その先で柏尾川に流れ込みますが、やはり、河岸段丘だったようです。
時折のんびり走る自転車や歩行者と行き交います。
おお、民家の庭先に井戸のポンプがありますねえ。
街道遺構という訳ではないですが、今も現役のようで何かいいですね。
街道の左右でこれだけ高低差があるので、切土、盛土をけっこうしたんでしょう。
街道左側にくねった下り坂があります。この写真で見るよりももう少し急坂だった印象です。
大船駅にほど近い交差点。横切るのは「芸術館通り」。大船市の美術館的なものが通り沿いにあるのかな?
暫く進んだ後、街道右側に少しコースアウトすると「山蒼稲荷神社」があるので、立ち寄ってざっとお参りして先に進みます。
その7につづきます!