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国柄探訪: 聖徳太子の和の祈り

 聖徳太子の肉声に耳を傾ければ、家庭、職場、国を元気づけるための体験的な智恵が聞こえてくる。
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■1.太子は何を目指したのか、その肉声を聞く

 今年は西暦621年に亡くなられた聖徳太子の1400回忌の年で、様々な記念行事が各地で開かれました。1400年も前の人物が現在と何か関係あるのか、と思われるのが常識でしょうが、それが「大あり」だという私個人の経験を述べたいと思います。

 太子を回顧する企画の一つとして開かれた奈良国立博物館の特別展「聖徳太子と法隆寺」で、心動かされた展示がありました。聖徳太子の直筆と伝わる「御物 法華義疏(ほっけぎそ)」です。法華経の注釈書を、太子ご自身で書かれたと伝わる巻物です。

 縦横1センチほどの漢字がびっしり並んで、所々字を書き直したり、書き加えたりされています。いかにも太子があれこれ考えながら、文章を書かれている様を思い浮かべることができました。ある専門家は、この巻物の字体に関して、こう述べています。

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 巻の部分部分で筆致が異なり、字の気分が異なっています。急に文字が小さくなったり、細身の字になっています。文字を書く専門の人間が書いたのなら筆致が揃ってくる筈ですが、さうではなく、研究をしている人や、或いは一日の朝から晩までその仕事をしているのではなく、自分の時間のある時にやっている人の書きぶりと思います。[松井]
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 聖徳太子は政務を執られながら、合間合間に筆を進められたのでしょう。政治上の問題が生じた時には、それが気になって集中できない、そういう影響が筆致にも現れたのではないでしょうか。

 太子は伝説中の人物で、大変に尊敬されてきましたが、逆に実在の人物ではなかった、などという研究者まで現れています。

 どちらにしろ、太子を一人の人間として、「当時の歴史の中で、日本という国において、いったい何をしようと欲したのか。そういうことが、今までの太子論では、十分に明らかでなかった」と、梅原猛・国際日本文化研究センター名誉教授は大著『聖徳太子』で述べています。[梅原1,p17]

 本稿では、梅原氏の著作を頼りに私見を交えつつ、太子は何を目指されたのか、その肉声に耳を傾けてみたいと思います。そこからは、我々自身の家庭や職場、企業、さらには国家のあるべき姿や、活性化のための深い智恵が聞こえてくるのです。


■2.日本を統一国家とするために

 日本書紀によれば、推古天皇11(603)年、30歳になられていた太子は、12月に冠位十二階を制定され、翌年4月には十七条憲法を定められます。

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 冠位十二階と憲法十七条が、聖徳太子の行った政治改革の中心であることはまちがいない。そしてこの二つは、深く関係している。[梅原2、p243]
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 大陸では随がおよそ300年ぶりに全土を再統一して、朝鮮半島北部の高句麗へ侵攻を始めていました。その外圧が強まる中で、日本国内は大陸からもたらされた疫病の流行、仏教導入を巡っての蘇我氏と物部氏の戦い、蘇我氏による崇峻天皇弑逆(しいぎゃく、暗殺)など、内政の混乱が続いていました。

 聖徳太子は、そのような内憂外患の危機的状況を打開すべく、日本を、氏族が勢力争いを続ける国家から、天皇を中心とする統一国家へと変革するために、冠位十二階と憲法十七条を制定したのです。


■3.冠位十二階による出身にとらわれない人材登用

 冠位十二階とは、出身氏族に関わらず、広く有能な人材を登用し、活躍させるための仕組みでした。たとえば最高位の大徳を授けられた一人、小野臣(おののおみ)妹子(いもこ)は、弱小氏族・小野氏の出身でしたが、太子の外交面での片腕として活躍しました。

 大徳として並んでいるのは、蘇我馬子の弟ないしは甥の境部臣(さかいべのおみ)雄麻呂(おまろ)と、大氏族である大伴氏の長、咋子(くいこ)で、二人は血筋では馬子に次ぐ人物でした。弱小氏族出身の妹子が、こういう有力氏族の長と並ぶ冠位についたのです。

 その他にも、下級氏族出身ながら、大徳に次ぐ小徳の位についた秦(はたの)河勝(かわかつ)、帰化人で第3位の大仁を授けられた鞍作(くらつくりの)鳥(とり)などが、太子のもとで活躍しました。

 出身氏族に関わらず、有能な人材が天皇のもとで活躍することで、有力氏族の力を押さえ、天皇中心の統一国家建設を推進したのです。出身にとらわれない人材登用は、「人間は本来、平等である」という太子の人間観が現れたものと考えられます。


■4.冠位十二階に込められた理想

 冠位十二階は、徳-仁-礼-信-義-智という6つの徳目にそれぞれ大小をつけて12の位としたものですが、このように徳目をそのまま冠位に用いる徹底性は、大陸や半島の冠位制度にはほとんど見られません。そこに「位の高い人物は徳も高くなければならない」という太子の理想が表れています。

 また、「徳」以下の具体的徳目の順位も儒教の五徳で言われる「仁-義-礼-智-信」に比べて、礼が3位から2位へ、信が5位から3位へと格上げされています。この順序が十七条憲法の構成に次のように対応していると、梅原氏は説きます。

 第1条「和をもって貴しとし」~3条  和(仁の代わりに)
 第4条「礼をもって本とせよ」~8条  礼
 第9条「信はこれ義の本なり」~11条 信
 第12条「国に二君なし」~14条   義
 第15条~17条「事はひとり断(さだ)むべからず」 智

 ここでいくつか疑問点が出てきます。

 (1) なぜ「仁」ではなく、「和」なのか?
 (2) なぜ「礼」が「義」の上位に置かれ、かつ他の徳目は3カ条なのに、「礼」だけ5カ条あるのか?
 (3) なぜ「信」が儒教の五徳では最下位なのに、「義」や「智」よりも上位におかれているのか。
 (4) なぜ他の徳目は最初の条が総論となってるのに、「智」だけ総論が最後の第17条に置かれているのか?

 これらの疑問に迫っていくことで、太子が何をどう目指されたのかが、明らかになってきます。


■5.(1) なぜ「仁」ではなく、「和」なのか?

「仁」は日本語では「思いやり」という言葉がぴったりでしょう。一人の人間として他者への思いやりを持つことは、道徳の第一歩です。一方、「和」は共同体の構成員が互いに思いやりを持っている状態と考えられます。「仁」が個人レベルの徳に対して、「和」は共同体レベルの徳なのです。したがって「和」は「仁」を含み、さらに高い次元の理想を表しています。

 「和をもって貴しとし」で始まる第一条を、太子はこう結ばれています。

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上和らぎ、下睦びて事を論(あげつら)ふに諧(かな)ひぬるときは、則ち事理(こと)自(おの)ずから通ふ。何事か成らざらむ[坂本他、p181]
(上下の者が睦まじく論じ合えば、おのずから道理が通じ合い、どんなことでも成就するだろう。[宇治谷、p92])
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 互いに思いやりを持ちながら、議論をする時、物事の道理が明らかになっていき、それによってどんな課題も解決することができる、という強い信念を、太子はここで表明されているのです。

 私はここでの表現から、太子が小野臣妹子や秦河勝などと和気藹々と国政のあり方を議論している様を思い浮かべます。また日本神話でも、大勢の神々が集まって話し合う光景が何度か出てきます。

「和」とは、日本社会の伝統的な理想であり、また衆智を集める創造原理でもありました。太子は「和」の理想を十七条憲法の冒頭に置くことで、目指す国家の姿を鮮明に示されたのです。


■6.(2) なぜ「礼」が「義」の上位に置かれ、かつ他の徳目は3カ条なのに、「礼」だけ5カ条あるのか?

「礼」とは「仁すなわち思いやりを、行動で表したもの」とされています。その具体的内容として、第5条は裁判の公正、賄賂政治の禁止、第6条は善を勧め悪を正す、第7条は人材登用、第8条は職務精励と、行政にあたる官僚が守るべき姿勢を挙げています。

 当時の氏族中心の腐敗した政治を改めるためには、この4項目の具体的な行動規範が不可欠と太子は考えられたのでしょう。これらを総括して、総論の第4条では「民を治むる本はかならず礼にあり」としています。これで合計5カ条となっています。

 もう一つ、注目すべきは「百姓礼あるときは、国家おのずから治まる」とも指摘されている点です。儒教では「礼は庶人に下らず」と言って、人民には礼を期待していません。太子は百姓、すなわち人民にも礼を期待します。理想的な国家を作るには、人民の礼も不可欠だと考えられたからでしょう。東日本大震災で被災者の秩序ある行動が世界を驚かせましたが、それが一例です。


■7.(3) なぜ「信」が儒教の五徳では最下位なのに、「義」や「智」よりも上位におかれているのか。

「義」は何が正義かであり、「智」は何が真理かの洞察力です。しかし、太子は第10条でこう言われています。

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自分が聖人で、彼が必ず愚人ということもない。共に凡人なのだ。是非の理(ことわり)を誰が定めることができよう。お互いに賢人でもあり愚人でもあることは、端のない環(…

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【今日の言葉】
 
太陽は夜が明けるのを待って昇るのではない
太陽が昇るから夜が明けるのだ
 
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東井義雄(伝説の小学校教師)
2022年版「致知手帳 特別付録/人生心得帖」より
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この言葉は、「太陽」「夜」の部分をいろいろな表現に置き換えて考ることができるでしょう。
 
「逆境が過ぎるの待ってから努力するのではない
 努力するから逆境を乗り越えられるのだ」
 
など、それぞれの場で、言葉を落とし込んでいただければ幸いです。
 
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)12月26日(日曜日)
  通巻7171号
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 日本の右肩下がり、デフレの30年は何が原因だったのか
  プラザ合意、半導体協定、そしてバブル崩壊
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 日本経済は三十年におよぶ停滞。右肩下がりは若者の夢を奪い、士気の希薄な日本からは世界を導く新技術は発明されなかった。VHSヴィデオも、SONYのウォークマンも、遠い昔の成功物語となった。デジカメは一時的流行があったが、往時の十分の一以下のシェアとなったスマホ撮影となり、これも米、中、韓、台湾が優勢である。

 スマホなど新しい技術によるビジネスは米国が寡占し、GAFAは猛烈な勢いで伸びた。そしてAI開発でも日本は周回遅れである。
 なぜ日本は置いてきぼりを食らったのか。

 第一に1985年のプラザ合意である。
不意の為替レートの変更は日本国内の零細中小企業の輸出競争力を失わせ、瞬間風速の竜巻が多くの犠牲をだしたように、弱電分野の多くが倒産し、あるいは海外へ工場を移転した。日本の空洞化が始まった。政治責任は大きい。

 第二は1986年の「日米半導体協定」である。
アメリカに経済ナショナリズムの嵐が吹き荒れ、議会前ではSONY、東芝製品をハンマーで壊す議員らのパフォオーマンス。ついで88年にFSX国産化が白紙還元となって、とりわけ半導体で世界一を突っ走っていた日本勢に急ブレーキが掛かった。
次世代の半導体技術は韓国、台湾へ移転した。台湾が技術的にもインテルを抜いて、TSMCは世界一となった。
 そのTSMCが熊本に工場を新設すると聞いて、日本政府が3000億円を補助するとは、しかも熊本でつくられるのは旧世代の汎用品でしかないのである。

 第三に為替による国内空洞化は、日本経済を金融にシフトさせ、行き場を失ったカネは株と不動産へ急傾斜する。「財テク」とか「ビッグバン」とか喧しく言われたが、強い円を国家戦略で用いることはなく、徒らに米欧豪の不動産投資が行われ、日銀の総量規制によってバブルは破滅した。以後、二十年どころか三十年に亘って、日本経済はデフレ、GDP成長はへなへなとへしおられた。

 現在の日本経済の危機は異様な「円安」である。
 円安は嘗ては輸出競争力を高めた。現在は世界的サプライチェーンで、部品工場は海外にあり、日本の大手企業の多くが海外生産ゆえ、円安はプラスにならない。円安で設けたのはFX投機組だけだろう。

 円安は輸入原油、ガス、食料、原材料価格を押し上げる。そのうえ円安は、海外から観光客が「日本が安い」とばかりに大量にやってきた。いまも台湾、香港、中国では「安い間に円を購入し、コロナ以後の日本旅行に備えよう」とネットの囁きが聞こえる。

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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴著『日本の保守』を読了致しました。日本の国史を追いつつ、真正保守の心情と行動の系譜について克明に記述されており、歴史に遺る大和魂の精華を拝読する思いが致しました。
 日本の現在の低迷は、大東亜戦争における武力戦終戦以降の思想戦において無残に敗れ、日本人が古来継承してきたやまと心を見失っていることに、その根本原因があると思っておりました。
 本書を拝読し、その日ごろからの思いが、時代を追って想起でき、自分自身でも整理できました。先人の守ろうとしてきた日本精神の神髄を、改めて考え理解することができました。このような力作を著わされた先生のご尽力とご見識に敬意を禁じえません。
 陸上自衛官としてこれまで在職間から、日本の国家をいかに守るかを考え、計画し、訓練を重ね、それなりに備えてきました。しかし、自衛隊には、何を守るかについての究極的な回答はありません。
 自衛隊の主たる使命は、他国の軍と同様に、直接及び間接の侵略に対して、国家の主権と独立を守ることにあります。しかし、その使命は、国家存亡の危機においては、自衛官あるいは軍の将兵が、生命を投げ出してでも戦闘任務を遂行することなしには、完遂できません。
 将校なら、部下を死地に赴くよう命じなければならないこともあります。自ら死地に行くよりも、ある意味でもっと過酷な任務です。そのような時に、我々は何のために命を賭けるのか、何のために部下に対し、命の危険を冒しても任務を達成するように命じるのかが問われます。
 しかし、自衛隊においては、個々の将兵の命を犠牲にしてでも守り抜くべき、日本国固有の価値について、納得のいく答えは与えられていません。戦後占領軍に与えられた民主主義や自由のために闘うのでしょうか?任務に赴く自衛官には、自らの人権も選択の自由もないのです。それでも守るべき大義に回答がないとすれば、それで国防が全うできるのか、だれが本気で国のために闘う気になるのか、そのような疑問を禁じえません。
 単に家族を守る為なら、自分が自ら軍人となり戦う必要はなく、非戦闘員の立場で家族ともども占領軍に保護を求めればよいのです。もっとも、日本を侵略するような国に国際法や人道的扱いを期待はできませんが、隷従に甘んずるなら、無抵抗に徹するという生き方はできます。
 しかしいざとなれば、特に日本男子の大半はそのような卑怯な生き方は選ばないでしょう。自衛隊は余りに兵員数が少なく、人も物も予備がなきに等しく弾薬等の備蓄も過少です。たちまち戦力を枯渇させるでしょう。
 本格的な人民解放軍の侵略があれば、国民の一部、少なくとも侵略を受けた地域の住民自身が武器を執って戦うしかない局面が来ます。米軍には地上戦は期待できません。予備役の備えも訓練もいまの日本にはありません。いざとなれば、少なからぬ男たちが死地に自ら赴くことになるでしょう。
 三島由紀夫氏が諫死をもって訴えた、日本人が共有する命を賭けても守り通すべき価値とは何か、それに対する答えが、彼らには必要になります。その回答が、真正保守の精神であり、やまと心ではないでしょうか。
 民主主義や人権や自由は借り物に過ぎません。それらの規範が追求してきた世界は、記紀万葉の中ですでに実現していました。日本古来の国体こそ、理想世界です。本書では、やまと心を体現した人物の系譜がたんねんに分かりやすく説明されています。日本の国体、やまと心こそ、日本人が命がけで守るべきものです。本書を通じそのことを改めて痛感致しました。
 第八章に触れられている戦後の真正保守の系譜の岡潔、福田恆存、林房雄、三島由紀夫、小林秀雄、村松剛、保田與重郎、江藤淳などの人びとは、私も学生時代に著作を読みふけった偉人ばかりです。故人に再会したような懐かしさを覚えました。
 保守にも近代保守やリアリストの保守もいます。実務、特に防衛や安全保障も、政治もリアリズムの世界であり、リアリズムに立たざるを得ないのですが、半面、究極の決断においては、真正の曇りのないやまと心に立たねば、判断を誤る世界です。
 現代の政財官学の指導者たちは、真正保守のやまと心を学ばずあるいは忘却してしまっています。このままでは、日本の行く末は危ういと思います。近代主義とグローバリズムを超克し、真正のやまと魂を再発見しなければなりません。
 僭越ながら、本書はそのための礎となる記念碑的著作だと思います。御労作に改めて敬意を表します。
   (矢野義昭)



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(読者の声2)いささか旧聞ですが、12月19日に行われた香港立法会(議会、定数90)選挙は、ほぼ全員が親中派という「無惨」な結果となりました。香港大学の天安門慰霊碑や香港中文大学の自由の女神撤去は、この親中派議会の仕業でしょうか。
 いずれにしても反中派という民主諸勢力は立法会選挙に候補者も立てず、投票をボイコットしました。結果、投票率は30%に達せず、この選挙は「お笑い草」。習近平のいう「愛国者の統治」とは「売国奴の支配」と言い換えた方がすっきりしますね。
  (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)なるほど「愛国者の統治」とは「売国奴の支配」と同義というわけですね。



  ♪
(読者の声3)貴誌通巻7170号の読者の声 (KI生 尼崎市)様のお考えはおおむね正しいとおもうのですが・・・もう一歩踏み込みますと・・・
 そもそも簿記なるものは「通貨は資産であり、価値と全く等しく、同じものである」ことを前提に構築されています。この構造は通貨が金(GOLD)などのように概ね世界中の人間が価値ありと共通認識してきたニクソンショックのころまでは、何とか社会の中で価値の「移動」をウオッチする任務を簿記は(取り繕いながらも)維持できてきました。
しかし特に「MMT的時代」のようにいくらでも印刷すれば通貨は「価値の裏付けとは無関係に創出」できることで分かるように、通貨と価値の分離が顕著になるにつれ、「価値必ずしも通貨額に等しくはない」という「現実」が、「既存の経済学」を「説明困難の学問」に陥れたのです。この最も肝心な点を経済学者や会計学者たちは気づいておられないのです。
(SSA生)



   ♪
(読者の声4)日本の国債が大きな赤字というけれど、いざとなったら日本中央銀行券を印刷すると良いのだと言っていましたよ。米国の国債は多くの外国人が購入しているのに対して、日本の国債を購入しているのは5%程度であるので、赤字であっても問題が無い、と選挙の応援演説で(熊本県)八代に来た麻生元総理大臣が言っていました。
(橋本正次)


(宮崎正弘のコメント)日銀券ではなく、政府紙幣のことだと思います。半世紀も前に丹羽春喜先生が提唱されて、MMT理論の魁とも言われる「打ち出の小槌」論です。



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(読者の声5)「国の借金」1300兆円(=国債発行総…

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