また出てきましたね、猛犬が。最近のパピーの世界には二大勢力がしのぎを削って勢力争いをしているように見えますが、私の目が老眼のせいでしょうか。子犬とドッグの争いのことです。どちらも出自は同じなのですが、育った環境が全く違うため、アッチとは違うぞ、一緒にするなと言っています。
最近の極楽はぜはマアマアと言いながら、どちらにも両方にいい顔を見せていますが、なんてたって Ubuntu の財産をまるごと利用できるのですから、使わにゃ損損ということで、今回はその辺のところを簡単なメモにしましたので、期待しないで読んでみてください。
「友好的なリス」を猛犬に仕立てたのは fredx181 さんです。一連のドッグシリーズのソックリさんのように見えますが、実態はそのとおりです。また、今までの成果が有効に活用されていますので、比較的とっつきやすいのが嬉しいです。
XenialDog (Ubuntu 16.04 'Xenial Xerus' LTS, 32-bit)
さてインストールですが、 DebianDog ゃ Mintpup とのそっくりさんですので、インストール方法等はそのまま踏襲しています。そんな訳で、今回も先達の成果をそのまま参考にさせて頂いていますので、改めてブログ上からですがお礼を申しあげます。
関連項目のエントリーです。同じ事の繰り返しですが、少しでもお役に立てれば幸いです。
DebianDog-Jessie-JWM を日本語化してみました。
DebianDog-Jessie-OpenBox を日本語化してみました。
DebianDog-Jessie のメニユーを勝手に日本語化してみました。
MintPup (Trusty LTS) を勝手に日本語化してみました。
2016/5/25 追記
新版「XenialDog-openbox_jwm-2016-05-21」が発表されましたが、私の環境ではやはりXサーバーの調子が悪く、デスクトップに同様の現象が発生しています。
1. 英語版のインストール
ダウンロードした ISO ファイルをクリックして開き、中にある本体ファィルの casper フォルダを home(sda1) パーテーションへコピーします。インストールはこれだけです。
今回も起動方法は porteus-boot を使用しました。フォーラムで説明されている中から、自動的に保存フォルダを作成してくれる上から二番目のスクリプトを、メニューリストの一番上へコピーしました。これで起動できます。
三番目の保存ファイルを作成する方法も、簡単に保存ファイルのポイ捨てやバックアップができるのでお勧めです。もちろん、casper-boot でも同様に起動できます。後でタイトルを MintPup から Xenail にリネームしたほうが紛らわしくなくてよいと思います。
早速起動してみましたが、デスクトップ画面が溶けていて、グチャグチャになっています。この画面はフリスビーを起動している状態です。のっけから最新カーネルの影響をもろに受けてしまったようです。ちなみにカーネルバージョンは Kernel: 4.4.0-21-generic だそうで、 パピーにしては思いっきり新しいです。
NEC VN500/M
AMD Athlon(tm) 64 X2 Dual-Core
仕方ないので別のオールドPCに替えてみましたが、結果は同様で X サーバーが立ち上がりません。何かが足りないようですがよく分かりません。
NEC VY17M/FD-5
Celeron M530 1.73G
三台目のオールドPCに変更して、ようやく起動できるようになりました。やれやれ一時はどうなることか、「どうしたもんじゃろのう」とつい口から出てしまいそうになりました。ウソデス。
Acer Aspire-one D250
Atom N280 @ 1.66GHz
実はこのバージョンには JWM 版と OpenBox 版がありますが、日本語化の容易なのは JWM 版なので今回はこちらを攻めることにしました。システムの「Start JWM」で切り替え、 startx で再スタートさせることで JWM 版へ切り替えます。
ようやく起動することが出来ましたので、最初の作業は LAN 接続です。できる限り有線 LANを使用して作業を進めるのを推奨します。無線 LAN 接続では内蔵の Frisbee の調子が悪いようで接続できませんでした。
フォーラムの2ページではこんな時のために wicd-gtk の使用が推奨されています。インストール結果はオーライでしたが、ご丁寧に もFrisbee が削除されてしまいますので、若干の注意が必要です。
暗号がどうのこうのと言われますが、プロバティへパスワードを入力すれば接続出来ました。暗号方式の選択はよくわかりませんでしたので、デフォルトのままにしてあります。
それではメインの日本語化の作業になりますが、やることは過去ログとほぼ同様で、メニユーの日本語化が少しだけ簡便法といいますか、手抜きになっています。極楽はぜはつい本筋からはずれてしまうため、先達からはちょっとやり方違うんじゃないの言われるかもしれません。
今回やることの概要です。
A. 削除されている ja ロケールの追加
B. 日本語設パッケージの追加
C. 余計なフォント DejavuSans の削除
D. 日本語入力の追加
E. デスクトップ、メニューの日本語化
事前準備として削除されているロケールファィルを追加しておきます。フォーラムのリンク先から 99-locales をダウンロードし casper フォルダへコピーします。
99-locales-XenialDog-2016-04-29.squashfs
これからやる日本語化作業はターミナルを起動し、#以下をコピペし、赤字を書き換えるだけですが、作業中はこのページ等をテキストエディタ等でコピーしたものを見ながらやるのが良いと思います。
しかしまだ日本語フォントが入っていませんのでテキストは豆腐状態になります。必要なところを拾えば作業には特に支障はありませんが、気持ち悪い方は「窓の杜」等から日本語フォントを font フォルダへ、コピペしておいた方がよいと思います。
2. アップデート
最初にパッケージ情報を最新に更新します。時間は数分です。
# apt-get update
# apt-get dist-upgrade
3. フォント追加
日本語フォントを追加しますが、お好みのものがあればフォントフォルダへコピーした方が早いでしょう。お馴染みの takao と VLgothic です。元の IPA フォント や IPAex フォントをパッケージマネージャからインストールするのも簡単です。
# apt-get install fonts-vlgothic fonts-takao
4. 日本語パック追加
日本語表示に必須の日本語パックを追加します。
# apt-get install language-pack-ja-base language-pack-ja
5. 不要フォント削除
極楽はぜはメニュー日本語表示の邪魔をしている「dejavu-sans」を削除しました。日本語フォント以外はすべて削除していますが、一般的な使用には特に支障は無いようです。それぞれの環境によっては削除など必要ないかもしれませんので、作業が終わって確認後に実施しても良いと思います。ただし何かしらの手立てをしなければ、メニューの日本語表示はできません。
6. タイムゾーン設定
エリア設定をします。しかし、いつの間にか狂ってしまうようです。仕組みはよく分かっていませんが、パッケージマネージャから ntp を入れて解決しました。もちろんネットに接続されてから時刻修正されます。
# dpkg-reconfigure tzdata
Asia→Tokyo
7. キーボード
キーボードの設定です。デフォルトの pc105 のままにしてありますが、メニューからは各種キーボードの変更ができます。しかし、何が有効なのかよく分かりません。
# leafpad /etc/default/keyboard
XKBMODEL="pc105"
XKBLAYOUT="jp"
8. 日本語環境へ切替
日本語パックにより日本語ロケールがサポートされたかを確認します。
# grep ja /usr/share/i18n/SUPPORTED
ja_JP.EUC-JP EUC-JP
ja_JP.UTF-8 UTF-8
次に日本語ロケールを生成、設定します。
# locale-gen ja_JP.UTF-8
ja_JP.UTF-8 . . . done
Generation complete
# update-locale LANG=ja_JP.UTF-8 LANGUAGE="ja_JP:ja"
# source /etc/default/locale
# echo $LANG
ja_JP.UTF-8
終了しましたので、再起動して確認します。
# reboot
嬉しいことに主要メニューが日本語化されています。これならばこれからの作業がグーンとやりやすくなります。進化していますね。本音を言っちゃいますとこれでも充分達成感があります。
ターミナルに何か入力してみますと日本語表示され、無事に日本語化されたことを確認できました。ブラウザでの日本語表示には無感動ですが、端末が日本語になると少し感動します。
9. 日本語入力を追加
ようやく日本語表示をさせることができましたので、つぎは日本語入力ができるようにインプットメソッドに uim-anthy を入れます。 scim-anthy や mozc もパッケージマネージャから追加設定できるようです。
# apt-get install uim uim-anthy im-config
# apt-get install uim-mozc
# im-config -n uim
再起動します。
# rboot
ツールバーに uim-anthy の青いパックマンのようなアイコンが出れば終了です。 ここまでくれば日本語をサクサクと入力することができるようになります。下の画像は Anthy の設定画面ですが、私は昭和の匂いがするオジサンなので、当然かな入力に設定しています。
さてゴールが見えてきました。残るのはデスクトップとメニューの日本語設定です。日本語化の容易なのは JWM 版なので、システムの「Start JWM」で切り替え、 startx で再スタートさせることで JWM 版へ切り替えます。
11. デスクトップの日本語化
これは簡単です。デスクトップ上のアイコンを右クリック、「アイテムの編集」を開きアイコンのテキストを書き換えるだけです。
完成しました。
12. ルートメニューの日本語化
ほとんど日本語になっていますが、残っているものを書き換えます。隠しファイルの /root/.jwm の中にある「jwm.head、jwm.tail」を右クリック、テキストで開き、それらしい箇所を書き換えれば完了です。
これでも書き換えられないで残っているものは、メニューの本体である /usr/share/desktop-directories の中アイコンのプロパティの名前を変更してやります。WMエグジット、 startx 、 Menu Default かリブートすることで書き換えられていると思います。この書き換え方がイマイチ良くわかっていない極楽はぜです。しかし我ながら強引なやり方でした。
完成しました。
13. アプリケーションメニューの日本語化
これはもっと簡単です。 /usr/share/applications のアイコンのプロパィを開き、メニューとにらめっこしながらリネームするだけです。従来の方法、テキストで開き NAME[ja] を追加設定しても同様に書き換え出来ます。
前回書きましたが、 またもや ja と ja-JP の関係が存在します。WMエグジット、 startx 、 Menu Default かリブートで書き換えられていると思います。
完成しました。
いやー、日本語に書き換えるのにこんなにあちこちいじらなくても、簡単にできる方法がありそうですね。どこかで一括変換するスプリクトを見かけましたが、極楽はぜにはやり方が分かりませんでした。
今回も自己流で日本語化してみましたが、こんな力仕事だけで自分なりの日本語版を作ることができたのも、すべて先輩諸氏の成果を参考にさせていただいた結果です。ありがとう御座いました。
自分だけのパピー、自画自賛、唯我独尊。
極楽はぜの住んでいる北国では、桜が散った後すぐにりんごの花が咲いてくれました。長い冬の後の短い春は駆け足で進んでいますが、多分今が一番良い季節なんでしょう。当地では今が小学校の運動会シーズンになるのもうなづけますね。では、また。
猛犬の前で震える子犬たち