『アマルフィ』 真保裕一 | らんまるの街道歩き・暗渠散歩ブログ

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アマルフィ 外交官シリーズ (講談社文庫)/講談社
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数年前に映画化され、その後もテレビドラマ続編の映画
人気を博した"外交官 黒田康作"のシリーズ第一作です。

この作品、元々映画の『アマルフィ』の原作、或いは
ノヴェライズした作品なので、大まかな枠組みは映画と
同じで、海外の邦人保護担当のちょっと特殊な外交官
黒田康作(織田祐二が演じるもう一人の主人公である
"青島俊作"と対比した名前だと思いますが)が、ローマで
誘拐された女の子の母親を助けて事件を追う内に、
もっと大きな計画的犯罪にたどり着くというストーリーです。

誘拐された女の子の母親を演じたのは天海祐希ですが
スクリーン上ではひたすらこの人が美しかったですね。
(その時も今もファンではないのですが)

映画も小説も有名なので細かいプロットなどは書きませんが、
作中では愛する妖精の死を悼んだギリシャの英雄ヘラクレスが、
世界で一番きれいな地にその亡骸を埋めて作った町が
アマルフィとされており、犯人グループのリーダーである
"ビショップ"が命をかけて遂行するに相応しい作戦を
その伝説にかけて「アマルフィ」と名付けたという事になっています。

こういう感想を持つ様に作者も書いていると思いますが、
人質を絶対に傷つけず、強い信念と十分な動機を持っている
犯人グループにも非常に感情移入をしてしまい、誘拐事件が
解決してよかったという感想以上に強い余韻を残して
読了しました。

既に同シリーズの作品があと2作出ていると思いますが、
文庫化を待ってまたじっくりと読みたいと思います。

2013年2月19日(火)アップ