まもなく、Ubuntu 22.04 LTS がリリースされようとしていますが、愛用の Debian にもポイントリリース版が出ましたので早速インストールしてみました。debian はそもそも Ubuntu の実の親なので、子供の出来を見る前に親の行動を確かめてみることにしました。色々ことがありましたので、簡単なメモにしています。メモ

 

さて、Debian 推奨のネットワークインストール方法は3つありますが、今回はその中からネットワークブートを採用しました。


「この方法による Debian のインストールでは、インストール作業時に インターネットへの接続が機能している必要がありますが、 ダウンロードするデータ量は必要に応じて取得するため、 他の方法と比べて少なくて済みます。

 

しかし、すべてのマシンでネットワーク越しの起動がサポートされているとは限りません。 付加作業が必要となるために、この Debian インストール方法は初心者ユーザにはお勧めできません」。と、サイトに書いてありましたので、くれぐれもご注意ください。

 

最新 OS のインストールに使用したのはこんな15年も前の古いマシンです。重くて分厚くてとても頑丈な造りで、しばらくは壊れそうもありません。

NEC   PC-LL800KG
・発売日  :    2007/09
・CPU     :    Core 2 Duo T7250
・メモリ  :    2G 
・重量     :    3.6 Kg

 


インストールには mini-ISO を使用する方法をとりました。これはサイズがたったの 48 MB で、このファイルにはインストーラだけが含まれています。

 


USB に焼いた方法は、今回も愛用の MX Linux の内蔵ツールです。MX Linux はツールが豊富で便利至極ですね。

 


それでは、この方法で焼いた USB を使用してインストールを始めていきます。インストールしたバージョンは極楽はぜ愛用の LXDE 版です。そして今回もこんなことをやってみました。

1.  インストール
2.  日本語入力  
3.  簡単カスタマイズ
4.  バックアップ用 img 作成

5.  メモリテスト

1.  インストール
Debian11 は最近の他の親切な OS に比べると、インストールが少し面倒です。途中でのトラブル発生も日常茶飯事ですが、あの手この手で進めていきます。




b.  ランゲージ、場所、キーボード
ランゲージ、場所、キーボード等の3箇所へ日本語を適用します。



c.  ネットワーク
ドライバが見つかれば無線でもいけますが、有線があるならば最初からそのほうが手間いらずです。極楽はぜはもちろん有線に設定しています。




d.   ミラー設定
アーカイブミラーを推奨の debian.org へ設定しています。



e.  root パスワード
今回のインストールでは、root パスワードは設定しませんでした。解説によりますと、「root パスワードを設定しなかった場合は sudo パッケージがインストールされ、システムで作成された最初のユーザーが root になり、sudo コマンドが使えます」とあり、sudo を使用するようにしました。



f.  user パスワード
今回は世の中の大勢に逆らわず sudo を使用することにし、root パスワードを設定しませんでしたので、これが唯一のパスワードとなります。



g.  パーティショニング
いつものようにマルチブートに設定するため、一番下の「手動」を選択しています。



h.  パーテーション設定
インストール先パーテーションを選択し、内容を編集します。多数ある中から下記3項目を設定します。

・利用方法  :  ext4
・初期化  :  初期化
・マウントポイント  :  /




i.  ディスクへの書き込み
パーテーショニングの設定が終了しましたので、パーテーションの設定内容を確認しディスクへの書き込みます。
 

 
j.  ベースシステムのインストール
 ベースシステムをインストールしています。



l.  ソフトウエアの選択
デスクトップの選択では、使い慣れた LXDE、デスクトップ環境、標準ユーティリティの3項目を選択しています。
 


m.  インストール中
 インストール中です。パッケージ数は 1,200 個弱で、軽量な仕上がりが期待できそうです。



n.  GRUB ブートローダ
ここでブートローダをインストールします。



o.  GRUB インストール失敗
「GRUB をインストールできません」、「これは致命的なエラーです」。




「再度実行するか」、「スキップするか」、「別のものを選択するか」。




P.  インストールプロセスを戻る
インストールプロセス一覧へ戻ることにします。

 

q.  ブートローダー無しで続ける

「ブートローダー無しで続ける」を選択し、インストールプロセスを続行することにしました。

 

 

r.  完了
インストールが完了しました。USB を抜き再起動します。



s.  ブートローダインストール

再起動しても当然のように起動してくれません。当たり前ですね、ブートローダーが入っていないのですから。ここで慌てず、他 OS やレスキューツールから GRUB をインストールしてやります。

 

この緊急事態では、極楽はぜ愛用の MX Linux 内臓の MX ツール「起動処理の修正」を使用して、GRUB を再構築しました。

 

 

ここから「GRUB 設定ファイルの再構築」を起動、既存の設定ファイルへ Debian を追加設定してやりました。

 


t.  完成
そんなこんなでなんとかトラブル脱出、ようやくインストール作業を終えることが出来ました。
 


2.  日本語入力  
とにかく起動させることが出来ましたので、次にすることは日本語入力を完成させることです。ところが、このバージョンでは何もしなくても日本語入力が出来ていました。デフォルトの日本語入力は uim-mozc です。




uim が使いづらいという向きには、パッケージマネージャーからお好みで fcitx 等に簡単に変更できます。



こんな風に日本語入力が出来ています。

 

 

基本設定が終わりましたので、次は簡単カスタマイズです。

 

3.  簡単カスタマイズ
ここからはいつものように、痒いところに手の届かない、作りっぱなしで素っ気ない Debian を、少しでも使い勝手を良くしてみようというのがささやかな目的です。

a.  Grub Customizer
最初は、Debian には実装されていない起動復旧ツールです。今回のようなアクシデントにはうってつけの回復ツールで、一発でGRUB を復旧することができます。


メニューリストは、起動するだけで自動的に作成され、メニューの並替え、追加、削除、名前変更は簡単に出来ます。


 リスト設定


一般設定では、デフォルトのブートエントリの変更、カーネルパラメータの編集がお手軽にできます。


一般設定


外観では、テキストの色やスクリーンの背景画像の変更が、お好みに設定できます。


外観


b.  HardInfo
メニューには「System Profiler and benchmark」と表示されていますが、通称、Hardinfo です。システム関係の大量の情報表示とベンチマークテストができるツールです。 


情報表示


コンピュータ、デバイス、ネットワーク等のリポート作成ができます。


リポート作成


上記の中から、ベンチマークテストをやってみました。自分のマシンの立ち位置がクッキリと分かります。

 

ベンチマークテスト


c.  Sources List Generator
次は、「Sources List Generator」です。これは、デフォルトのリポジトリへ「contrib」、「non-free」を追加することにより、サードパーティのドライバ等を活用できるようにするものです。

 

 

 必要な情報を穴埋めすることで、 Sources List が簡単に作成できます。


 
出来上がったリストを / etc / apt / sources.list へ貼り付ければ終了です。これで、追加ドライバ等が入手出来るようになります。

/ etc / apt / sources.list


c.  SpaceFM
LXDE 版のデフォルトのファイルマネージャーは、軽量でお馴染みの PCManFM なのですが、極楽はぜはもっと使いやすいお気に入りの高機能な「SpaceFM」へ変更しています。元々は PCManFM のフォークなのですが、ルート作業が簡単に出来るというのがウリです。



メニューから root を一発で開くことが出来ます。システムいじりが大好きな極楽はぜにとっては、いつも手元において重宝しているものです。


 

d.  gufw ファイアウォール
Win11 よりは安全とは言っても無防備では少し心許ないので、gufw で簡単・直感的にファイアウォールを管理するようにしています。これもパッケージマネージャからワンクリックです。

起動方法は Status をオンにするだけです。これで基本設定は自宅に設定済みとなります。プロファイルは三択で、強度に応じて使い分けられます。




 4.  バックアップ用 img 作成
この Debian には、最近の人気 OS には必須のバックアップツールがありません。MX Linux では当たり前のようにバックアップ ISO が作成できるのですが、何とも素っ気ないものです。そこで、GNOME Disks で使用パーテーションのバックアップ USB を作成、再インストールする方法を試してみました。


詳しくは過去ログを見ていただければ嬉しいです。ここではイメージファイルを作成・リストアする方法を模索しています。

 

 

こんな方法で、パーティションのバックアップ img を作成してみました。


a.  ディスクイメージを作成
b.  USB から Debian を再インストール

c.  ブートローダインストール

始めていきます。

a.  ディスクイメージを作成

最初にバックアップ用イメージを作成します。この作業には、ライブ USB で起動するか、マルチブートの場合は別パーテーションから起動する必要があり、また、作成パーティションは作業用パーテーションより小さくしておく必要があります。

 

パーテーションサイズ変更

 

GNOME Disks でパーテーションのディスクイメージ作成中。

 

 

パーテーションのディスクイメージが完成しました。サイズは 4.7GB でしたので、使い古しの 8GB の USB に収まります。

 

 

b.  USB から Debian を再インストール

作成されたディスクイメージを USB へコピーします。

 

 

コピーされた USB からパーテーションのディスクイメージをリストア開始します。

 

 

リストア中です。数分かかります。

 

 

パーテーションのリストアが終了しましたので、次へ進みます。


c.  ブートローダインストール

このバックアップ方法もブートローダーがありませんので、手動で対応しなければなりません。しかし、やることは一緒で、ツールから回復処理をするだけで簡単に起動させることができます。ここでは antiX のブートリペアを使用してみました。

 

 

こんな方法で、あの気難しい Debian もあちこちの PC へ移植できるようになりました。やはり、一から始めるよりは、カスタマイズされたものが使えるのは楽チンですね。


5.  メモリテスト
ようやくバージョンアップ版の Debian11 も動くようになりましたので、いつものメモリサイズを確認してみました。やはり、素の Debian は軽量版に仕上がっていました。

# free -h

 
ついでと言ってはなんですが、HDD のサイズも確認してみました。ほとんど antiX 並の軽量サイズになっており、やはり世界中のみんなのベースになるだけの実力者でした。インストール後は Bleachbit でクリーニングしています。

# df -h

 

やっぱりね、と言われそうですが、相も変わらずインストール途中でエラー発生となってしまいました。何故なんでしょうか。ネットインストールはなかなかハードルが高く、毎回、残念な結果が待ち構えています。それでも、インストールさえ終わってしまえばサクサクです。全世界で評判の超軽量版 antiX とほぼ同等、こんなオールド PC でも動画再生も難なく高画質でこなしてくれています。やはり、痒いところに手が届かない、何にも入っていないというのが軽量化の最大の手法ですね。

             

近所のりんごの木は、ようやく積雪ゼロになりました。枝の剪定も終わりましたので、花芽が膨らむのを待つばかりです。

ローカル新聞にこんな記事が出ていました。
「地元の 農業活性化アイドルグループりんご娘 が1日、姉妹グループ・アルプスおとめの4人が昇格する形でメンバー総入れ替えとなり、新たなスタートを切りました。所属事務所が記者会見を開き、リンゴの品種にちなんだ4人の芸名をピンクレディ、はつ恋ぐりん、金星、スターキングデリシャスと発表しました」。新しいりんご娘が楽しみです。



最近の極楽はぜは、ネットから国保の健康診断の予約申込みをしました。市のホームページから夜に申し込みしておいたら、次の日のお昼には受付完了メールが来ていました。仕事が早いですね。以前は国保ドックを受けていたのですが、昨年からは無料の健康診断に変更しました。というのは、 あちこちで CT、MRI、血液検査と重複検査になっているように感じたからです。では、また。
 

軽いよね背中に何も背負ってない