ちょっと変わったポリ単色のリバースウィーブ | チャンピオンマニアの視点

チャンピオンマニアの視点

チャンピオンTシャツ、リバースウィーブを中心にマニアの視点で50~90年代まで幅広いアイテムの細部を詳しく解説していきます!また、チャンピオンの魅力をIVYに始まる東海岸のカルチャー、70sの西海岸カルチャーの中から当時の写真を交えながら迫っていきたいと思います!

今回紹介したいのはこちら

色はネイビーではなく、当時のカタログでいうとROYALという濃い青になります。

 

下のようにアームホールが細いので

タグはというと単色初期。

アンダーバーがないのでおそらく73~76年くらい

 

だと思われます。

 

今回のポイントはプリント。

この年代のリバースのプリントはアスレチックものがほとんど。

 

当時のカタログでもリバースウィーブはフットボール部と

 

トラック&フィールドのウォームアップスーツとしての取り扱い

 

ですがなんとスパもの!

 

おそらく、このスパスタジオの従業員の制服の1つとして

 

支給されたものではないかと思ってます。

 

チャンピオンでスパもののプリントというと

 

70sのバータグのTシャツではちらほら見かけます。

しかし、リバースというのは本当にない。

 

なのでこのeuropean health spaとは何なのか。

 

ここにその謎を解くカギがあります。

 

50s後半70s中期までアメリカでは

 

ヨーロッパ式の温泉、サウナ、オイルマッサージがブームでした。

 

そして、このころは店名にSPAと入れることが主流だったようです。

 

european health spaは1968年オープンでアメリカ最大の支店数を誇るヘルススパでした。

 

下の写真はニューヨークのマンハッタンの支店

当時、マンハッタンで最も栄華極めた場所に建てられたこの建物

 

アメリカでも著名な建築家によって設計され

 

非常に大胆な建物としてとても注目されましたが内装も豪華絢爛。

 

さらに豪華なサービスと豪華な施設で人気を博したとのことです。

 

また、この支店のバーにはシベリアトラが見れるケージもあったとのことです。

 

これだけ内外装、施設にお金をかけたのであれば

 

従業員に支給したシャツにもお金をかけたことがうかがえます。

 

なのでリバースウィーブでオーダーしたんだと思います。

 

70年代当時リバースのクルーネックはプリント入りだと

 

オーダーのダース数で変わりますが約42ドル

 

当時のレートで約15000円なので

 

それを支給できるなんてお金がないとできないです。

 

リバースウィーブはチャンピオン製品でも最も高級品。

 

アメリカでスパ帝国と言われたeuropean health spaだからでき

 

他のスパスタジオものがないのでしょう。

 

では、いまのeuropean health spaは?

 

その後はオーナーが転々とし、2016年に破産。

 

今でも取り壊されず廃墟となってます。

このリバースはeuropean health spaの歴史の中でも

 

最も繁栄していたころの産物だったのでしょう。

 

そんな歴史を踏まえると一見イマイチなこのプリントも

 

すごくよく見えてきちゃうのが不思議です。

 

ちなみに80sに入るとSPAではなく

 

FITNESSという言い方が主流になりますので

 

トリコタグのTシャツではFITNESSって入るプリントを

 

見かけるようになります。

 

と同時にこの年代でもFITNESSもののリバースは見ないです。

 

今回はこんなところで。