いつまでたっても未熟者 <下北サンデーズを語る 九 完結篇> | 炸熱~歌キチ、愛をうたう~

いつまでたっても未熟者 <下北サンデーズを語る 九 完結篇>

長かった

ああ長かった

長かった。


あの無念の見逃し事件 からはや2ヶ月と1週間が経ちました。


ようやく

ようやく

ようやく


観ることが出来ました。


『下北サンデーズ』最終回!


この瞬間をどんなに待ちわびたことか。


これで初の連ドラ全話レビュー、成し遂げることが出来ました。



名もなき貧乏劇団がついに下北の聖地、本多劇場に進出!


演目は自分たちのルーツを辿る内容

ありのままの自分たちで勝負!

題して「下北ソングス」


ご存知の方も多いでしょうが、視聴率低迷のため

本来全10話予定を1話切り捨てての打ち切りと相成ったのでした。


連ドラでは珍しく全9話と超短いのです。


でも、私が思うにやはり視聴率とドラマの面白さは比例しないな、と。

大体放送時間をゴールデンに持ってきたのがそもそもの間違いかもしれない

「トリック」と同じように、深夜枠に組み込んだ方が、全10話の完全版が観られたかもしれない。


そんな万人受けしないマニアックな内容だった。


そんなドラマを最後まで見続けることが出来たのは

私自身にサンデーズの面々と重なる部分が多々あり

非常に共感して観れたことも大きいだろう。


今回は運命と宿命がテーマだと感じた。


宿命は自分では決められないもの


運命は自分で切り開くもの


主人公のゆいか(上戸 彩)は実力を認められ

連続ドラマ「今、君の心で愛を蒔く」のヒロインに大抜擢される。

これが彼女にとっての宿命。

彼女の未来を考え、座長あくたがわ(佐々木蔵之介)はゆいかにサンデーズ退団を命じる。


ゆいかの代役は制作のあっこ(山口紗弥加)が演じることになる。

なんと役者としては8年ぶりの舞台。


舞台というのは一年も舞台に立たないと

舞台感というものが鈍ると言われている。


8年という空白を経て立つ舞台は

私が思うにほとんどゼロからのスタートに等しい。


かなり勇気のいる行動だと思う。


案の定あっこはゲネプロで緊張とプレッシャーのあまりぶっ倒れてしまう。


※ゲネプロ 本番と全く同じように頭から終わりまでを通す稽古のこと


一方ドラマの撮影に臨むゆいかは監督(光石 研)のやり方に疑問を抱く。


ここでこの作品は、技とらしい迄に

舞台と映像の演技の違いを提示してみせる。


監督は「もう一回やらせて下さい!」というゆいかに対してこう言い放つ。


「それらしく演技してればいいんだよ。書いている台詞何となく雰囲気で読めばそう見えるから。

後は編集でどうとでもなるから」


そう舞台と映像の決定的な違いは


演技の質


舞台はひとつのシーンを何度も稽古してじっくり作りこんでゆくが、

映像作品の場合、その場その場に即した瞬間の演技が要求される。

たとえ演技が大根であっても、編集で誤魔化せる。


監督はこうも言う

「お前がどういう芝居するかなんてどうでもいんだよ。黙って俺のフレームに収まってればいいんだよ」


映像は記録として残るが、舞台はその場限りのもの。その瞬間はいくら映像に残せても

その場を支配していた空気までは記録できない。


ゆいかはそんな理不尽な撮影から、自分にとって何が大切かを知ることとなる。

名声より大切なものを。


魚は水を変えると死んでしまう。

ゆいかは自らの意志で帰るべき海に戻る。


リビング・デッド(生ける屍)にならないために・・・・・・。


下北サンデーズという自分の居るべき場所へ


見えない未来なんてどうでもいい!

私は里中ゆいかとして生きて行きたい!

自分の気持ちに素直でいたい!

これだけは譲れません!


私も里中ゆいかのようにいつまでたっても未熟者でありたいと願う。


なぜなら、この先いくらでも伸びてゆく可能性があるから。


未熟者である限り、未来への可能性は無限なのだから!


追記:極上のドラマであった『下北サンデーズ』

   あえて難点(以前記事で書いたことと重複するかもしれないが)を挙げさせて頂くと

   まず、劇中劇の部分が弱い。

   ここを「ガラスの仮面の」のお芝居のように内容のある濃いものに出来ればもっと

   いい作品になったであろう。

   それから、ジョー、双葉、メガネくんの三人のそれぞれのエピソードも欲しかった。

   彼ら三人の描き方が弱く、不十分なため感動を薄めてしまっているように思った。

   これらが克服されれば、もう一段上のドラマ史に名を残す名作になったことだろう。

   残念ながら、秀作の域を抜け出ていないように思う。


でも、大好きでした。


サンデーズの面々と過ごした数ヶ月は幸せでした。

ありがとう、サンデーズ!


待望のDVD-BOXは12月22日発売決定!


ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
下北サンデーズ DVD-BOX

特典がかなり楽しみですね。



一話から観るにはこちらから


>>下北サンデーズを語る 壱 へ GO!


石田 衣良
下北サンデーズ

演出 堤 幸彦(1,2,5,6,9)

    丸毛典子(3,4)

    木村ひさし(7,8)



ここで、第9話を見損なった私にDVDを送ってくださった

ひろさんに、改めて御礼を言わせてください。


「ひろさん、お忙しい中DVD焼いてくださってありがとうございます。

おかげさまで、『下北サンデーズ』全話を観ることが出来ました

こうして全話の感想も記事にすることが出来ました。

本当に感謝しています。

ありがとうございました」


m(_ _ )m


私と同じく、映画、音楽、ドラマ大好きのひろさんのブログ

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☆下北ギャラリー☆


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