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おはようございます、エンリケです。
159回目の美佐日記。
きょうも面白いです。
ではどうぞ
エンリケ
桜林さんの不朽の傑作『誰も語らなかった防衛産業』の文庫版が、潮書房光人新社から『誰も語らなかったニッポンの防衛産業』という名で出ました!
まだの方はぜひご一読を。
https://amzn.to/3avtwJe
すでに読んだ方も、文庫でもう一冊!
https://amzn.to/3avtwJe
※メチャメチャ売れてます!
ではさっそく、本日の「美佐日記」をお楽しみください。
エンリケ
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『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行われているこの時期にタイミングを合わせたような出版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛官のリアルな体験記です。
https://amzn.to/38gvhr1
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ご意見・ご感想はコチラから
↓
https://okigunnji.com/url/7
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桜林美佐の「美佐日記」(159)
危ない農薬の話──ネオニコ系農薬不使用へ
桜林美佐(防衛問題研究家)
───────────────────────
おはようございます。桜林です。「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年2月の今回は159回目となります。
ちょっと前になりますが、荒木肇先生の1月19日のメルマガで宮沢賢治の「わたしは人が食事をしているのを見ると憎めなくなる」という言葉が紹介されていたのですが、ものすごく納得できます。
「生物としての宿命を負う私たちは食事をする時には無防備で、他人に飾り立てた自分を見せなくなる」というのは、本当に同感です。
食事を共にすることで人と人との距離感はぐっと縮まるものですよね。ローマ時代に食事をしながら話し合ったのが「シンポジウム」の由来だというのも興味深いです。
全世界のカトリック教会では「最後の晩餐」が毎日再現されていることからも、キリスト教世界では「食べる」という行為が非常に大事であり、そして誰かと「共に分かち合う食事」が大切にされていることが分かります。
コロナの影響で会食がなくなったことで、久しぶりに再開できた時は、それまで当たり前のように一緒に飲んだり食べたりしていた人がとっても大切な人であることに気付いたり、その時間も決してなんとなく過ごしたりしない珠玉の時になるかもしれませんね。
さて、そんな中、先日はその食事の中身、食べ物についての講演会で司会をすることがありました。講師は安田節子先生、食の安全の専門家です。
今回の講演はゲノム食材のリスクについてが主題だったのですが、休憩の時間などにその他のことについてもあれこれお聞きしました。
この日記で以前にも危ない農薬の話を書きましたが、先生とのやりとりで、最近ますますその危険性が明らかになってきたことを知りました。
食の安全に関する話題は、地上波テレビなどではスポンサーの関係もあり、ほとんどできないものでしたが、昨年11月にはTBSの「報道特集」で「ネオニコ系農業 人への影響は」というタイトルで放送されたようです。YouTubeでも観ることができます。
ネオニコとは「ネオニコチノイド」という殺虫剤のことで、強い効き目のため、散布回数が少なくてすみ、農家では欠かせないものとなっているといいます。
しかし、日本でこの農薬が使い始められた1993年からウナギやワカサギの激減、ハチの大量失踪など、明らかな自然界での変化が起きていました。
とはいえ、人への影響はないということで、ネオニコの普及は続きました。しかし最近、マウスでの実験で脳神経への影響が分かってきたといいます。
人への毒性は実験をすることができませんので、ある意味、私たちは90年代以降、人体実験の渦中の人と言えるのかもしれません。
ネオニコによる脳の発達への影響が濃厚だとされ、子供の発達障害や自閉症が増加しているのは農薬使用量が世界に比べ突出している韓国と日本なのだそうです。
驚かされるのは、この先の話で、この日本からの研究論文を受けてEUでは多くの農薬を使用禁止にし、規制を格段に厳しくしたのです。
EUは2030年までに農薬使用量を半減し、有機農業を25%に拡大するとした「農場から食卓戦略」を決めています。
これに追随して日本も同様の目標を掲げたのですが、EUが2030年までの半減を目途にしているのに比べ、日本では2050年としています。
農家の反対が大きいのでしょう。日本の場合は農家の高齢化や湿度が高い気候条件などから農薬なしで行うのは非現実的だと言います。農薬を使わない決断は死活問題になります。
安田先生は、有機農業に舵を切ってもらうためには、とにかく消費を増やすことだといいます。
諸外国が有機農業の面積を拡大させた背景には「有機給食」があるそうです。子供たちの給食をオーガニックにするのです。
日本でも有機給食を政府の公共福祉策として位置付けることが求められるといいます。学校給食だけではなく、病院、職員食堂、子ども食堂、フードバンクにも有機食材が行きわたるようにすることを先生たちは目指しているそうです。
ぜひ、自衛隊でもお願いしたいものです。因みに自衛隊ではごく最近、糧食費を20円ばかり値上げしたといいますが、これは栄養士さんの働きかけで、あまりにも古典的な栄養基準のままだったものを見直したことによるものでした。
それまで、1971年に作られ2002年に改変された1つの栄養摂取基準しか定められていなかったのです。
この改定にも相当な労力を必要としたと思うと、食の安全にまで行きつくのは夢のまた夢のような気はしますが、国民の安全を守る自衛官の食べる物が安全ではない、というのはやはりおかしな話ですので、真剣に今後の検討項目にしてもいいのではないかと私は思います。
とにかく、有機給食を普及させることで、安定的購入先が増えることになり、有機農業の経営が安定します。そうなれば、新規参入が増えるという見立てです。
少しずつ、有機給食を導入する自治体も増えているということですので、広がりを期待したいところです。
JAは反対するのではないか、と心配になりますが、実際、画期的な動きを始めているJAもあります。
佐渡のJAでは「JA佐渡米」の要件としてネオニコ系農薬不使用を決めました。トキの繁殖のために餌を増やそうとしたのがそもそもの始まりだったようです。農薬で餌になる虫などが死んでしまうからです。
最初は猛反発した農家の人たちも、翌年、トキが田んぼに飛んで来たのを見て感動し、取り組みが加速されたといいます。
安田先生が一貫して主張しているのは国産の活性化です。
しかし、外国のほうが有機農業が盛んなために、安全な物を選ぼうとすると輸入品を手にすることになってしまいます。日本の有機モノはまだまだ高額ということもあります。
最近は中国も富裕層が安全な食材を求め、中国産の有機食品が日本のスーパーでも多く見られます。
国産農作物が安心できなくて、輸入モノを買うなんてあまりにもおかしなことです。日本国民が安全な国産のものを自給できるようにしてもらいたいと願うばかりです。そしてこれは防衛装備でも全く同じではないでしょうか。
「食事をする時は無防備」という言葉を冒頭に紹介しましたが、食べる物に対しても無防備すぎると、じわじわとどこかの細胞が破壊されていくのかもしれません。実に考えさせられます。
今日も最後までお付き合い頂きありがとうございました!
皆様にとって素晴らしい1週間となりますように!
●月刊誌『丸』にて「誰も知らないニッポンの防衛産業」連載中です。
https://amzn.to/2XnvrIy
●YouTubeチャンネルくららで毎週末にアップしている「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊幸・元海将に解説をして頂きます。
http://okigunnji.com/url/42/
(さくらばやし・みさ)
桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、このURLからお知らせください。
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だけでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(PHP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミス」に『自衛隊密着ルポ』を…
[続きはコチラから]
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おはようございます、エンリケです。
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桜林美佐の「美佐日記」(159)
危ない農薬の話──ネオニコ系農薬不使用へ
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年2月の今回は159回目となります。
ちょっと前になりますが、荒木肇先生の1月19日のメルマガで宮沢賢治の「わたしは人が食事をしているのを見ると憎めなくなる」という言葉が紹介されていたのですが、ものすごく納得できます。
「生物としての宿命を負う私たちは食事をする時には無防備で、他人に飾り立てた自分を見せなくなる」というのは、本当に同感です。
食事を共にすることで人と人との距離感はぐっと縮まるものですよね。ローマ時代に食事をしながら話し合ったのが「シンポジウム」の由来だというのも興味深いです。
全世界のカトリック教会では「最後の晩餐」が毎日再現されていることからも、キリスト教世界では「食べる」という行為が非常に大事であり、そして誰かと「共に分かち合う食事」が大切にされていることが分かります。
コロナの影響で会食がなくなったことで、久しぶりに再開できた時は、それまで当たり前のように一緒に飲んだり食べたりしていた人がとっても大切な人であることに気付いたり、その時間も決してなんとなく過ごしたりしない珠玉の時になるかもしれませんね。
さて、そんな中、先日はその食事の中身、食べ物についての講演会で司会をすることがありました。講師は安田節子先生、食の安全の専門家です。
今回の講演はゲノム食材のリスクについてが主題だったのですが、休憩の時間などにその他のことについてもあれこれお聞きしました。
この日記で以前にも危ない農薬の話を書きましたが、先生とのやりとりで、最近ますますその危険性が明らかになってきたことを知りました。
食の安全に関する話題は、地上波テレビなどではスポンサーの関係もあり、ほとんどできないものでしたが、昨年11月にはTBSの「報道特集」で「ネオニコ系農業 人への影響は」というタイトルで放送されたようです。YouTubeでも観ることができます。
ネオニコとは「ネオニコチノイド」という殺虫剤のことで、強い効き目のため、散布回数が少なくてすみ、農家では欠かせないものとなっているといいます。
しかし、日本でこの農薬が使い始められた1993年からウナギやワカサギの激減、ハチの大量失踪など、明らかな自然界での変化が起きていました。
とはいえ、人への影響はないということで、ネオニコの普及は続きました。しかし最近、マウスでの実験で脳神経への影響が分かってきたといいます。
人への毒性は実験をすることができませんので、ある意味、私たちは90年代以降、人体実験の渦中の人と言えるのかもしれません。
ネオニコによる脳の発達への影響が濃厚だとされ、子供の発達障害や自閉症が増加しているのは農薬使用量が世界に比べ突出している韓国と日本なのだそうです。
驚かされるのは、この先の話で、この日本からの研究論文を受けてEUでは多くの農薬を使用禁止にし、規制を格段に厳しくしたのです。
EUは2030年までに農薬使用量を半減し、有機農業を25%に拡大するとした「農場から食卓戦略」を決めています。
これに追随して日本も同様の目標を掲げたのですが、EUが2030年までの半減を目途にしているのに比べ、日本では2050年としています。
農家の反対が大きいのでしょう。日本の場合は農家の高齢化や湿度が高い気候条件などから農薬なしで行うのは非現実的だと言います。農薬を使わない決断は死活問題になります。
安田先生は、有機農業に舵を切ってもらうためには、とにかく消費を増やすことだといいます。
諸外国が有機農業の面積を拡大させた背景には「有機給食」があるそうです。子供たちの給食をオーガニックにするのです。
日本でも有機給食を政府の公共福祉策として位置付けることが求められるといいます。学校給食だけではなく、病院、職員食堂、子ども食堂、フードバンクにも有機食材が行きわたるようにすることを先生たちは目指しているそうです。
ぜひ、自衛隊でもお願いしたいものです。因みに自衛隊ではごく最近、糧食費を20円ばかり値上げしたといいますが、これは栄養士さんの働きかけで、あまりにも古典的な栄養基準のままだったものを見直したことによるものでした。
それまで、1971年に作られ2002年に改変された1つの栄養摂取基準しか定められていなかったのです。
この改定にも相当な労力を必要としたと思うと、食の安全にまで行きつくのは夢のまた夢のような気はしますが、国民の安全を守る自衛官の食べる物が安全ではない、というのはやはりおかしな話ですので、真剣に今後の検討項目にしてもいいのではないかと私は思います。
とにかく、有機給食を普及させることで、安定的購入先が増えることになり、有機農業の経営が安定します。そうなれば、新規参入が増えるという見立てです。
少しずつ、有機給食を導入する自治体も増えているということですので、広がりを期待したいところです。
JAは反対するのではないか、と心配になりますが、実際、画期的な動きを始めているJAもあります。
佐渡のJAでは「JA佐渡米」の要件としてネオニコ系農薬不使用を決めました。トキの繁殖のために餌を増やそうとしたのがそもそもの始まりだったようです。農薬で餌になる虫などが死んでしまうからです。
最初は猛反発した農家の人たちも、翌年、トキが田んぼに飛んで来たのを見て感動し、取り組みが加速されたといいます。
安田先生が一貫して主張しているのは国産の活性化です。
しかし、外国のほうが有機農業が盛んなために、安全な物を選ぼうとすると輸入品を手にすることになってしまいます。日本の有機モノはまだまだ高額ということもあります。
最近は中国も富裕層が安全な食材を求め、中国産の有機食品が日本のスーパーでも多く見られます。
国産農作物が安心できなくて、輸入モノを買うなんてあまりにもおかしなことです。日本国民が安全な国産のものを自給できるようにしてもらいたいと願うばかりです。そしてこれは防衛装備でも全く同じではないでしょうか。
「食事をする時は無防備」という言葉を冒頭に紹介しましたが、食べる物に対しても無防備すぎると、じわじわとどこかの細胞が破壊されていくのかもしれません。実に考えさせられます。
今日も最後までお付き合い頂きありがとうございました!
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●月刊誌『丸』にて「誰も知らないニッポンの防衛産業」連載中です。
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●YouTubeチャンネルくららで毎週末にアップしている「国防ニュース最前線」、今週も伊藤俊幸・元海将に解説をして頂きます。
http://okigunnji.com/url/42/
(さくらばやし・みさ)
桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、このURLからお知らせください。
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だけでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(PHP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミス」に『自衛隊密着ルポ』を…
[続きはコチラから]
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