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鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
第123号(10月14日)
*国土強靭化は国防なり
政府が推進している国土強靭化計画は、災害に強い国土建設を目指すものであり、それ自体はまことに結構な政策である。だが気になるのは議論がとかく経済に偏る点である。国土強靭化は本来、経済政策ではなく国防政策の範疇で語られるべきものなのである。
私は拙著「国防の常識」で「国家は主権、領土、国民の三つの要素からなる。従って国家を防衛することは必然的に主権を防衛し領土を防衛し国民を防衛することになる。」と述べた。してみれば国民を災害から守ることは、国防の範疇なのである。
しかしだからといって、国土強靭化を防衛省が中心となって推進すべきだと言うのではない。同著において「国防を総合的な防衛の方策と捉え、国民防衛、経済防衛、情報防衛、文化防衛、軍事防衛という五つの視点で考察し」ているが、現在の防衛省は軍事防衛という国防の一部を担当しているに過ぎない。ちなみに国防=軍事と考えるのは第1次世界大戦以後においては不可能である。
同書の結論において私は、各省庁に国防機能を持たせ、国防の指揮を総理が取るよう主張したが、国土強靭化計画は総理官邸が主導しているのだから、国防という観点をもっと強調していい筈である。
ところが議論はとかく経済論争の様相を呈する。「公共投資を増やせば雇用が生まれ景気が良くなる」というような論理構成は、確かにその通りだろうが国防から見れば末梢な論点でしかない。
私は7月に出版した「領土の常識」において、軍事が確立し統治が安定してその後、経済が発展する旨を述べたが、その理屈で言えば国防が確立し国民が安心して働けるようになれば経済は必然的に発展する。重要なのは国民が安心できる環境を整備することであって、景気をよくするために国土強靭化を行うという議論は本末転倒であろう。
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国防の常識
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領土の常識
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軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。
主著:「領土の常識」(角川学芸出版)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321212000089
「国防の常識」(角川学芸出版)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201203000167
「戦争の常識」(文春新書)
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166604265
「エシュロンと情報戦争」(文春新書、絶版)
「総図解よくわかる第二次世界大戦」(共著、新人物往来社)など
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